スポーツ自転車に乗る上でサドルの選択はとても重要になります。
サドルとの相性が悪ければすぐお尻に痛みが出ますし、その痛みはとても耐えられるものではないので、長時間、長距離を楽しむことができません。
また、多くの種類がある上に万人に当てはまるものがほぼ無いので、フィットさせるのがとても難しいと言えます。
そこで試して頂きたいのが、GIANTの「サドルフィッティング」なので、今回は詳細をお伝えします。
GIANTのサドルフィッテイングの概要
まずは、今回のテーマであるGIANTのサドルフィッティングについて概要をご説明します。
全国のジャイアントストアや正規販売店で受けることができるサービスで、GIANTの提唱する「ダイナミックサイクリングフィット」に基づいたプログラムです。
専用のフィッテイングサドルを利用者のバイクに装着して、ローラー台で何分か漕ぐと、圧力分布が分かるようになっています。
その分布に基づき、3種類のタイプの中から最適なひとつが選定され、製品と同仕様のテストサドルでもう一度試乗を行います。
サドルフィッティングの作業代は1回2,000円ですが、その場でサドルを購入した場合は無料になります。
また、その場ではフィッティングだけで作業代を払ったとしても、同じ店舗で1ヶ月以内にサドルを購入すれば、サドル代金から工賃の2,000円が値引きされます。
なお、GIANTでは事前の電話予約を推奨していますので、直接店舗に問い合わせてください。
GIANTのサドルフィッティングから骨盤の前傾度合いが分かる
GIANTのサドルフィッティングは前項でお伝えしたように、難しい作業は何もありません。
フィッティングサドルは跨って2分間ほどペダリングを行うと、圧力が掛かっている場所の色が変わる仕組みになっています。
圧が掛かる場所を4つの箇所に分け、どのゾーンに分布が表れるかで、骨盤の前傾度合いを割出します。
前傾度合いは3段階に分かれており、中央からやや前と、座面中央にピンポイントに分布が出れば「FORWARD(フォワード)」。
全体的に分布が出れば「NEUTRAL(ニュートラル)」、中央から後方寄りに分布しますと「UPRIGHT(アップライト)」になります。
この3タイプで異なるのは、前後左右のカーブ度合いや形状、溝の長さ、座面幅やパッドの配置面積で、テストサドルも、ほぼ製品と同様のものが用意されます。
テストサドルが製品とほぼ同じものなので、テスト段階でフィットすれば、その場で手に入れられるのは大きなメリットと言えます。
GIANTのサドルフィッティングは実戦に近い形で行われる
ここまでお伝えしているように、GIANTのサドルフィッティングは、ペダルを実際に漕いでいる状態で行います。
サドルは、個人に合ったものを見付けるのが困難なので、各メーカーとも独自のフィッティングシステムを考案しています。
しかし、そのほとんどは静止した状態でのフィッティングになりますので、実戦に近い形のGIANTの方が正解に近づきやすいかもしれません。
実際にフィッティングを行った方のインプレでは、マニュアル外だと思われるサドルの高さについても、相談に乗ってくれた事例が報告されています。
膝の可動域を見てマーキングのシールまで貼って、膝の曲がり具合をチェックした上で理想の高さを導いてくれていますので、かなり本格的です。
全ての店舗がここまで行ってくれるどうかは不明ですが、本来のサドルフィッテイングだけでも十分に画期的なシステムですので、自信を持っておすすめできます。
サドルフィッティングに基づくGIANTのサドルの種類
それではここで、GIANTのサドルフィッティングから導き出されるタイプ別に、どんなサドルが用意されているのかを確認してみましょう。
このサドルフィッティングに基づくサドルは、製品名の頭に「CONTACT」が付きます。
ラインアップは軽量モデル「CONTACT SLR」と、ベーシックモデルの「CONTACT SL」、エントリーモデルの「CONTACT」、そして厚みのあるパッドを採用した「CONTACT COMFORT」になります。
SLRは、カーボンのベースにフルカーボンレール、SLはグラスファイバーのベースに、中空ステンレスレールの組み合わせ、CONTACTとCONTACT COMFORTは、ナイロンのベースにクロモリレールとなります。
このベースとレールの素材によってグレード分けがされており、それぞれにフィッティングから割り出された「FORWARD」、「NEUTRAL」、「UPLIGHT」タイプがあります。(SLRはFORWARDとNEUTRALのみ)
また、女性専用モデルのブランド「Liv(リヴ)」も同じラインナップですが、サドルのタイプは「FORWARD」と「UPLIGHT」の2種類になります。
GIANTのサドルの特徴!
GIANTは通販を一切行っていませんので、全て実店舗で現物を見て購入することになります。
その関係もあってか、サイズの記載がホームページにはありません。
そのため、座面の幅などは現物合わせをした方が賢明なので、やはりフィッティングを受けた方がよいでしょう。
特に「FORWARD」は、座面の幅がかなり狭く見え、乗り手を選ぶはずなので、もしサドルフィッティングを受けないのであれば、店舗で聞くか、座面を測らせてもらってもよいでしょう。
その際には、自分の坐骨幅+10㎜~20㎜あるかどうかを確認してください。
坐骨幅よりも座面が狭いと坐骨がはみ出てしまう分、股間への圧迫が強くなりますので、あまりメリットがありません。
また、股間の圧迫という点では、その対策としてCONTACTシリーズには溝が切ってあります。
「FORWARD」は後方から前方までほぼ全面、「NEUTRAL」は後方から中央まで、「UPLIGHT」は後方のみとなります。
そして、座面の形状ですが、特に後方の坐骨が当たる部分のカーブの度合いが違います。
「FORWARD」はほぼフラットなので、座面上でお尻が動かしやすいタイプです。
一方、「UPLIGHT」は座面がかなり垂れ下がるように丸みを帯びていますので、お尻を固定しやすい形状になっており、「NEUTRAL」はその中間です。
最後にどのサドルを選ぶか?
GIANTのサドルのタイプは上記でご説明した通りです。
あとは、店舗でフィッティングを受け、実際にどのタイプになるのかを判別してもらい、最後にどの種類を選ぶかを考えます。
もちろん、予算との相談にもなりますが、自分の用途によっても決まってくるかと思います。
レースを目指す方、また、とにかく軽量のものが欲しい方は「CONTACT SLR」の一択になりそうです。
フレームやホイールもそうですが、自転車に使われる素材で軽さの面ではカーボンに勝るものはほぼ無いので、「SLR」になります。
ただし、「SL」も200g台前半ですから、十分に軽量サドルですので、レースの練習用などにはよいでしょう。
長距離を楽しみたい、という方には、内包している素材とパッドに厚みを持たせた「CONTACT」、さらにお尻の痛みに悩んでいる方は、座面が非常に分厚くなっている「CONTACT COMFORT」がおすすめです。
また、「CONTACT」と「CONTACT COMFORT」は「UNICLIPシステム」を採用しており、サドル後方にサドルバッグや泥除け、テールライトがワンタッチで装着できます。
まずはGIANTのお店に行ってみる!
今回はGIANTのサドルフィッティングについてお話ししました。
「実際に走行しているのと変わらない状態でフィッティングする」というシステムなので、よりフィットさせやすい環境が整っています、
サドル選びに苦労されている方はフィッティングだけでも受けてみると、「目からうろこ!」の可能性がありますよ。