メリダのロードバイクは完成車のほか、フレームセットの状態でも販売しています。
そこで気になるのは、同じフレームが使われている完成車を買う場合と、フレームセットを買って同じ仕様にするのでは、どちらが得であるかという点です。
この記事は、その疑問に答えるべく、フレームセットからロードバイクを組み上げるにあたっての費用を調べ、その結果を完成車の販売価格と比較しました。
メリダのロードバイクはフレームセット販売もある!
メリダのロードバイクは、一部のモデルではフレームのみの状態でも販売されています。
フレーム単体で販売する理由は、「使用するパーツに制約やこだわりがある方のため」、「ロードバイクのフレームのみを交換したい方のため」、などが考えられます。
フレーム単体で販売されるモデルは、「REACTO TEAM-E」「REACTO DISC TEAM-E」「REACTO 8000-E」「SCULTURA TEAM-E」「SCULTURA DISC TEAM-E」「SCULTURA 8000-E」の6種類です。
当然気になるのは、完成車を買う場合とフレーム単体で購入した場合のどちらが得であるかです。
そこで、今回の記事では、それぞれのモデルを完成車で販売されている状態に組み立てるとして、かかる費用はいくらであるのかを調べました。
それから、完成車の状態で購入した場合と、フレーム単体で購入した場合の費用の差について考察します。
最後に、フレーム単体で購入するメリットについてお話しします。
メリダの完成車の販売価格との比較結果!
さっそく、メリダのロードバイクをフレームセットで購入した場合の費用と、完成車の販売価格を比較します。
以下から、箇条書きで、モデル名、フレームを含むすべてのパーツの合計金額、()内に完成車の販売価格の順で記します。
・REACTO TEAM-E 1,154,505 (1,100,000)
・REACTO DISC TEAM-E 1,234,506 (1,200,000)
・REACTO 8000-E 923,501 (750,000)
・SCULTURA TEAM-E 1,192,505 (1,100,000)
・SCULTURA DISC TEAM-E 1,203,506 (1,200,000)
・SCULTURA 8000-E 688,159 (659,000)
補足として、「フレームを含む全てのパーツの合計金額」は、フレーム、コンポーネント、ホイール、サドル、シートポスト、タイヤ、ハンドル、ステムのそれぞれの販売価格を合計した値になっています。
なお、「SCULTURA 8000-E」のシートポストおよびステムについては、完成車の付属品は販売されていないため、同等のモデルの販売価格を参考にしました。
メリダのロードバイクはフレームセットより完成車で買う方がお得?
前章の結果からは、メリダのロードバイクは、完成車を購入する方が安いと判断できます。
その差は、「REACTO TEAM-E」「REACTO DISC TEAM-E」「SCULTURA 8000-E」では3万円から5万円ほどでした。
さらに「SCULTURA TEAM-E」では9万円、「REACTO 8000-E」にいたっては17万円の差がつきました。
この、完成車で買う方がフレームセットから組み上げた場合よりも安いということは、大規模な生産によって得られる効果である「規模の経済」の観点から理解できます。
しかし、ここの金額は、定価でそれぞれのパーツを購入したと想定した金額です。
そのため、「うまくパーツを購入すれば、フレームセットから組み上げる場合でも完成車よりも安く済むのではないか」といった疑問も湧き上がります。
特に、ロードバイクのコンポーネントは、購入する方法によって、販売価格に差が生じると思われます。
そこで、次の章ではその点について検討します。
コンポーネントの販売価格が鍵を握る!
コンポーネントを購入するには、自転車ショップで注文するか、通販で購入するかのどちらかです。
もし、ロードバイクの組み立てを自転車ショップに任せるならば、コンポーネントは自転車ショップで注文になります。
それに対して、自分で組み立てるならば、自転車ショップで注文するほかにも、通販で購入ができます。
また、通販では、海外通販の利用ができます。
そこで、定価でデュラエースDI2のコンポーネント一式を購入する場合の価格と、自転車ショップおよび海外通販で購入する場合の、それぞれの価格を比較してみます。
すると、定価の場合には464,999(税込み)であるのに対し、自転車ショップで購入する場合の実質販売価格は347,999(税込み)、海外通販では275,097(税込み)であることが分かりました。
このことから、メリダのロードバイクをフレームセットから組み上げる場合でも、自転車ショップや通販をうまく利用すれば、完成車よりも安く済ませられると分かります。
しかし、自転車ショップや通販の割引率は頻繁に変更がなされるので、いつも完成車より安く仕上がるという保証はありません。
フレームセットでロードバイクを買うメリットは?
ここまでは、メリダのフレームセットの販売価格の点に着目して話を進めました。
この章では、フレームセットからロードバイクを組み上げる場合の、価格以外のメリットについてお話しします。
まず、最大のメリットとして、好みのパーツを選べる点が上げられます。
例えば、「REACTO TEAM-E」の完成車に着目すると、それに付属するホイールはクリンチャータイヤ仕様です。
その点において、クリンチャータイヤ仕様のホイールが付属する完成車の場合は、より実戦向きのチューブラータイヤ仕様のホイールを使うロードバイクに、一歩劣ります。
そのため、レースで勝利を目指すような方には、「REACTO TEAM-E」の完成車の付属ホイールには不満があると考えられます。
ですが、メンテナンス性を重視してクリンチャータイヤを好む方もいれば、乗り心地や軽さを重視したチューブレスタイヤを好む方もいます。
そういった、それぞれの好みに対応できるのが、フレームセットから組み上げるメリットです。
メリダのロードバイクを買うなら完成車?フレームセット?
結局、メリダのロードバイクのフレームセットを買った場合、得をするのでしょうか。
結論から言うと、2台目のロードバイクとして、高性能なものが欲しいと思う場合には、メリダのフレームセットを購入したほうが得であると言えます。
なぜなら、1台目のロードバイクのホイールやコンポーネントを流用すれば、低価格で、ハイエンドクラスのフレーム性能を持つロードバイクが組めるからです。
今回紹介したメリダの6種のフレームセットは、およそ35万円以下で販売されており、この価格は他社のミドルグレードのロードバイクの完成車の価格に当たります。
そのため、同じ35万円を支払うのならば、思い切ってハイエンドモデルのフレームセットを購入してしまう方が満足度は高いでしょう。
逆に、最初の1台目を探している場合には、フレームセットでの購入はおすすめできません。
というのは、安価で高性能なフレームを持つロードバイクを組もうとした場合、安価なホイールやパーツを用いても、40万円以上の費用がかかります。
そうなると、40万円以上支払ったにしては中途半端な性能のロードバイクに仕上がってしまうからです。
価格と性能によらない価値「自分だけの1台」を求めるなら
この記事では、最初の1台目には完成車、2台目が欲しいならフレームセット、と結論しました。
しかし、この記事ではあえて「組み立てる楽しさ」「それにより得られる満足感」には触れませんでした。
そのため、自分のロードバイクに、そういった「表面上では計れない付加価値」を望むならば、最初の1台目からフレームセットを選択し、自分で組み立てるのもよい選択だと思います。