自転車は足代わりとしては、一番庶民的な乗り物です。
免許がいらない気軽さと、安い価格で購入できる手ごろさは、自動車やバイクにはありません。
しかし、これがロードバイクとなると、免許こそ不要ですが、手ごろな価格とはいきませんので、話は変わってきます。
世界有数の販売台数を誇るtrekでも、一般的な感覚で安いと思えるような価格のロードバイクはありません。
そこで、今回はロードバイクの価格について考えてみます。
ロードバイクは安い買い物ではない!
ロードバイクを購入しようとしてまず最初に思うことは、「ロードバイクって高いな」ではないでしょうか。
ロードバイクの市場には、プロのレーサーが使用する物まで全てが出回っていますので、高いというイメージがあるのは致し方ありません。
trekなどもそうですが、実際にプロに機材を提供しているメーカーには、100万円を超えるようなモデルがいくつかあるのも事実です。
初めてスポーツバイクに乗る方のそれまでの自転車のイメージは、ママチャリによるところが主でしょう。
普段使いで生活の足代わりとしての自転車を想像すれば、ロードバイクの価格はとても同じ自転車とは理解しがたいものです。
また、普通に買い物全般で考えたとしても、ロードバイクは決して安い買い物とは言えません。
ですから、まず今回は、ロードバイクの価格帯を知って頂きたいと思います。
そして、その中でどういった物を選ぶのが良いのかをご説明していきます。
trekのロードバイクは定価で購入するのが基本
世界でも有数の販売台を誇るtrekも含めて、主要自転車メーカーは通販を行っていません。
これだけの通販全盛時代にも関わらず、ほとんどのメーカーが行っていないため、値崩れしないのが大前提です。
毎年のようにモデルチェンジが行われるので、旧モデルが型落ちになって安い値段になることはありますが、人気のモデルは型落ち前に完売することが多いです。
自分が狙っているモデルが型落ちするのを待っていたとしても、人気のモデルであればまず期待できないのが現実です。
販売店によっては多少の値引き販売もしていますが、家電量販店のように定価の3割・4割引きなんてことはまずあり得ません。
1割引きでもしていれば良心的といったところです。
ですから、ロードバイクは、定価付近での購入になることを念頭において考えなければなりません。
trekのロードバイクで最も安い機種を市場の最低ラインとして考える
物の値段を高い・安いと判断する基準は、個人の価値感や経済状況によっても違いますので一概には言えません。
しかし、それを言っては前に進みませんので、trekを例にまずはロードバイクの相場からご説明します。
trekのロードバイクの最安値は2018年3月現在、「Domane(ドマーネ) AL2」の7万9千円になります。
これは、ロードバイク市場全体を見渡しても最安値の部類に入りますので、ここを最低ラインとしましょう。
これ以下の価格になってくると、外見上はロードバイクでも中身はママチャリと大差ない「ルック車」と呼ばれる物になる可能性が高くなります。
7,8万円のルック車は少ないですが、5万円台になったら要注意です。
それはさておき、この10万円を切っている価格のロードバイクは、初心者向けとされている「エントリーモデル」です。
深めの前傾姿勢を抑え、扱いやすい仕様になっているモデルですが、このモデルの価格帯が各メーカーともに、8万円~10万円台前半になります。
このゾーンのロードバイクを、一般的には「安い」と表現すると考えればよろしいかと思います。
もちろんこの価格で抑えられるのにはそれなりのワケがありますが、この価格帯にはそのメーカーの広告塔になる役割があります。
それについては、次項で詳しくお話します。
安い価格のロードバイクは新規顧客獲得の最大の武器
一般的に「安い」と言える価格帯のロードバイクは、エントリーモデルである可能性が高いとお伝えしました。
エントリーモデルはロードバイクに初めて乗る人がターゲットですから、メーカーにとっては「新規」のお客様向けに作っているということです。
新規に開店したラーメン屋に行って、麺が伸びていたり、見た目がぐちゃぐちゃだったりすれば二度と行きたくないと思うことでしょう。
それと同じ考えで、エントリーモデルが見た目も悪く、作りもいい加減ですぐに故障でもすれば、そのメーカーを長きにわたってひいきにする「顧客」にはまず成り得ません。
まして、メーカーの信用はガタ落ちになります。
そのため、価格の問題で使用できるパーツのレベルには限界がありますが、その範囲で最高の物を作ろうと鋭意努力するのがエントリーモデルの特徴です。
ですから、エントリーモデルを「安かろう悪かろう」と考える必要はありません。
もちろんエントリーは最低線の価格帯なので、上を見ればキリがありません。
先ほどご紹介したtrekの「Domane(ドマーネ) AL2」はドマーネシリーズの1台ですが、このシリーズにはプロが使用する機体もあります。
その市場価格は100万を軽く超えますので、同じシリーズと考えるのも無理があります。
しかし、基本的なコンセプトは変わりませんし、フレームの設計自体は同じなのです。
このように、上位モデルのコンセプトや技術を端々に盛り込んでくるのもエントリーモデルの特徴なので、もう一度言いますが「安かろう悪かろう」ではないのです。
trekでは安い価格でカーボンフレーム車は購入できない
ロードバイクの価格を決める最も大きな要素は、フレームに使われる素材です。
ロードバイクのフレームに使われる素材は、主に「カーボン」と「アルミ」になります。
そして、端的に言うとカーボンは高い、アルミは安いとなり、ここまでお話してきたエントリーモデルはほぼアルミフレームです。
trekのロードバイクには20万円未満のカーボンフレーム車はありませんので、今回「安い」と定義した価格帯のバイクは全てアルミフレームということになります。
カーボンは繊維のため、車体をとても軽量にできるというメリットがあります。
数十グラムの重量でも敏感になって軽量化を図るのがプロのロードレーサーなので、ロードバイクは1グラムでも軽ければ優位みたいなところがあります。
そのため、最初からカーボンフレームありきでロードバイクの購入を考える方もいらっしゃいますが、少なくともtrekでは安い価格で購入することができません。
クロスバイクならロードバイクの最低ラインより安い価格でも安心
ここまで一般的に安いと判断できるロードバイクを考えてきました。
先述通りその価格帯は、8万円~10万円台前半としましたが、これも決して普通の消費行動では安い買い物ではありませんよね。
そこで考えてみて頂きたいのは、「クロスバイク」です。
クロスバイクはスポーツバイクの入門編的存在で、ママチャリ然とした物を残しながらロードバイクにも通ずる物です。
扱いやすいフラットハンドルに太めのタイヤで安定感を確保している一方で、ロードバイク並みのギア比を持ち、スポーティな走りにも十分対応します。
先ほどロードバイクは5万円台になったらルック車の可能性があるとお伝えしましたが、クロスバイクは5~8万円に良品が集中しています。
trekも売れ筋no1の「FX3」で7万円ですから、ロードバイクよりはだいぶリーズナブルです。
ただし、これはあくまでも価格を基準とした話ですので、ロードバイクを止めてクロスバイクにしましょう、とおすすめしているわけではありません。
予算が5~8万円であるなら、クロスバイクという選択肢もありますと言うことです。
ロードバイクの「安い」は一般的な感覚とはズレがある!
ロードバイクはその世界では「安い」と判断されるような物でも、一般的な買い物を考えれば安価な物はほぼありません。
まず大前提としてそれを念頭において、価格を見極めていかなければなりません。
今回は8~10万円前半を安いゾーンとしましたが、もちろんもっと上の価格帯でも安いと判断される物はいくらでもあります。
無責任なようですが、最後は自分の価値感や経済状況で決めるしかないのかもしれません。