今回は、ピナレロのロードバイクについて主に価格面を中心にお話ししていきます。
何人もの歴史的な有名ロードレース選手が乗ってきたブランドですから、さすがに安いというイメージではありません。
しかし、機種によっては安いと言えるものもありますので、その辺りも詳しくお伝えします。
ロードバイクバイクの価格を左右するのはフレーム素材
今回はピナレロのロードバイクの価格についてお話ししていきますが、まずは業界全体の価格についてお伝えしておきます。
ロードバイクの価格を大きく左右するのは、フレーム素材です。
フレーム素材ですが、現在はカーボンとアルミが主力になっており、メーカーによってクロモリが多少見られるという状況です。
最も高価なのはカーボンであり、安いことを売りにしているメーカーでも完成車は10万円台の後半までで、全体の平均とすれば20万円以上が相場になります。
一方、アルミは安ければ10万円を切る機種も少なくありませんし、20万円を超える機種はレアであり、平均を取れば10万円台前半から半ばに収まるところです。
ピナレロはそもそも現在アルミ車が極端に少なく、2019モデルからはついに1機種になってしまいました。
したがって、全体的に高級なイメージが定着しているのは、その品揃えにも一因があるようです。
ロードバイクを定価よりも安い価格で購入するチャンスもある
前項ではロードバイク界全体の価格についてお話ししましたが、ロードバイクは定価販売が基本という暗黙の了解があります。
もちろん協定などがあるわけではないので暗黙の了解ですし、あくまでも自由競争の上でのことですが、業界全体の秩序や収益を考えると、定価販売が望ましいという考え方があります。
そのため、家電などに比べれば値引き販売は少ない方です。
しかし、定価よりも安い価格で購入できるチャンスも皆無ではなく、時期によっては多くのセール品が発生することもあります。
ロードバイクを扱うメーカーは年度を区切ってリニューアルをアピールしがちな傾向があり、毎年○○モデルと称してニューモデルをリリースします。
ニューモデルが出るということは、販売店は新たに仕入れる必要があるわけですが、その際に旧モデルを返品できるわけではないので、在庫処分をする必要があります。
それがセール品となるわけですが、ニューモデルと言っても、大抵は色違いや付属パーツの一部変更程度のことですから、旧モデルも性能で引けを取ることは少ないです。
そういった機種をセール価格で購入することができるわけですから、我々ユーザーにとってはこの上ない大きなチャンスと言えるでしょう。
例年ニューモデルが発表されてから店頭に並ぶまでの間の6月~9月がピークであり、店舗次第ですが、定価の20%、30%オフで販売されます。
ピナレロなどは元が高額なので、やはりセール価格にはどうしても魅力を感じてしまいます。
ピナレロのロードバイクの価格①高額モデル
前項でお話しした安い価格のセール品は販売店独自の企業努力であり、自転車業界はあくまでも定価販売が基本であることを強調させていただきます。
それではここから、ピナレロのロードバイクの価格についてお話ししていきますが、機種ごとに概要をお伝えします。(2019モデル)
【DOGUMA(ドグマ)】
ピナレロ不動のフラッグシップモデルで、ワールドチーム「チーム・スカイ」のメインバイクでもあります。
価格は最も安い「F10」でもフレームセットで約74万円(税込)、完全受注生産の「F10 Xlight」になりますと、約97万円となります。
グランフォンドモデルの「K10」の、電子制御のリアサスペンション「e-DDS」付属モデルは、フレームセットで100万円を超えます。
性能でももちろんですが、価格においてもこれぞフラッグシップモデルという存在感です。
【PRINCE(プリンス)】
2019モデルで完全リニューアルのモデルチェンジが行われ、全体的にもドグマに次ぐセカンドグレードに昇格しました。
ドグマの技術を踏襲しながら、素材や製造過程を工夫することでホビーライダーにも手が出しやすい価格にするというコンセプトがあります。
そのため、一番高額な「FX」でもフレームセットで約50万円、ノーマルグレードであれば約30万円というところまで下がってきます。
完成車もFXのシマノ・デュラエースモデルは100万円を超えますが、40~50万円の機種が多く、中には表示価格(税抜)で30万円のものもあります。
ピナレロのロードバイクの価格②比較的安いモデル
前項に引き続き、ピナレロのロードバイクの価格を機種別にお伝えします。
【GAN(ガン)】
先代のフラッグシップドグマF8のセカンドグレードであり、2019モデルでは1機種のみが残った形です。
完成車のみの扱いで、カンパニョーロ・ケンタウル搭載モデルが約40万円、シマノ105搭載モデルが32万円となります。
「エアロロード」という大きなくくりで言えば、ドグマもプリンスも同形状なので、価格の安いエアロを求めるならガンに行き着くかと思います。
【RAZHA(ラザ)】
【ANGLIRU(アングリル)】
レースモデルの「ラザ」、グランフォンドモデルの「アングリル」この2機種は同価格であり(約26万円)、ピナレロのカーボンフレーム車では最も安いモデルです。
今回は安い価格がテーマですので、この2機種に関してはのちほど詳しくご紹介します。
【PRIMA(プリマ)】
2019のシニアモデルのロードバイクでは唯一のアルミフレーム車であり、ピナレロ全体で最も価格の安いモデルになります(約14万円)。
こちらも今回の記事の趣旨では中心的存在ですので、後述します。
ピナレロのカーボンフレームで最も価格の安いモデル
それでは前項でも触れました、ピナレロのカーボンフレーム車で最も価格の安いモデルの2機種をご紹介します。
【RAZHA(ラザ)】
参考価格:¥262,440
仮にピナレロのロードバイクを一堂に会して並べてみたとして、一目で形状の違いが分かるのが、ここからご紹介する、ラザ、アングリル、プリマです。
ドグマ、プリンス、ガンはピナレロの新世代を代表するバイクと言われており、先ほども触れましたが、エアロ形状に特化しています。
一方、特にこのラザは、ピナレロがカーボンフレームを初めてフラッグシップに据えた2008年の「プリンス・カーボン」から、脈々と受け継がれてきた歴史の継承モデルです。
いわゆる、旧世代という言葉が良いかは分かりませんが、一線を画す存在です。
価格に関しては、最先端の技術が搭載されているわけではなく、ピナレロが使用するカーボンの中でも最もコストが低い素材ですから、安いというということは確かです。
しかし、ラザには価格からは想像できない高級感があり、これはラザを推奨する多くの方の共通見解でもありますので、ぜひ一度ご覧になり、試乗してもらいたいと思います。
【ANGLIRU(アングリル)】
参考価格:¥262,440
こちらはグランフォンドモデルということもあり、至る所に曲げ加工が施され、衝撃吸収性を重視した機種です。
高級感こそラザに劣りますが、アングリルは安定感や扱いやすさといった実用性では、ピナレロでナンバーワンと言われています。
そのため、趣味にも実用にも使用する人生の「相棒」的存在、として考えていただければよいかと思います。
ピナレロのロードバイクの中で最も価格の安いモデル
最後にピナレロのロードバイクのシニアモデルでは、最も価格の安い機種をご紹介します。
【PRIMA(プリマ)】
参考価格:¥138,240
前項でもお伝えしましたが、2019モデルではピナレロ唯一のアルミフレーム車となりました。
また、2018モデルに比べ価格が2万円以上下がり、価格面では上位モデルとの差別化がよりハッキリした形です。
世界的なレーシングブランドのピナレロに10万円台で乗れるということを強調するインプレ情報などもありますが、筆者はピナレロの看板を外しても十分に高評価できる、いわゆる中身で勝負できる機種と考えています。
今時の50サイズ以上のアルミフレームでは少なくなった、昔ながらの「ホリゾンタルスタイル」は中々の価値があります。
また、かつて世界のビッグレースをアルミフレームで制してきたピナレロだけあり、シャキッとした気持ちのよい乗り心地と加速力はこの価格帯のものとは思えません。
デザインはシンプル過ぎるがゆえにカーボン車に少し見劣るかもしれませんが、性能は十分で、幅広い用途に活躍してくれます。
価格が安いとは言えないので判断はコスパで
今回はピナレロのロードバイクの価格に注目し、中でも比較的安い機種を重点的にご紹介しました。
ピナレロでは安い機種でも、業界の相場からすれば安いとは言えないため、そこは考え方一つです。
無責任なようですが、そこは自分で見て、試乗してコスパを判断して頂きたいと思います。