「ターマック」はスペシャライズドを代表するロードバイクで、多くのプロ選手に提供されている機体でもあります。
それだけに最上位グレードでは100万円を軽く超えるような高額なものもあり、最廉価モデルでも20万円前後はします。
ロードバイクは総じて高額ですから、何とか安く購入できる手段を考えたいもので、そうなると中古品も視野に入ってきます。
そこで今回は中古ロードバイクについて考えてみましょう。
スペシャライズドのターマック2018モデルが中古品となっている!
自動車の中古車販売店は街にたくさんありますし、買い取り専門店がテレビCMなども行っていますので、比較的身近な存在で利用した経験がある方も多いかと思います。
しかし自転車となると、たまにリサイクルショップに置いてあるママチャリくらいで、ロードバイクの中古品市場があることを知らなくてもおかしくはないです。
そこで筆者はこの記事を書かせて頂くにあたり、まずはネットで中古市場を確認しました。(2018年5月初旬)
するとまず目に飛び込んできたのが、スペシャライズドの「TARMAC(ターマック) MEN COMP」の2018年モデルでした。
価格は変動している様子ですが、筆者が確認した段階では定価から約17%引き、送料が掛かるので実際には15%引きというところでした。
実物を見たわけではないですが、業者の説明では多少の傷や汚れはあるものの、使用感は少なめとのことで、目立った欠点はないように思えます。
こういった一見すると堀だしものに映るものがあるのが、今のロードバイクの中古品市場の特徴のようです。
次年度モデル発売前に最新のスペシャライズド・ターマックが中古品に!?
前項で取り上げたスペシャライズドのターマック・COMPは、2017年にモデルチェンジされたターマック第五世代(SL5)の一台です。
モデルチェンジの際にカーボンのグレードが一つ上がり、さらに2018年モデルでは、コンポがシマノ・アルテグラのニューモデルR8000に進化した、お得感の強いモデルです。
事情は定かではありませんが、まだ2019年モデルが発表される前にこのモデルが、中古市場に出るのは正直驚きです。
と言うのも、ロードバイクなどは大幅なモデルチェンジではなくとも、毎年のように○○年モデルと称してリニューアルをします。
色だったり、組み合わせられるパーツの仕様変更が主なので、性能が大幅に変わるわけではないです。
しかし、リニューアルと言われればそちらに目が向くのが人間の性であり、ニューモデルを欲するのも仕方のないことです。
そうなりますと、古いモデルは売りに出されるので、ニューモデルの販売開始前後は中古市場が活気づくわけです。
しかし、まだ次年度モデルの販売が先である時期に、最新モデルが出ているのは内容の吟味は必要ですが、お得と考えられますね。
中古ロードバイクは走行距離が不明
ここまでは筆者が偶然に見つけたスペシャライズド・ターマック2018モデルの話をしてきましたが、中古ですから当然ながらもっと古いモデルも存在します。
そこで問題になってくるのが「走行距離」です。
自動車ならメーターが付いていますので累計の走行距離が管理できますが、自転車は管理できません。
サイクルコンピューターもありますが、自動車の様に標準装備ではありませんし、付いていたとしても簡単に操作することができますから、正直アテになりません。
ロードバイクのフレームは走行を重ねれば、へたって性能が落ちてきます。
しかし、それは見た目の使用感だけでは分からず、走らせてみて初めて気づくことです。
良心的な中古販売店であれば分かる範囲で走行距離を明記してくれていますが、ネットなどではほとんど記載はありません。
まして、乗って確かめることもできませんから、これは中古品を購入する際の大きなリスクと言えるでしょう。
スペシャライズドのターマックはレースモデルなのでサイズは譲れない
ターマックはスペシャライズドのロードバイクの中では最も軽量で、主にレースでの使用が想定されているモデルです。
それだけに前傾姿勢が深くなり、シビアなポジション出しが要求されるモデルでもあります。
そうなってくると重要なのはサイズであり、自分の身体に合ったものを選ぶ必要があります。
その点、中古品は現品限りですから、いくら外観や仕様が気に入ったとしてもサイズが合わなければどうしようもありません。
ハンドルやサドルの高さ、ステムの突き出しの長さなど、自分で試行錯誤できる部分もありますが、フレームを伸縮させるのは不可能ですから、限界があるのは目に見えています。
無理やりに乗っても長続きは難しいですし、身体を痛めてしまう危険性もありますので、サイズはやはり自分に合ったものが最適です。
また、仮に自分のサイズが分かっていて、たまたま合うものが出品されていたとしても、飛び付くのは危険です。
サイズはメーカーによっても違いますし、同じ車種でも年代でフレームの大きさが違ったりもしますので、十分に注意が必要です。
中古品のメンテナンスは自力で行う必要がある
スペシャライズドのターマックはここまでお伝えしているように、レース仕様のロードバイクなので、メンテナンスによって性能を維持していかなければなりません。
新車を購入すればその店舗がアフターケアも引き受けてくれますが、中古の場合はそう簡単ではありません。
今は修理やメンテナンスを専門に行う店舗もありますが、大抵は販売も行うプロショップということになります。
プロショップでは、ネットなどで購入した素性のハッキリしないものの整備を断るところもあります。
そうなると自力で行うことになりますが、ロードバイクは目に見えないような箇所までメンテナンスが必要ですし、専用の工具が必要になる場合もあります。
特に初心者の方がこれを行うのにはハードルが高いので、プロショップとの繋がりはあった方がよいでしょう。
リスクを踏まえるのであれば中古品も悪くない!
今回はスペシャライズドのターマックを例に、中古品の購入について考えています。
デメリットの紹介が多くなりましたが、筆者は中古品否定論者ではありません。
サイズの問題だけはどうしようもありませんが、他のリスクに関しては自分のロードバイクライフの中で成長と共に解消していくことでもあります。
メンテナンスは本当に大切ですし、作業も困難なのは否めません。
しかし、乗ろうと思った瞬間から、ある程度のセルフメンテナンスは覚悟しなければならないのがロードバイクという乗りものです。
また、パーツの交換にしても新品でもいずれは行うわけですから、その時期が早いか遅いかだけの違いとも考えられます。
中古品は販売ルートが多岐に渡るので、粗悪品や変なものをつかまされるリスクはあります。
しかし、これもある程度名前が通っている業者であれば、自らの信用に傷を付けるような粗悪品を売りつけるとも思えません。
そういった意味でも、中古品の場合は試乗までさせてくれる店舗は少ないですが、少なくとも自分の目でバイクの状態を確認できる、実店舗での購入が好ましいでしょう。
今のロードバイクの中古品市場はとても活発!
今回はスペシャライズドのターマックを例に、中古ロードバイクについてお話しました。
今の中古市場は盛況と言っても過言ではなく、掘り出しものと思えるバイクが多数あるのは事実です。
今回お伝えしたリスクやデメリットを踏まえる覚悟は必要ですが、最新モデルを安く手に入れる手段として無視できない存在になっていますね。