イタリアの老舗「ビアンキ」は象徴でもある「チェレステカラー」の鮮やかさもあり、女性人気の高いブランドです。
ただし、2018年よりレディースモデルの「ダーマビアンカ」がラインナップから外れ、女性専用モデルは無くなりました。
しかし、そもそもスポーツバイクにおける、レディースモデルとはどういう物なのでしょうか?
今回はビアンキのクロスバイクを参考にしながら、レディースモデルとは何かを考えていきます。
ビアンキのレディースモデルはロードバイクだけ?
ビアンキには、「ダーマビアンカ」というレディースモデルを謳うラインナップががありました。
しかし、「ダーマビアンカ」は、クロスバイクではなく、ロードバイクのみの展開です。
このように、ロードバイクであるなら、ビアンキにレディースモデルがありました。
過去形というのも2017年までラインナップされていたのですが、2018年ではラインナップから外れてしまったのです。
このことから、ロードバイクのレディースモデルはビアンキにはなくなりました。
しかし、ユニセックスのモデルであるなら同一のモデルが存在します。
また、結論からクロスバイクにはレディースモデル専用としての自転車はありません。
そこで、ロードバイクではありますが、人気のエントリーグレードの「ヴィアニローネ7」を基に、レディースモデルとユニセックス(男女兼用)モデルに違いがあるのかを比較します。
ちなみに、同じコンポを採用した機種ですと、価格もほぼ同価格になります。
まず、サイズですが、ユニセックスで44~57まで6サイズあり、ダーマビアンカは大きい方の3サイズがありません。
自転車の設計図的存在であるジオメトリですが、寸分たがわず全ての箇所が同じ寸法です。
フレーム形状で見るとダーマビアンカの方が、トップチューブがやや下がりめのスローピングスタイルで、跨りやすさが考慮されていたようです。
また、組み合わされているパーツはほぼ同じですが、サドルのみレディースモデルが採用されています。
あとは、ボディーカラーですが、ダーマビアンカにはところどころにピンクが挿し色として入っています。
こうして見ると、ボディーカラーとサドルにしか違いが感じられませんね。
ビアンキのレディースとユニセックスモデルの比較から感じること
前項でビアンキのレディースモデルと兼用モデルを比較しましたが、思うところやポイントを整理してみましょう。
★サイズ
日本人の成人年齢の平均身長は2015年のデータで、男性が171㎝、女性が158㎝です。
そのため、レディースに大きなモデルが無いのはまだ分かりますが、兼用モデルよりも小さいサイズが無いのが少し残念です。
★ジオメトリ
身長比でいくと女性は男性よりも手足が長く、同じ身長ならむしろ男性より融通が利くので、兼用モデルと同じ寸法でも不思議はありません。
★パーツ
女性は骨盤が大きいので、座面の幅が広いサドルはどのメーカーでも配慮して採用しています。
ロードバイクではありませんが、クロスバイクではスカートのすそがチェーンや歯車で汚れないように、ガードが付いている物もあります。
★カラー
色については個人の嗜好なので何とも言えません。
ピンクが好きな男性もいますし、黒一色のロードバイクに乗りたい女性もいらっしゃるはずです。
ビアンキのクロスバイク「カメレオンテ」
2018年のビアンキにはレディースモデルはありません。
また、クロスバイクにもないため、女性向きのクロスバイクを購入したい女性はユニセックスモデルを選ぶことになります。
そこで、ここからはビアンキのクロスバイクをご紹介していきましょう。
ビアンキのクロスバイクは、現在「カメレオンテ」と「ローマ」の2シリーズになります。
カメレオンテは太めのチューブにMTB系のコンポを組み合わせた、昔ながらのクロスバイクという感じです。
上体を起こして楽な姿勢で乗れるフレーム形状ですし、タイヤもママチャリに近い太さですので安定感があります。
フロント3速リア8速で、スポーツバイクらしいスピードが期待できるギア比もある一方、上り坂向きの軽いギアも装備しています。
そのため、非力な女性でも扱いやすいギア構成にはなっています。
サドルがレースモデルで座面が小さいのが気になりますが、それ以外は男女を問わない、と言って良いでしょう。
また、カメレオンテには、電動アシスト付きのモデルがあります。
日本ではママチャリタイプの電動自転車が人気ですが、スポーツタイプは珍しいです。
価格がママチャリタイプとそう大差はないので、考えてみても良いかと思います。
ビアンキのクロスバイク「ローマ」
ビアンキのクロスバイクのラインナップを確認していますが、続いては「ローマ」シリーズです。
細みのスタイルにロードバイク系のコンポの組み合わせは、現在のクロスバイクのメインであるスピード型です。
4機種ありますが上位グレード3機種は、ロードバイクのフルコンポにディスクブレーキを搭載しています。
カメレオンテに比べるとやや前傾姿勢が深めになりますし、タイヤも細めなのでスピードを意識しているのは間違いありません。
クロスバイクで街中を飛び出て、ツーリングなどで長距離も乗ってみたいという人に向いています。
また、上位機種はホイールのサイドがチェレステカラーに塗られています。
これはビアンキのスポーツバイクの中ではローマにしかない演出ですので、チェレステカラー好きに高く評価されています。
ローマが女性に対して適しているかどうかですが、トップチューブが地面に対して平行に近いので、スカートを履いでいると、少々跨ぎにくいかもしれません。
また、サドルもレース仕様ですし、チェーンガードなども付いていないので、レディースモデルの要素は少ないです。
女性はレディースモデルを選ばなければいけないのか?
今回はレディースモデルのクロスバイクについて話を進めていますが、筆者は少し違和感を覚えています。
そもそも、ユニセックスモデルは男女兼用という意味であり、決して男性専用ではないです。
そうであるのなら、女性は女性専用が無くてもあきらめる必要はどこにもありませんよね。
確かにサドルの座面の広さやハンドルの幅などは、レディースモデルの方が配慮されています。
ビアンキにはありませんが、チェーンガードや泥除けが最初から付属しているモデルもあります。
しかし、これらはいずれも後付けで対処できるので、さほど大きな問題ではありません。
しっかりと考える必要があるのは、サイズやフレーム形状です。
ビアンキのクロスバイク「ローマ」シリーズは、トップチューブが高い位置にあるので、スカートを履いている場合は跨りづらいかもしれません。
また、ディスクブレーキのローターは高熱になりますので、万が一、スカートのすそでも巻き込んでしまったら大惨事になる可能性があります。
クロスバイクは、こういった、後からではどうしようもないことを考慮に入れて、選択する必要があります。
また、スポーツバイクは何より自分に合ったサイズに乗ることが重要ですので、これについては次項で詳しくお話します。
クロスバイクのサイズで注意するべきポイント
ビアンキのクロスバイクのサイズは、他メーカーが用意しているレディースモデルに比べて、一番小さなサイズでも大きめです。
ビアンキのスポーツバイクは、サドルを支えるシートポストが挿してある「シートチューブ」の長さをサイズとしています。
これは、自転車の高さがサイズになっているということなので、シートチューブが長くなるにつれて、身長が高い人向きになるという図式です。
ただし、自転車の高さはサドルやハンドルの高さで融通が効きますので、少しくらい合わなくても対処可能です。
スポーツバイクのサイズで一番重視するべきなのは、トップチューブの長さです。
これはハンドルとサドルの距離を表すものであり、乗車姿勢に大きく関わってきます。
スポーツバイクはハンドルがサドルよりも低い位置に付いていますので、乗車姿勢は前傾になります。
クロスバイクは緩やかなほうですが、それでもママチャリとは比べものにならないほど前傾姿勢になります。
そこから、さらにハンドルからサドルまでの距離が遠くなると、前傾姿勢はより深くなります。
したがって、トップチューブの長さで乗車姿勢が決まると言っても過言では無いので、まずはここから確認する必要があります。
ちなみに、ビアンキのクロスバイクで一番小さなサイズのトップチューブ長は、525ミリあります。
一概には言えないものの、これは身長150㎝台の人でも対応できる長さです。
もちろん、実際にまたがってみてフィッテイングをしなければなりませんが、目安として覚えておいてください。
レディースモデルが無くても諦めない!
今回のお話で声を大にして言いたいのは、「女性でもあきらめる必要は無い」ということです。
確かに、ビアンキのクロスバイクやロードバイクは、小さめのサイズが少ないのは事実です。
しかし、本文中でも言いましたが、ユニセックスモデルは男性専用ではありません。
そのため、試乗してみたら十分にフィットする物もあるはずです。
ビアンキのクロスバイクが欲しいと思ったら、初志貫徹でまずはお店に出向いてみましょう。