giantと言えば世界一の販売台数を誇るスポーツバイクメーカーで、日本にもオフィシャルショップがあるほど人気があります。
それほどの有名メーカーですが、今回のテーマであるロードバイク「windmark2200」は、全く知らないという方も多いと思います。
それは一体なぜなのでしょうか?
そんな疑問も含めてwindmark2200についてお話していきいます。
giantのロードバイク「windmark2200」は日本正規品ではない!
giantは世界各国に販売網がありますので、その国向けに製品が作られています。
日本のgiantの正規販売店に並んでいる自転車は、日本向けに作られているものであり、保証制度やアフターケアが国内で受けられるのも、正規販売店で購入したものに限られます。
しかも、giantはネット通販を一切行っていませんので、とにかく正規販売店での購入となります。
そして、今回のテーマであるロードバイクの「windmark2200」は、過去に一度も日本国内の販売店に並んだことはありません。
と言うのも、windmark2200は中国向けに作られたロードバイクで、正規ルートでは日本に入ってきたことはないのです。
giantは台湾のメーカーですから、日本や中国などの東アジア向けに多くのバイクを生産しているので、当然中国向けの製品もあります。
そして、このwindmark2200は現在(2018年5月)では相当少ないですが、日本で販売されています。
しかもその販売がネット通販でなので、上記でお話してきたことが全て崩れてしまうわけですが、その理由は次項で詳しくお話します。
giantのロードバイク「windmark2200」は並行輸入品
giantのロードバイク「windmark2200」は中国向けの製品であり、本来なら日本で流通することがあり得ないものです。
しかし、実際に販売が行われており、使用感のインプレも紹介されていますので存在を認めざるを得ません。
それではなぜ日本で流通しているのかと言えば、これは「並行輸入品」というものです。
giantとは無関係の第三者が現地(中国)で買い付けて、それを日本に持ち込んで通販サイト上で販売するという形です。
1970年台初めまでは違法とされてきましたが、ある出来事を境に日本でも正式な取引として認められました。
普通の輸入品と変わらないので、為替の値動きによっては莫大な利益を上げることも可能であり、特に海外メーカーが多いロードバイクは並行輸入品が多く見られます。
メーカー側は自分たちの伺い知れないところでの取引ですが、合法と認められている以上止める手立てがありませんので、如何ともしがたいところです。
windmark2200は時代遅れ感が漂うロードバイク
日本で発売されているgiantのロードバイク「windmark2200」は、並行輸入品であることがお分かり頂けたかと思います。
そして、このwindmark2200は調べてみたところ、2011年モデルで販売が終了しており、情報が少ないですが、分かっただけでの仕様を見ると、相当な時代遅れです。
まず、現在のロードバイクでは当たり前とも言えるシフト・ブレーキ一体型レバーですが、windmark2200は採用されていません。
昔ながらのダウンチューブシフター(Wレバー)を採用し、ブラケットに縦引きのブレーキレバーが付属しています。
また、リアが7速仕様で、ギアがカセットスプロケット(以下スプロケ)ではなく、「ボスフリー」です。
リア7速というのは、今ではクロスバイクでも珍しいくらいですし、ボスフリーはひと世代前の技術なので、さすがに今のスプロケと比べた場合メリットが見付かりません。
ロードバイクで7速はいくらなんでも物足りないので、ほぼ確実にギアの枚数を増やしたくなるはずです。
しかし、色々な部分が対応していないので、相当大掛かりなカスタマイズになりますが、詳しくは次項でお話します。
windmark2200はカスタマイズをしたくなるバイク
giantのロードバイクwindmark2200はリア7速、しかもギアがボスフリーであることが分かりました。
スプロケが導入される前はほとんどがボスフリーでしたし、今でも6速や7速の自転車はボスフリーを使っていますので、部品が残ってはいます。
そのため、7速のまま使うこともできますが、ギアを増やそうとすると一筋縄ではいきません。
まず、8速以上のボスフリーは極めて少なく品質も落ちますので、スプロケに交換するのが現実的です。
そうなると、まずホイールのハブがボスフリーとスプロケでは仕様が違うので交換になります。
しかし、市販のホイールのハブだけを交換するのは厄介な話なので、ホイールごと交換するのが賢明です。
そして、ギアを増やすので7速仕様のシフターは交換になりますし、チェーンも交換が必要です。
ざっと見積もってもこれだけ必要ですし、この際だからシフト・ブレーキ一体型レバーも使用するとなると、フロントディレイラーやクランクまで交換が必要な場合もあります。
パーツはピンきりですからグレードによりますが、これだけのカスタマイズをするとどんなに低グレードのパーツを使用しても3万円は下らないはずです。
したがって、仮にwindmark2200を4万円前後(定価は不明なのでネットの相場です)で購入したとすると、合計7万円でようやく現在のロードバイクの最低線にたどり着くということになります。
windmark2200は正規品にコスパでは敵わない!
giantの日本正規販売店で購入できる2018年モデルのロードバイクに、「CONTEND 2」があります。
ロードバイクでは最廉価モデルであり、定価は8万円(税抜き)です。
シフト・ブレーキ一体型レバーに、リア8速でギアはもちろんスプロケ、フロントフォークがカーボン製というのもポイントが高いです。
「コスパのgiant」という言葉もあるくらいですから、これくらいの仕様で8万円というのは、今のgiantでは特別なことではないのかもしれません。
これを考えると、装備が時代遅れで、フレームの実力もよく分からないwindmark2200は、仮に4万円で手に入るとしても、むしろ高いのではないかと思えます。
さらに、前項でお話した現在のロードバイクの最低線に近づけるカスタマイズをしたとしても、明らかにCONTEND 2の方がトータルパッケージの分レベルは上です。
こういったことからも、どうしても4万円台でロードバイクに乗りたいということであれば否定はできませんが、もう少し予算が取れるなら日本正規品に目を向けるのが賢明ですね。
windmark2200はgiantの生涯保証の対象外
giantにはロードバイクを始めとするバイク全般に、「生涯保証制度」があります。
日本の正規販売店で購入した製品であれば、通常の使用状態で不具合が起こった場合に、無償で修理・パーツの交換を行うというものです。
「通常の使用とはどういうことか?」ということについては、実に細かい規定が設けられていますので、詳しくはホームページ、もしくは販売店に直接お尋ね頂きたいと思います。
しかし、いずれにしても「日本の正規販売店で購入した製品」という項目が明記されているので、並行輸入品であるwindmark2200は対象外です。
しかも、giantはメンテナンスに関しても、ホームページで並行輸入品のアフターサービスを一切行わないと明言しています。
先述しましたが、並行輸入が合法である以上、販売の差し止めはできないのですが、giantはこういった点で日本正規品の優位性を保っているのです。
「安く買えれば保証などいらない」という考え方もあるかと思いますが、保証があればいいざと言う時の安心感が違ってきますので、筆者は正規品をおすすめしたいですね。
windmark2200を購入するメリットがあるのか
今回は、giantのロードバイク「windmark2200」についてお話しました。
中国向けに生産されたモデルであり、日本では並行輸入品として流通している物です。
仕様が古いですしフレームの実力も未知数なので、正直購入するメリットが見付からないのが筆者の本音です。
全ての並行輸入品を否定する気は全くありませんが、少なくともロードバイクは正規品のメリットが大きいので、そちらをおすすめします。