シマノのロードバイク用コンポには「デュラエース」や「アルテグラ」などのグレード名がありますが、これに付随する型番はモデルチェンジの度に変更になります。
また、電動変速やディスクブレーキモデルなどがリリースされると、同じグレード内でも違う型番が存在したりもします。
そこで今回は、シマノコンポの型番について詳しく検証してみます。
シマノコンポ最新型番の見方
シマノのロードバイク用コンポの型番には、2016年のデュラエースのモデルチェンジ以降、頭に「ロード」を意味する「R」が付けられるようになりました。
そして、4ケタの数字が振り分けられ、型番が形成されています。
冒頭でもお話ししましたが、同じグレード内にも複数の型番が存在しますので、まずは最新の型番の見方をご説明します。
型番を見てどのグレードかは、Rに続く4ケタの数字の先頭、いわゆる千の位を見れば分かりますので、下記にまとめます。
「9」・DURA-ACE(デュラエース)
「8」・ULTEGRA(アルテグラ)
「7」・105(イチマルゴ)
「4」・TIAGRA(ティアグラ)
「3」・SORA(ソラ)
「2」・Claris(クラリス)
Rに続く千の位の数字が上記であれば、グレードは同じになります。
シマノのロード用コンポの型番の歴史
シマノのロードバイク用コンポはモデルチェンジを重ねてきているので、型番も乱立と言っても過言ではないほど多く存在します。
しかも、ここ数年でティアグラ以外の全てのコンポがモデルチェンジをしているので、旧型番の製品もまだ残っており、特に105、アルテグラ、デュラエースは千の位が変わっていますので注意が必要です。
頭にRが付かないのが旧型番であり、デュラエースは7000番台、アルテグラは6000番台、105は5000番台が、旧モデルの型番になります。
ただ、これだけでは少し分かりづらいところもあろうかと思いますので、ここでは2000年代に入ってからの各コンポの型番を時系列でご紹介します。
【デュラエース】
7800(リア10速)
↓
7900・7970(電動変速Di2導入)
↓
9000・9070(シマノ初のリア11速化)
↓
R9100・R9150(Di2)・R9170(ディスクブレーキモデル導入)
【アルテグラ】
6600(リア10速)
↓
6700・6770(Di2)
↓
6800・6870(リア11速化)
↓
R8000・R8050(Di2)・R8070(ディスクブレーキモデル導入)
【105】
5600(リア10速)
↓
5700
↓
5800(リア11速化)
↓
R7000・R7020(ディスクブレーキモデル導入)
【ティアグラ】
4400(1999年発表、リア9速)
↓
4500
↓
4600(リア10速化)
↓
4700
【ソラ】
3300(リア8速)
↓
3400(リア9速化)
↓
3500
↓
R3000
【クラリス】
2200(クラリスというグレード名は付けられていなかった)
↓
2300(同上)
↓
2400(初めてクラリスと名付けられる)
↓
R2000
シマノコンポのパーツ記号
ここまで、シマノのロード用コンポについて、最新の型番の見方と歴史をご紹介しました。
ここからは最新の型番を詳しく見ていきますが、各パーツには記号があり、それを理解していないとコンポを見る上では不十分なので、ここでお伝えしておきます。
まずはフロント変速に携わるパーツの記号からご紹介します。
【ST】:シフト・ブレーキ一体型レバー(シマノではSTIレバー)
【FD】:フロントディレイラー(変速機)
【FC】:クランク(フロントクランクの略)
【CN】:チェーン
【BB】:ボトムブラケット
続いて、リア変速に関わるパーツです。
【ST】:シフト・ブレーキ一体型レバー
【RD】:リアディレイラー
【CS】:カセットスプロケット
その他
【PD】:ペダル(コンポではありませんが参考まで)
【BR】:ブレーキ
この記号にグレード固有の型番がつき、モデルナンバーとなっています。
シマノのロード用コンポの型番①リア11速グレード
それではシマノのロード用コンポにおける最新の型番を、グレードごとにご紹介していきます。
ここではリア11速のグレードを取り上げます。
【デュラエース】
●グループセット
「R9100」:スタンダードモデル
「R9120」:油圧式ディスクブレーキ仕様
「R9150」:電動式変速Di2
「R9170」:油圧式ディスクブレーキ仕様+Di2
●単体パーツ特記事項
・クランクのパワーメーター一体型は「FC-R9100-P」
・キャリパーブレーキのダイレクトマウント仕様は「BR-R9110」
【アルテグラ】
●グループセット
「R8000」:スタンダードモデル
「R8020」:油圧式ディスクブレーキ仕様
「R8050」:電動式変速Di2
「R8070」:油圧式ディスクブレーキ仕様+Di2
●単体パーツ特記事項
・カセットスプロケットの11-34Tは「CS-HG800-11」
・キャリパーブレーキのダイレクトマウント仕様は「BR-R8010」
・MTB由来のスタビライザー搭載された新型リアディレイラー「RX」シリーズは別型番となり、スタンダードが「RD-RX800-GS」、Di2用が「RD-RX805-GS」となります。
【105】
●グループセット
「R7000」:スタンダードモデル
「R7020」:油圧式ディスクブレーキ仕様
●単体パーツ特記事項
・ディスクブレーキ仕様の型番はSTIレバーが「7020」、ブレーキ本体は「7070」が割り当てられている
・STIレバーのショートリーチタイプ(ディスクブレーキ対応のみ)は「ST-R7025」
・キャリパーブレーキのダイレクトマウント仕様は「BR-R7010」
・カセットスプロケットの11-34Tは「CS-HG700-11」
シマノのロード用コンポの型番②リア10速以下のグレード
続いてリア11速以外のシマノコンポの型番をまとめますが、ここからはスタンダードモデルのみになります。
また、フラットバーハンドル用のシフター(SL)と、ブレーキレバー(BL)、フロント3速仕様のコンポもあります。
【ティアグラ(リア10速)】
●グループセット
「4700」:現在Rは付いていない
「4703」:フロント3速仕様
●単体パーツ特記事項
・カセットスプロケットの型番は「CS-HG500-10」
【ソラ(リア9速)】
●グループセット
「R3000」
「R3030」:フロント3速仕様
●単体パーツ特記事項
・カセットスプロケットの型番は「CS-HG400-9」
【クラリス(リア8速)】
●グループセット
「R2000」
「R2030」:フロント3速仕様
●単体パーツ特記事項
・カセットスプロケットの型番は「CS-HG50-8」
・フラットハンドル用のシフト・ブレーキ一体型レバーは「ST-RS200」と「ST-RS203(3速用)」
型番を知っておく意味は大きい
ここまでシマノのロード用コンポの型番についてお話ししてきました。
「メーカーの社員や販売店の店員でもないのに型番を覚えて何の意味が?」という疑問もあろうかと思いますが、型番はパーツをカスタムする際に大変役に立ちます。
シマノも最近はモデルチェンジの際に旧モデルとの互換性を意識するようになりましたが、以前は互換性が全くないなんてことも珍しくありませんでした。
そして、今でも大幅な仕様変更があった場合は致し方ないこともあり、例えばフロントディレイラーとクランクは、第一世代と言われるRが付かない型番と、Rが付く第二世代には互換性がありません。
いわゆる、カスタムをする際はクランクとディレイラーを同時に交換しなければならないということであり、これは互換性を知らなければ気付かないことです。
その互換性はシマノのホームページに掲載されているチャート図で確認できますが、全て型番で表記されていますので、型番を知らなければ理解するのは相当難しいかと思います。
また、旧モデルとの互換性はもっと複雑で、型番が分からなければ対応することは難しいため、知っておいて損はないでしょう。
型番を把握するとコンポの全体像が見えてくる
今回は、シマノのロードバイク用コンポの型番についてお話ししました。
同じグレードでも仕様の違いでいくつかの型番がありますし、モデルチェンジの度に更新されますので、互換性などが分かりづらくなります。
そういったことをまとめ、少しでも分かりやすくするためにと記事にしましたので、少しでも参考になれば幸いです。