山を楽しむMTB!アンカー「XG6」のインプレ評価を確認する

今回は、ブリヂストン・アンカーのアルミフレームMTB「XG6」をご紹介します。

「自由なライン取り」というコンセプトに基づいた操作性の高さが売りの、これぞ日本ブランドのもの作りという一台です。

完成車のスペックやインプレ情報なども併せてお伝えしていきます。

アンカーのMTBにおける「XG6」の位置付け

アンカーのMTBにはカーボンフレームの「XR9」、アルミの「XG6」、そしてクロモリの「XNC」の3シリーズです。

共通点はサスペンションが前側のみの「ハードテイル」であることと、ホイールが650B(27.5インチ)であることです。

これは、アンカーがスピード系のXC(クロスカントリー)レースを考えているということで、最近はXCもコースが複雑でテクニカルになってきているので、速度と操作性のバランスに長けた650B規格になっています。

XR9はレースモデルとして開発されていますが、XG6は「山遊びの原点に戻る」という、トレイルライドを想定されています。

山に入り込んで、一日散策をしながら走りを楽しむというもので、趣味のためのMTBと考えて良さそうです。

それはインプレ情報にも表れていて、レースモデルのような硬さやピーキー差が抑えられ、乗り心地がソフトで、扱いやすさが目立ちます。

アンカー・XG6のスペック

それではインプレ評価を確認する前に、まずアンカー・XG6のスペックをご紹介します。

XGS6はフレームセットに完成車3種の4パッケージが用意されていますので、以下一覧にまとめます。(価格は税込み)

●フレームセット(フレーム+サスペンションフォーク)

参考価格:¥108,000

エンド幅:142㎜・スルーアクスル

●完成車

【XG6 ELITE】

参考価格:¥361,800

サスペンショントラベル量:160㎜

メインコンポ:シマノ・ZEE

重量:11.5㎏(440サイズ・ペダルなし)

【XG6 EQUIPE】

参考価格:¥237,600

サスペンショントラベル量:140㎜

メインコンポ:シマノ・SLX

重量:12.5㎏(440サイズ・ペダルなし)

【XG6 SPORT】※セレクトパーツ、カラーオーダーなし

参考価格:¥156,600

サスペンショントラベル量:140㎜

メインコンポ:シマノ・ACERA

重量:12.7㎏(440サイズ・ペダルなし)

アンカー・XG6のインプレ評価~重心位置の安定感

アンカーのXG6には「自由なライン取り」というテーマがあるわけですが、これはジオメトリ(フレーム形状)に色濃く表れています。

MTBでのトレイルは、サドルの上に座っている時よりも、ペダルの上に立っている時間が長いと言っても過言ではありません。

そのため、XG6はペダルの上に立った時に重心がほぼ前後輪の中心に位置するように設定されているので、立ったままでコントロールがしやすくなっています。

MTBは急な坂道で腰を引いたり、障害物を超えるために前輪を振り上げたり、ジャンプなどで後から後輪を引き上げたりするようなアクションが多いので、重心位置が定まっているのはとても重要なことです。

また、重心が低すぎると安定感は出ますが、反応が鈍くなり漕ぎ出しがもっさりするので、XG6はレースモデルよりも重心を高くするために、BB(ボトムブラケット)が5㎝高い位置に付いています。

それによって、車体を左右に大きく振っての体重移動がしやすいので、実際にインプレ情報でも、アクションのしやすさが評価されています。

アンカー・XG6のインプレ評価~トレイルのジオメトリで街乗りにも

アンカー・XG6は従来のXCレースのジオメトリをベースに、トレイル用に優しい味付けが施されています。

ヘッドチューブを15~20㎜伸ばし、ハンドルを高い位置に持ってくることでアップライドな姿勢で乗車できるようにしています。

また、キャスター角も70.3度まで寝かし、ホイールベースも長く取ることで、直進安定性が高められています。

これによりBBが高めについていても安定させやすくなっており、その辺りのバランスにも考慮しています。

このバランスだからこそ、インプレ情報の中には、普段使いをすすめるものもあります。

漕ぎ出しにもっさり感が無いので、ストップ&ゴーの多い街乗りに適します。

また、街乗りは低速になることが多く、スポーツバイクは低速ではバランスが取りにくい仕様ですが、上記のようにXG6は直進安定性があるため、低速でもバランスが取りやすいです。

しかも、650Bの車輪はスピードを保持したまま小回りにも適性がありますので、インプレ情報に街乗りをすすめる声が多いのも納得です。

アンカー・XG6のインプレ評価~大きなトラベル量

アンカー・XG6は上位モデルのXR9と比較して、サスペンションのトラベル量が大きくなっています。

XR9は100㎜で、これは今のXCモデルの標準であり、アルミフレームのハードテイルも大体100㎜が多いです。

しかし、XG6は140㎜と160㎜が用意されており、悪路や下りでの走行性能が大幅にアップしています。

試乗をしていない段階でのインプレ情報では、トレイル量が大きいので、脚高で不安定な乗り味を懸念する声もあります。

しかし、そこは650Bのホイールで高さが抑えられていることもあり、試乗インプレでは安定した乗り味を伝える声が多くなります。

また、下側1.5インチの大口径のテーパーヘッドチューブと、ホイールの固定が15㎜のスルーアクスルなので、ハンドル周りが安定しているのも、腰高にならない要因の一つです。

そして、平坦路ではサスペンションの動きは逆効果になりますが、ボタン一つで動きを止められる「ロックアウト」機能がありますので、スピードを犠牲にすることもありません。

アンカー・XG6の中でインプレ評価の高い完成車は?

MTBは過酷な条件で使用されることも多いので、扱いに慣れない最初の内は転んだり、障害物に車体がヒットしてしまうトラブルは避けられない所があります。

その点で、カーボンは横からの衝撃に弱く、傷がついてしまったりするとそこから破断してしまう可能性もあります。

しかし、アルミは傷が付くといっても、実害は塗装が剥げるくらいですし、凹んでしまうことはあっても破断することは基本的はないので、トラブルに強く対応力があります。

その意味で、初心者の方やキャリアの浅い方はアルミフレームがおすすめです。

アンカーのXG6には先述通り、フレームセットと3種類の完成車が用意されていますが、上記のような理由もあり、インプレ情報では一番下のエントリーグレードにはなりますが、「XG6 SPORT」を推す声が多いです。

また、フレームセットの価格から鑑みて、フレームは全て同じものなので、完成車の中ではコスパが高いという理由もあるかと思います。

筆者はMTBに限らずスポーツバイクの付属パーツには「必要十分」という言葉をよく使います。

フレームの性能を引き出し、かつ邪魔をせず、耐久性に優れ、手に入りやすいという汎用性があるという意味です。

その観点からすると、XG6の完成車ではSPORTのパーツが正に必要十分というところです。

趣味と実用を兼ねたモデル

今回は、アンカーのMTB「XG6」をご紹介しました。

レース色が薄く、山道を散策するトレイルライドに特化したモデルで、街乗りにも適しています。

大きなトラベル量のサスペンションながら、乗り味が腰高で不安定にならない工夫や、直進安定性は、さすがに日本の地形に合わせているアンカーらしいもの作りが強く表れています。