ピナレロに残るクラシカルなアルミロード!プリマの評価は?

ピナレロの「PRIMA(プリマ)」は、2019モデルでは唯一のアルミフレーム車となります。

高額な機種が多いピナレロの中で10万円台で手に入るのもプリマだけなので、他とは明らかに一線を画す存在です。

そうなると実際の使用感や評価が気になるところですので、今回はまとめてみます。

ピナレロのロードバイクの価格はどう評価されている?

ピナレロはロードレースの常勝ブランドであり、近30年くらいの実績は世界でも飛び抜けた存在です。

特にツール・ド・フランスでの強さは特筆もので、2018年には14度目の個人総合優勝(マイヨ・ジョーヌ)に貢献し、ピナレロのバイクに乗る選手が近7年中6回マイヨ・ジョーヌを獲得しています。

これだけの成績を長に渡って残し続けるブランドですから当然とも言えますが、バリバリのレースモデルが多く、市場モデルも自然と高額なものが増えてしまうという図式です。

機材を提供するワールドチーム「チーム・スカイ」のメインバイク、「DOGMA(ドグマ)F10」などはノーマルグレードでも約70万円、上位モデルの「Xlight」は100万円にも上ります。

しかも、これはハンドルや車輪などが付属していないフレームセットのみの価格ですから、正直「浮世離れ」と評価されても致し方ないところです。

その他も軒なみ高額で、カーボンフレームは最低価格で約26万円ですので、やはり高級ブランドですね。

その中に入って存在感を示しているのが、唯一のアルミフレーム「PRIMA(プリマ)」です。

プリマは昔ながらのデザインも高評価されている

PRIMA(プリマ)はイタリア語で、英語でいうところの「FIRST」なので、言葉の意味は、「最初」、「第一」になります。

プリマはバレエ団の女性ダンサーの最高位「プリマ・バレリーナ」や、オペラの主役となる女性歌手「プリマドンナ」の略語として使われています。

この場合は「第一」という意味が強いですが、ピナレロのプリマは最初という意味のほうかと推測します。

プリマは昔ながらのロードバイクの形状をしており、ピナレロも「最もベーシックなモデル」と位置付けています。

ピナレロは創業から60年以上が経過していますので当時のことは分かりませんが、「最初に世に送りだしたモデルに近い」、という意味がこもっているネーミングなのでしょう。

2019モデルのロードバイクは、8割近くがエアロ形状になり、いかにも今のレース界のトレンドを強く表したラインナップになっています。

その中でプリマは、丸形のチューブで曲げ加工も最小限のため、きれいなダイヤモンドフレームになっており、その名の通りクラシックなイメージもあります。

エントリークラスでは、中々このイメージで作っている物が少ないので、インプレ情報ではデザインに対する高評価も多くなっています。

プリマはアルミには珍しい「ホリゾンタルスタイル」

前項でお話しした、ピナレロ・プリマのデザインですが、50サイズ以上はアルミフレームでは見ることが少なくなった「ホリゾンタルスタイル」です。

トップチューブが地面とおよそ並行に伸びているフレームのことで、昔ながらのスポーツ自転車というスタイルが好評価されています。

トップチューブが長い分しなやかになりますし、前側の三角形が大きくなることで衝撃吸収性も増すので、クッションが効いたソフトな乗り心地になります。

一方で、車高が上がり重心が高くなる分、空気抵抗が大きくなりますし、小さなサイズに対応できないので、限られてしまうというデメリットもあります。

そのデメリットを解消すべく生まれたのが、現在の主流である「スローピングスタイル」です。

トップチューブがサドルに向かうほど斜めに下がっているフレームで、世界最大の自転車メーカー「ジャイアント」が発案したスタイルです。

チューブが短くなることで軽量化が図れ、重心が低くなるので前傾姿勢が取りやすくなり、スピードが上がります。

また、跨りやすさや足付き性もよくなり、小さいサイズにも対応できるメリットがあります。

実際にプリマも、50以下の小さめなサイズは、スローピングスタイルを採用しています。

ピナレロ・プリマ2019モデルのスペック

それではここで、ピナレロ・プリマの2019モデルのスペックをご紹介します。

フレーム素材は、耐久性や加工のしやすさ、強度などのバランスが上手く取れている「6061」系アルミを使用しています。

それを1本のチューブ内で厚みが違う箇所を3か所設ける、「トリプル・バテッド」という技術で成形しています。

圧力のかかるチューブ同志の接合部である端は厚くして強度を持たせ、中心にいくにつれて薄く平たくすることで、全体の強度や剛性を落とさない上で、軽量化も図っています。

しかも、50サイズ以上は前項でお伝えしたホリゾンタルスタイルなので、一風変わった面白いバランスになり、アルミらしいシャキッとした硬さも残しながら、しなやかな乗り心地という評価をされています。

また、カーボン製のフロントフォーク「ONDA(オンダ)」により、さらに衝撃吸収性が高まり、神経質になり過ぎず扱いやすいハンドリングが可能になっています。

完成車のコンポはリア9速のシマノ・ソラで、本格的なレース以外であれば必要十分なレベルです。

参考価格は13,8240円(税込)で、カラーは「イタリアンブルー」と「マットブラック」の2種が用意されています。

ピナレロ・プリマは通勤にも使えるという評価を検証

ピナレロのプリマをご紹介していますが、乗り心地の良さや扱いやすさが高評価を受けていることがお分かり頂けるかと思います。

そのため、幅広い用途に対応できるモデルとも評価されており、乗る人を選ばないという意味でもおすすめしたいです。

特に通勤などで、路面状況がコロコロと変わる場合には、プリマのように衝撃吸収性が高く、ハンドリングが安定しているバイクが適しています。

通勤では、雨の日に乗ることもあれば、工事などもありますから、平坦路だとしても常に路面が一定の状態とは限りません。

まして、朝方の忙しい時間帯に道路を選んで遠回りする余裕は中々ないので、路面を気にせず走れることは何より大きなメリットです。

また、通勤などの普段使いは駐輪という問題があり、スペースが狭かったり、隣の自転車と接触して倒してしまうこともあります。

その場合カーボンですと、接触や擦れなど横からの衝撃に弱く、最悪の場合は裂けてしまうこともありますので、非常に気を使います。

その点アルミは塗装が剥げることや、多少へこむことはあっても、裂けて破断するようなことはないですし、塗装やへこみは板金で何とかなる範疇です。

取扱いに神経質にならなくて済むという点も、普段使いには大切な要素です。

プリマをロングライドで使用するならブレーキを交換したい!

ピナレロのプリマくらい衝撃吸収性が高く、ハンドリングのしやすいロードバイクは長距離を乗ってみたくなるものです。

しかも、通勤などで乗る頻度が多ければ、自然に脚力が付いてきますし、ペダリングなども覚えていきますので、なおさらツーリングなどに出向きたくなるはずです。

そうなると、プリマの完成車で不安があるのはブレーキになります。

ロングライドになりますとペダルを漕ぐ脚はもちろん、ハンドルを握り続けているので腕や手にも疲労がたまってきます。

特に手は握力がなくなってくると、ブレーキを掛けることが想像以上に厳しくなってきます。

その際に、ブレーキ自体の制動力が強ければ軽いタッチでも十分に効かすことができますが、弱いブレーキは強く握る必要があるので、握力が落ちてくると厄介です。

その点でプリマ付属のシマノ・ソラのブレーキは、少し弱さを感じます。

シマノのコンポのブレーキは、ソラの2グレード上である「105」を境に大きく性能に差があるという評価であり、筆者もそれを痛感している一人です。

そのため、頻繁に長い距離を走るような場合は、できるだけ早めに105グレード以上のブレーキに交換することをおすすめします。

クラシカルなイメージが逆に新しさも感じさせる

今回は、ピナレロのプリマをご紹介しました。

独創的で革新的なモデルが多いピナレロにあって、昔ながらの丸形チューブと、ホリゾンタルスタイルは、反対に新鮮味すら感じさせてくれるモデルでした。

また、用途の広さも感じさせてくれるモデルですので、人を選ばないのも大きなメリットです。