ロードバイクを点検する際、ブレーキシューの点検を行うことは非常に大事なことです。
スピードが出やすい自転車の為、しっかりとブレーキが利かないと大変なことになってしまいます。
しかし、ブレーキシューの交換は少し調整が難しいのも否めません。
ですので、今回は調整の難しいができるように、ロードバイクのブレーキシュー交換について詳しくご説明します。
その他にも、キャリパーの交換方法なども、詳しくご説明させていただきます。
ロードバイクのブレーキシュー交換はいつ行う?
ロードバイクのブレーキシュー交換をするより前に、まずブレーキシューをいつ交換するのか、という点を確認しておきましょう。
まず、ブレーキシューは、日々のロードバイク点検する際に、その都度、確認してください。
ブレーキシューは速度を落とすことや、止まる為に絶対に必要な部品ですので、より頻繁に見てあげる必要があります。
その際、ブレーキシューの溝がなくなっていたら、交換を行います。
一般的には、そのタイミングで問題はないです。
ただ、雨天時などにブレーキシューは摩耗しやすく、溝がなくなり止まりにくくなります。
急に擦り減ってしまうこともありますので、半年に一度など、ある程度交換期間を定めて交換するようにしましょう。
それから、ブレーキシューがリムに沿っておらずズレがあるときは、ブレーキシューの位置を調整するようにしましょう。
滅多にないですが、何かにぶつかったときなどに衝撃でズレる可能性があります。
もちろん、ぶつかったときにその場で確認するのが一番です。
他には、レバーを握り込んで引きしろが多い場合などは、ブレーキシューを交換したほうが良い場合もあります。
これは、ブレーキ調整自体が悪い場合もあります。
シューの摩耗具合を確認して、シューを交換するのか、ブレーキ調整をするのかを判断してください。
では、次よりブレーキシュー交換についてご説明します。
ロードバイクのブレーキシュー交換!シューのみの交換方法
ロードバイクのブレーキシュー交換をする際の交換方法は三つあります。
一つ目は、ブレーキシューのシューだけを交換する方法です。
二つ目は、ブレーキシューを丸ごと交換する方法です。
そして三つ目は、キャリパーごと交換する方法です。
ただ、後述しますが、キャリパーごと交換するのは、いくつかの条件が重なった時のみで、少し例外と考えてもらっても大丈夫です。
では、まずブレーキシューのシューの交換についてご説明します。
必要な工具は、プラスドライバーと、六角レンチです。
二つとも携帯工具に付属しているような簡易な物でも構いません。
ただ、若干、作業がしにくくなるかもしれません。
道具を揃えたところで、手順をご説明していきます。
まず、ブレーキワイヤー止めネジを外してください。
ブレーキシューが新しくなる際には、以前の調整の状態ではブレーキシューが入らないケースがあります。
あらかじめ、ブレーキワイヤー止めネジは外しておきましょう。
次に、シューの横側に付いている小さいボルトを六角レンチで外します。
このボルトはシューが外れないように固定している部分になります。
シューの交換のみをしたい場合は、ここを緩めて外してください。
そして、小さなボルトを外した後、シューを抜いていきます。
シューが抜けましたら、新しいシューを入れていく必要があります。
シューには左右がありますので、裏側のlとrの表記を確認した後、差し込んでいってください。
ゴムを差し込み、小さなボルトで止めて、交換終了になります。
以上が、シューの部分を交換する方法になります。
この後、ブレーキシューとリムの間がだいたい1.5~2㎜になるように調整します。
調整した後、ブレーキレバーを握り込んで引きしろを確認してください。
あまりにレバーの引きしろが多いと、ロードバイクは危ないので、レバーを引いて直ぐにブレーキが掛けられるくらいに、調整して確認してください。
次は、ブレーキシュー全てを交換する方法をご説明します。
ロードバイクのブレーキシュー交換方法
ブレーキシュー交換をする前に、まずブレーキシューの位置を確認する必要があります。
リムに対して、ブレーキシューはどんな向きなのか、あらかじめ確認しておいてください。
そして、ある程度は覚えておいてください。
必要であれば、携帯等で写真を撮るのも良いです。
次に、ブレーキシュー全てを交換する時は、キャリパーとブレーキシューを挟んでいる、大きなボルトを4mmの六角レンチで外してください。
取り外すと、新しいブレーキシューをつけていく必要があります。
ただ、まだしっかり固定する必要はありません。
仮止めとして、緩い状態で止めておいてください。
そして、仮止めをして、ブレーキレバーをギュッと握ってください。
仮止めをする理由としては、ブレーキシューがリムにしっかりと当たるのかを確認する為です。
レバーを引いて、リムにしっかりと当たるのなら、ブレーキシューのボルトをきつく締めてください。
逆に、上手く当たっていないようなら、確実に当たるように調整しましょう。
撮った写真を見てみても、確認してもいいかもしれません。
これを何度も繰り返して、ブレーキシューの位置を調整していってください。
また、ロードバイクの場合、ブレーキシューとリムの間隔は2mmが適切です。
それから、タイヤとブレーキシューは1mm以上離すようにしてください。
この二つを心掛けて、それで調整はある程度完成になります。
ボルトをきつく締めて大丈夫です。
次に、キャリパーごと交換する場合についてご説明します。
ロードバイクのブレーキシュー交換!キャリパーごと交換
ロードバイクのブレーキシューを交換しようと思ったとき、キャリパーごと交換する場合というのが、いくつかあります。
まず、どういったときにキャリパーごと交換するのか、その事例をご紹介します。
一つはキャリパー自体に損傷が見られたときです。
当たり前の話ですが、壊れたら即交換の部品です。
それから、新しいロードバイクを購入したときに、ブレーキの利きが弱いと感じたときです。
安価なコンポーネントが使用されていて、ブレーキの利きが弱く感じられる人は考えるべき事柄ではあります。
特に、ブレーキ周りは、非常に大切な箇所でもあるので気にされる方も多いでしょう。
そういうときに、キャリパーごとブレーキを交換する必要があります。
「ブレーキの利きが弱いなら、ブレーキシューのみ変更すればいいでは?」と考えるかもしれません。
確かに、ブレーキシューを交換するだけでも効果は見られますが、オススメはできません。
何故なら、購入したときのブレーキに剛性が不足していて、新しいブレーキシューをつけても、本来の効果が発揮できないからです。
もっと簡単に表現するなら、ブレーキをかけたとき、全体を交換しないとブレーキの力が逃げてしまうということです。
これは、高価なコンポーネントを使用するのですから、もったいない話ですよね。
本来の性能を発揮させたいなら、確実に同じグレードのものを使用するようにしましょう。
シマノを使用していると、ソラやティアグラ、105などキャリパーの上部に製品名が記載されておりますので、そこで確認してください。
ただ、このキャリパーの交換は、少々値が張ります。
良い部品だと1万円を超えることもあります。
現状のブレーキでも問題があるかどうかは、乗る目的によって変えることが一番良いです。
街乗り、運動用、レース用など、目的に応じて変えてみてください。
次は、キャリパーの交換の仕方についてご説明します。
キャリパーの交換方法
キャリパーの交換のうち、外し方は非常に単純です。
キャリパーはそれぞれ、車体にボルトと止められていますので、そこを5mmの六角レンチで緩めるだけで簡単に外れます。
ですが、注意しないといけないのは、キャリパーの取り付けです。
キャリパーを取り付ける際に、まずブレーキアームの部分を手で挟み、ブレーキシューをリムに押し付けないといけません。
これを行わないと、上手くセンタリング調整ができません。
センタリングの調整を行わないと、片方のブレーキはリムに当たっているが、もう片方は当たっていないという状態になってしまいます。
ここは、まず確認しないといけない点です。
センターではないと気づいたら、確実にセンターになるように調整してください。
次に、キャリパーを付け終わった段階で、ハンドルを左右に曲げる必要があります。
ハンドルをどちらかに曲げたときに、キャリパーのアームの部分が、フレームに当たることがあります。
この場合は、フレーム用保護シールをフレームに貼る必要があります。
キャリパーを購入したときに、付属の保護シールでも構いません。
もし付属していなかければ、2,000円いかないくらいで、ロードバイク用のフレーム保護シールが販売されておりますので、ご購入ください。
ブレーキシュー交換、と少し異なりますが、キャリパーを交換すべきときもありますので、覚えておいてください。
最後に、キャリパー自体の微調整について、ご説明します。
ロードバイクで最も気を使うべきブレーキの微調整の行い方
ブレーキシュー交換を行い、ブレーキシューをどれだけ調整しても上手くいかない場合があります。
片方は2mm以内に調整できているのに、片方はできていないという場合です。
これは、センタリングの調整をする必要があります。
しかし、先ほどのように、キャリパー自身を少し緩めて、という訳にはいきません。
必要なのは、微調整だからです。
微調整をする為には、自転車を前からみてキャリパーの右上辺りに、センタリング調整ネジという部品があります。
そこを回して、キャリパーを真ん中に調整してあげる必要があります。
これは回す方向によって、どちらに寄るかが変わってきますので、ブレーキシューを見ながら、どちらに回すのかを判断していきましょう。
次に、シュークリアランスの再調整をする必要があります。
基本的に、ブレーキワイヤーを引っ張ってブレーキを調整するのですが、ブレーキとリムの間隔が2mmというのが、上手くいかないこともあります。
その際、使用するのがワイヤー調整ボルトです。
クイックレバーの上側についているボルトで、時計回りでブレーキシューはリムから離れます。
逆に、反時計回りでリムに近付いていくようになっております。
しっかりと調整する為にも、このワイヤー調整ボルトを使用して、間隔の微調整を行ってください。
ただ、ここは本当に微調整以外では使用しないでください。
何故なら、ここには締めしろがあり、あまりに大きい幅の変化ができないようになっているからです。
普段から目一杯締めしろを使ってしまうと、何かトラブルがあったときに対応できなくなります。
特に、ロードバイクは微調整を念入りにしたほうが良い自転車です。
ですので、基本的な調整はブレーキワイヤーで行い、微調整をワイヤー調整ボルトで、という風にしてください。
ブレーキシュー交換・調整は非常に大切なメンテナンス!
ブレーキシューの交換・調整は、ロードバイクを乗る上でとても大切なメンテナンスです。
特に、スピードがでるロードバイクでは、下手をすると大きな事故に繋がる可能性もある為、乗る前の確認は絶対に必要なことになってきます。
また、最後の最後で微調整・再調整を行うことが、ロードバイクのメンテナンスで必要不可欠になります。
交換・調整・微調整・再調整。
この四つを意識してブレーキシューをメンテナンスしてみてください。