世界第2位の出荷台数を誇る台湾の自転車メーカー「メリダ」は、ロードレースの世界でも頂点が見えてきました。
メリダがスポンサーを務めるワールドチーム「バーレーン・メリダ」が、2018年のツール・ド・フランスでチーム総合2位に食い込む大躍進を果たしました。
そこで今回はチームのメインバイクである「スクルトゥーラ」について、インプレ評価なども交えながらご紹介していきます。
メリダ・スクルトゥーラに多いインプレ評価
まずは、メリダ・スクルトゥーラの全体的なイメージをつかんで頂くために、インプレ情報の中から評価をいくつか抜粋してお伝えします。
★「レーシーである」
これは筆者も何回かの試乗で強く感じたことであり、シリーズを通して走りが軽くて、反応のよい、前に進む力強さがあるバイクです。
特にアルミフレームのキレのよさを称えるインプレ評価が多く、筆者もその一人です。
★「扱いやすい」
これも代表的なインプレの評価で、レーシーでありながらハンドル周りの挙動に神経質なところがなく、安定したハンドリングになります。
カーボンフレームには2種類ありますが、前作のフレームが正直あまり評判がよくなかったこともあり、その反省を踏まえたバランス重視のフレームになっています。
また、アルミフレームでも強度の必要のない部分の剛性を抑えて硬すぎないフレームにしているので、経験が浅く脚力不足の方でも持て余すことがありません。
メリダ・スクルトゥーラに多いインプレ評価~続き
前項に引き続き、メリダ・スクルトゥーラに対して多く報告されているインプレ評価をご紹介します。
★「上りに強い!」
ロードレースの山岳ステージを多分に意識したモデルだけに、カーボンフレームは言うまでもないですが、それほど軽いとは言えないアルミフレームであっても、スイスイ軽く登っていく感覚は筆者の経験からも特筆ものです。
扱いやすさにも繋がりますが、ダンシング(立ち漕ぎ)がやりやすいこともあって、非常に登りやすいです。
★「衝撃はそれなりに伝わってくる」
デメリットとまではいきませんが、衝撃吸収性に関しては普通のレベルで「長けている」という評価はほぼ見られません。
砂利があることや段差を超えたことを、情報として乗り手に伝えてくる感じです。
メリダ・スクルトゥーラへのインプレ評価~まとめ
前項では、メリダ・スクルトゥーラのおおまかな全体像をつかんで頂くために、インプレ情報で報告されることが多い評価を取り上げてみました。
中でも大きな特徴は「レーシーさ」と「扱いやすさ」という、本来なら相反する要素を両立させていることです。
レーシーなスピード特化型は剛性が高すぎて、少しの段差にもハンドルが素早く反応してしまったり、勝手に加速していく感覚もあり、コーナリングに気を使うものです。
そこを上手くコントロールしているのがスクルトゥーラで、剛性を高くしなければならない部分はそのままに、他の部分を控えることで全体にバランスを取っています。
そして、扱いやすさを感じるのは、車体が安定していることでもあります。
筆者も特に下り坂で感じましたが、一度内側にタメを作ってから伸びていく感覚なので、車体が安定する余裕が生まれるのだと思いました。
上記のようなことからスクルトゥーラは、レースモデルではありますが、扱いやすさに注目すれば、非常に広い用途で使用できると言えます。
チーム仕様「CF4」フレームのメリダ・スクルトゥーラシリーズ
それではここから、メリダ・スクルトゥーラシリーズの中でも、インプレ評価の高い機種をご紹介していきます。
【SCULTURA(スクルトゥーラ)TEAM-E】
参考価格:¥1,188,000(税込)
バーレーン・メリダが実戦で使用するモデルで、価格が示す通りスクルトゥーラシリーズの最高峰です。
メリダのカーボンフレームに対する技術が全て投入されたフレームに、「シマノ・デュラエース」の電動変速Di2、そして市場価格で30万円以上はするホイールが組み合わされています。
筆者は残念ながら乗ったことはありませんが、性能はレースでの成績が示す通りです。
【SCULTURA 6000】
参考価格:¥409,320
チーム仕様と同じ「CF4」フレームを使用しており、このフレーム採用車では最も価格が低いモデルです。
試乗車として展示会などに出品されることも多いので、代表的なモデルの一台でもあります。
上記のチームモデルとは付属のパーツが違いますので使用感が同じではないですが、恐らくチームモデルにも通ずる素晴らしい反応のよさから来る加速力は本当に気持ちがよいです。
コンポもシマノ・アルテグラのフルセットなので、ホイールは交換したいですが、このままレースも十分狙えます。
メリダ・スクルトゥーラシリーズ「変化球モデル」のインプレ評価
前項に引き続き、メリダ・スクルトゥーラの中でインプレ評価の高い機種をご紹介します。
【SCULTURA DISC 4000】
参考価格:¥258,120
ディスクブレーキを搭載した、カーボンフレームのエントリーグレードです。
雨の中や濡れた路面でも安定して強い制動力を発揮するディスクブレーキは、今やプロの世界でもその有用性が認められ、2018年のツール・ド・フランス前に全面解禁になりました。
メリダのディスクブレーキ車には一部を除きますが、長時間の使用で熱を持つことで起こる「フェード現象」を抑えるための、放熱フィンが付属する「ディスククーラー」のシステムがあります。
この価格でディスククーラー搭載はポイントが高く、安心して長距離を走れるのが嬉しいところです。
【SCULTURA 4100】
参考価格:¥214,920
スクルトゥーラ4000をベースに、小柄な方向けに専用設計された小さいサイズのモデルです。
ただ、ベースのモデルを縮めただけではなく、トップチューブを大胆に下げて跨ぎやすく、降りやすくしています。
また、小さいサイズはハンドルとペダルの距離が近くなるので、カーブなどでハンドルを大きく切るとシューズが前輪に当たってしまう危険性があります。
それを避けるために、前輪を支持するフロントフォークが先端を前方に曲げる「オフセット」仕様になっています。
こういった細かな配慮がされているので、インプレの評価がとても高い一台です。
メリダ・スクルトゥーラのアルミフレームのインプレ評価
ここまでメリダ・スクルトゥーラのカーボンフレームをご紹介してきましたが、ここではアルミフレームをご紹介します。
【SCULTURA 700】
参考価格:¥183,492
スクルトゥーラのアルミフレーム車では、最高峰のモデルになります。
スクルトゥーラのアルミ車は、全て同じフレームにカーボンフォークという組み合わせです。
メリダはアルミの成形技術に長けており、相反する剛性の高さと軽量化のバランスが取れたフレームが大きな特徴です。
非常に強度のある素材を使用していますので耐久性にも優れており、長期間乗れるフレームでもあります。
アルミフレーム車のインプレ評価には「完成車に最初から付属しているパーツは交換が前提」などというのをよく見掛けますが、こちらはその必要性が極めて低いです。
コンポはシマノのミドルグレード「105」、しかも混じりけなしのフルセットです。
そして、ホイールもそこまでのレベルではないですが、反応のよさに定評のある「フルクラム」製です。
このままでも長く乗り続けられる仕様であり、コスパが非常に高いモデルです。
スクルトゥーラはトッププロが乗る機体
今回は、メリダ・スクルトゥーラのインプレ情報の評価なども参考にしながらご紹介しました。
まとめとして言うことは、クセが無く弱点も少ないので、用途や人を選ばないバイクであるということです。
そして、プロが世界最高峰の舞台で乗る機体と同じ冠のバイクに乗れることも素晴らしいことでしょう。