スポーツバイクの中でも特にロードバイクには、荷物を運ぶという概念がありませんので、ボトルケージ以外に荷物を搭載しておく機能は付いていません。
そのため、多くの方がサドルバッグを取り付けています。
ただ、種類が多く最初はどんなものを付ければよいか迷いますし、付け方もまちまちなので、今回は整理してみましょう。
サドルバッグに入れておきたいアイテム
ロードバイクで長い距離を乗るようになると、それだけ必要な荷物が増えてきます。
まずタイヤのパンク対策として、予備のチューブとパンク修理用品、携帯の空気入れは持っておきたいです。
ロードバイクなどのチューブは、街の自転車屋さんやホームセンターでは販売していない所も多いですし、お店がない場合や夜も想定して万全を期した方がよいでしょう。
それに伴って、ちょっとした不具合なども自分で直せるようになってくると、携帯できる工具なども必要になります。
次に、ワイヤーロックやU字ロックも持ち歩かなくてはいけません。
食事や買い物でお店に長時間滞在する場合も考えられますし、急にトイレに行きたくなることもあり、ロングライドとなるとバイクから目を離さなければいけないシーンも増えます。
そして、タオルやティッシュ、スマートフォンなども、サイクルウェアなら収納スペースがありますが、普段着ですと意外と持ち運びに不便さを感じるものです。
さらには、急な天候の変化も大いに考えられますので、ウインドブレーカーなども入れておきたいところです。
ざっと挙げただけでもこれだけの荷物が必要であり、それによって用意するサドルバッグの大きさや付け方も変わってきます。
サドルバッグの付け方の第一歩は大きさを決めること
前項でお話ししたように、ロードバイクに乗り始めると意外と必要な荷物が多いことに気が付きます。
そのため、サドルバッグの付け方を考えていく上では、まず大きさを決める必要があります。
今後荷物が増えることも予想して大きいものを選ぶ方もいますが、大は小兼ねる的な考え方はあまり好ましくありません。
ロードバイクのサドルは重心が高いので、その下に重いものを付けてしまうと上り坂などでは容量以上の重さを感じることになります。
また、挙動が安定しなくなるので、立ち漕ぎ(ダンシング)などでは左右に車体を振りづらくなります。
そして、大きめのバッグで中身に入れるものが少ないと、荷物がバッグ内で動き回ってしまい、アイテム同士がぶつかったりして思わぬトラブルになることもあります。
そのため、自分に必要な最低限の荷物が入ればよい大きさのものを選びましょう。
サドルバッグの付け方の違いは固定方法
サドルバッグの付け方ですが、次に考えるのはサドルへの固定方法です。
ベルクロ(マジックテープ)のストラップでシートに固定するものと、アタッチメントをサドル側に設置してそこに差し込んで固定する方法があります。
ストラップ式は、2本のストラップをシートポストとサドルのレールに通して固定しますので、固定力が強く大きめのバッグにも対応できます。
例えば、旅行などの場合はその都度の脱着が少し手間ですが、慣れてしまえばほんの数分というところです。
注意点を挙げるとするなら、ベルクロはイガイガしているのでレーシングパンツやタイツなどと擦れて不快な思いをすることがあるかもしれません。
一方、アタッチメント式はサドルのレールにアタッチメントを固定して、そこにバッグを取り付けます。
ワンタッチで着脱できるので、自由度が高いのが大きなメリットですが、振動などでアタッチメントが音鳴りすることが気になることもあります。
おすすめのサドルバッグ
それでは具体的な製品をご紹介しながら、大きさや付け方を確認していきましょう。
【TOPEAK(トピーク) :エアロ ウェッジ パック(ストラップ マウント) M】
参考価格:¥2,500
スタンダードなサドルバッグで、一番使われているサイズです。
真ん中のファスナーを開くことで容量が増えますので、バッグの中で荷物が暴れる心配がありません。
また、背面にテールランプが取り付けられるホルダーが付いており、基本性能がしっかりしているものです。
ちなみにどのくらいの荷物が入るのか、をご紹介しましょう。
チューブが2本、U字ロック、タイヤレバー3本、パンク修理パッチ6枚、携帯用工具、携帯用空気入れとボンベ2本などが入ります。
これにタオルとポケットティッシュが入っても、まだ余裕があるでしょう。
このシリーズには、最も小さいマイクロサイズから、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズとあります。
マイクロサイズはチューブが1本にパンク修理キット程度、SサイズはMサイズからU字ロックと空気入れを除くイメージです。
そしてLサイズはMサイズに、スマホや折り畳めるウインドブレーカーが入るというところです。
なお、このモデルにはアタッチメント式のものもあり、トピークではアタッチメントを「クイッククリック」と名付けています。
長距離や輪行におすすめのサドルバッグ
前項に引き続き、サドルバッグをご紹介します。
【ORTLIEB(オルトリーブ) :サドルバッグ L スレート】
参考価格:¥7,200
容量が2.7Lとなりますので、前項でお伝えしたトピークのMサイズの約2倍の容量と考えてください。
今回必要最低限のものとしてきたものに加え、ウインドブレーカーや夏なら着替え一式、大きめのタオルも入ります。
また、電車などで自転車を運ぶ「輪行」では入れてきた袋や小物を収納しておけます。
さらに、開口部がロール式なので、荷物が目一杯であればそのまま使用して、少ない時はロールさせてコンパクトにすることが可能です。
大きいサイズのサドルバッグは漕いでいる時に太ももに当たってしまうものもありますが、こちらは邪魔にならないという評価が多いです。
ただし、付け方がアタッチメント式なので、サドルのレール幅によっては、取り付けられないこともあります。
サドルバッグ以外の自転車用バッグの付け方
ここまで自転車のサドルバッグの付け方についてお話ししてきましたが、キャンプや旅行となるとサドルバッグだけでは収まらなくなってきます。
サドルバッグが一番オーソドックスですが、ツーリング車やクロスバイクであればリアキャリ用のバッグがおすすめになります。
キャリアバッグを取り付けてその空いたスペースにサドルバッグを付けることができますので、一気に容量が増えます。
また、走行中に荷物が取り出しやすいのは、「フレームバッグ」です。
トップチューブと平行に取り付ける細身のバッグで、左右に分けて収納できるものが多いです。
特にリュックを背負うことや、荷物をポケットにも入れたくない方は、補給食やタオルなど走行中に必要なものを入れておくのに重宝します。
さらに、ハンドルに専用のアタッチメントを使って装着する、「ハンドルバーバッグ」なども併用すれば、また多くの荷物が運べるようになります。
見た目は少しごってりと重い雰囲気になりますが、機能としては優れていますので検討してみてください。
サドルバッグは用途で選ぶ
今回は、自転車のサドルバッグの付け方を考えてみました。
最も大切なのはサイズで、荷物は必要最低限と考え、大は小を兼ねるとは考えない方がよいです。
固定方法は用途によりますが、頻繁に脱着するようであればアタッチメント式、バイクを室内保管できて、なおかつあまり取り外さないのであればストラップ式がおすすめです。