2018年シマノのロードバイク用コンポ「105」が、R7000にモデルチェンジされました。
それに伴い多くのメーカー(ブランド)が、2019年の完成車に新105を採用することが発表されています。
特にコンポをシマノで統一するアンカーなどは、モデルチェンジが完成車の性能に直結するだけに、大きな出来事です。
そこで今回は、アンカーの105搭載車である「RS8 EQUIPE」をご紹介すると共に、新105の変更点なども確認します。
アンカーのロードバイクの特徴
アンカーは日本が世界に誇るタイヤメーカー「ブリヂストン」の系列会社、「ブリヂストンサイクル」のスポーツバイクブランドです。
アンカーのロードバイクは、レーシングモデルの「RS」、ロングライドモデル「RL」、そしてクロモリフレームの「RNC」の3シリーズになります。
RSとRLにはカーボンフレームとアルミフレームがあり、素材の質や組み合わされるパーツによってグレードが分けられています。
後述しますが、今回の主役「RS8 EQUIPE」はカーボンフレーム車のミドルグレードになります。
また、フレームの素材ごとに、フレームセット(骨組みのみ)が販売されています。
冒頭でも触れましたが、完成車のコンポは一部の最下級モデルを除きシマノ製で統一されており、フレームもシマノが推奨する範囲で最適化するように作られています。
アンカーは海外に輸出していませんので、必然的に日本人のためにもの作りをしていることになります。
日本人の体型に合わせた小さめのサイズはもちろん、腕が短いということを考慮してトップチューブが短めだったり、身長比で脚が長めという日本人女性の特徴から、前輪を大きく前にずらしたりもしています。
アンカーの「RS8 EQUIPE」は柔らかめのフレーム
今回はアンカーのロードバイク「RS8 EQUIPE」と、そこに搭載されているシマノ製コンポ、新105のお話をしていきます。
まずRS8 EQUIPEですが、RS8はカーボンのハイエンドモデルである「RS9」をベースに、剛性を少し抑えたカーボン素材を採用しています。
あくまでも簡単なイメージですが、RS9は全体的に硬く、RS8はしなりがあって柔らかめです。
柔らかめのフレームは衝撃吸収性に長けていますので、地面からの突き上げを感じにくくなり、乗り心地がよくなります。
また、硬いフレームは地面の小さな段差や小石にも敏感に反応してしまうので、ハンドリングが神経質になる所がありますが、柔らかいフレームはそういった物をいなしてくれるので、扱いやすさもあります。
その反面、ペダルを踏んだ分のパワーも吸収されてしまうので、加速力や巡航性(スピードの維持)では硬いフレームに一歩劣ります。
そのため、本格的にレースを目指すなら硬めのフレームが適しており、ツーリングなどであまりスピードを意識せず快適に長い距離を乗るなら、柔らかめのフレームが適しています。
アンカー「RS8 EQUIPE」の付属パーツ
前項ではアンカーの「RS8 EQUIPE」のフレームの特徴についてお話ししましたが、続いては組み合わされているパーツに注目してみます。
お伝えしている通り、コンポはシマノ・新105のフルセットになります。
なお、105についてはのちほど詳しくお話しします。
ホイールはシマノ「WH-RS100」で、グレードはそこまで高くありませんが、完成車に付属している前後で2000gを超えるような通称「鉄下駄」とは一線を画しています。
シマノのホイールはリムが柔らかめなので衝撃吸収性がよく、ここもRS8 EQUIPEの乗り心地に貢献しています。
その他のパーツに関してはほとんどがアンカーのオリジナルであり、そこまで詳しい情報は無いですが、必要十分と考えられます。
価格は275,400円(税込)で、コスパが高いと評価されているメーカーの同グレードの機種よりは、やや高めというところですが、インプレ情報を見る限りでは価格相応という評価のようです。
RS8 EQUIPEのメインコンポ「シマノ105・R7000」
それではここから、アンカー「RS8 EQUIPE」のメインコンポ、シマノ105のお話をしていきます。
シマノのロードバイク用コンポには7つのグレードがあり、105は上から3番目に当たります。
105までの3シリーズがリア11速で、その下のグレードから1速づつ変速段数が減っていきます。
最上位の「デュラエース」はプロレースでも使用される物であり、価格もフルセットで約22(機械式変速)~30万円(電動変速)します。
性能も価格も飛び抜けており、シマノの中でも特別な存在です。
そのデュラエースの性能を受け継ぎながら、素材の質や製造過程を工夫して、手ごろな価格で一般ユーザーに提供するのが、セカンドグレード「アルテグラ」とサードの「105」です。
電動変速も用意されているアルテグラは、より忠実にデュラエースの性能を具現化しますが、その分フルセットで約10万円(機械式変速)~14万円(電動変速)になります。
その点で105はフルセットで約6.5万円(機械式のみ)ですので、上手くやりくりをすれば10万円台の完成車にも搭載できます。
そして、性能も変速の正確性やシフターの操作性など一部でアルテグラに及ばない部分はあるものの、価格ほどの差は無いと言えるので、非常にコスパの高いコンポなのです。
新シマノ・105の変更点とアップグレードしたポイント
それでは2018年、R7000系にモデルチェンジした新・105の変更点、改善点をご紹介します。
まず、新たにディスクブレーキが加わったのが最大のトピックでしょう。
アンカーにはRS8 EQUIPEを始め、ロードバイクにディスクブレーキを搭載した車種はありませんが、今後105を搭載した完成車がディスクブレーキも105で統一できるのは大きいことです。
続いてはクランクですが、アームが太くなったことで全体が力強くなり、パワーロスが減りました。
これにより力を車輪に伝えやすくなりますので、レースにも使用しやすくなりました。
また、チェーンリングの裏側が大きく肉抜きされたことで40g以上の軽量化が図られています。
次は変速機ですが、これも上位モデル同様の仕様になっています。
STIレバーはブレーキに手が掛けやすい形状ながら、シフトチェンジのしやすさに考慮し、シフターは大きくなっています。
そして、ディレイラーですが、フロントはワイヤーのテンションを自動で調節する機能が内蔵され、見た目にも背が低くなりすっきりと軽量化されました。
また、リアは横に張り出しの少ない「シャドー形状」になり、障害物にヒットしたり、転倒時に破損してしまうようなトラブルが大幅に減少するでしょう。
さらに、ローギア(大きな歯車)にもっと軽いギアに対応するだけのキャパシティが増えたので、もう一段軽いギアが欲しいと思っている方には朗報です。
アンカーの2019年モデル~新105搭載機種
前項までお話しした新105は、アンカーのロードバイク2019モデルにおいて、RS8 EQUIPEを始め多くの完成車に搭載されます。
以下に一覧で記しておきます。
【RS6 EQUIPE】
参考価格:¥199,800
・アルミフレームのレーシングモデルで、アンカーのアルミ車では最も高価
【RL8 EQUIPE】
参考価格:¥275,400
・カーボンのロングライド向きモデルで、RS8 EQUIPEと同グレード同価格
【RS6 EQUIPE】
参考価格:¥189,000
・アルミフレームのロングライド向きモデル
【RNC7 EQUIPE】
参考価格:¥280,800
・クロモリフレームのハイエンドモデル
【RNC3 EQUIPE】
参考価格:¥210,600
・クロモリのセカンドグレード
このように、RS8 EQUIPEを含めて6機種に新105が、しかもフルセットで搭載されます。
参考価格を見て頂くとやはり幅広くカバーできる105の性格が表れており、改めて完成車を組む際の使い勝手の良さが感じ取れます。
アンカーのロードバイクと新105の相性は?
今回はアンカーのロードバイク「RS8 EQUIPE」と、そのメインコンポである新105についてお話ししました。
剛性を抑えた扱いやすく乗り心地の良いフレームなので、こちらもモデルチェンジをしてより機能性が増した新・105との相性は抜群かと思います。
アンカーには他にも105を搭載した機種が多数ありますので、試乗してみて頂きたいですね。