ロードバイクのタイヤの付け方は、基本的には一般的な自転車のタイヤの付け方と同じです。
一般的な自転車の修理に慣れている方は、簡単にタイヤ交換ができるでしょう。
しかし、一般的な自転車のタイヤと全く同じ付け方をしてしまうと、タイヤがバーストしてしまう恐れがあります。
ロードバイクのタイヤの付け方には、少しだけ従来とは異なる注意が必要なのです。
ですので、今回はその注意を踏まえて、ロードバイクのタイヤの付け方について細かくご説明します。
ロードバイクのタイヤにおける注意点
まず始めに、ロードバイクの特性についておさらいします。
ロードバイクは自転車の中で、最もスピードが出る自転車です。
ですので、スピードを出して走ることや、長距離走行を楽しむという方は多いかと思います。
それだけに、タイヤの消耗が早い自転車でもあります。
また、タイヤは細く、いかに地面との接地面積を少なくするかということに比重を置いています。
ですので、一般的なシティサイクルなどの自転車のタイヤより、パンクしやすいタイヤになっていることをご理解ください。
理由としては単純に、衝撃を受ける面積が小さくなればなるほど、衝撃は強くなるからということです。
この二つのことからご理解できるかと思いますが、ロードバイクはタイヤ交換を比較的多めにする必要のある自転車ということになります。
頻繁に乗る方は、よりタイヤ交換をすることになるでしょう。
ですので、非常に重要になのはロードバイクのタイヤ交換について詳しく知っているということになります。
細かい部分まで知っておくと、タイヤ交換でのミスが格段に減ります。
また、無駄な部品代や、修理の時間を減らすことができます。
ですので、まずはロードバイクについて、しっかりと理解することから始めてください。
では、ロードバイクのタイヤの外し方、付け方について詳しくご説明します。
ロードバイクのタイヤ交換!外し方編
ロードバイクのタイヤの付け方の前に、まず外し方をご説明します。
ロードバイクのタイヤを外すのに、まずホイールと車体を外しましょう。
実際のところ、ホイールと車体を外す必要はないのですが、外したほうが作業が行いやすくなります。
ですので、ぜひ外して作業してください。
また、ホイールごと外す為には、スパナが必要のないケースが多いです。
手でクイックリリースレバーを回して緩めてください。
スパナが必要という自転車では、14㎜~15㎜のスパナをご用意ください。
次に、ロードバイクのタイヤを外していくのですが、基本的には一般的な自転車と同じです。
ただ、例外として真っ先にブレーキを外してください。
ほとんどのロードバイクは、ホイールとブレーキシューをかなり近くまで寄せています。
その間隔はおよそ1mmくらいでしょう。
ですので、ホイールを車体から外す為には、先にブレーキを外しておくと非常に楽になります。
キャリパーブレーキならば、正面から自転車を見て、ブレーキ本体の左側にあるクイックレバーを開いてください。
キャリパーブレーキは、それでブレーキシューの間隔が開いて、ホイールの着脱が容易になります。
Vブレーキならば両手で挟んで、ワイヤーを上方に引っこ抜けば、それでブレーキとホイールの間隔が開きます。
そして、ホイールを車体から外した後、バルブのリムナットを外します。
それから、タイヤレバーを2本~3本利用して、タイヤを外していってください。
また、タイヤレバーは必ずご使用ください。
ロードバイクはタイヤ自体が細い為、タイヤが外れにくい場合が多いです。
外れたとしても、なかなか外れている状態を維持しにくい場合があります。
このとき、タイヤレバーであれば、タイヤレバーの引っ掛け部分を、スポークに引っ掛けることができる為、手間がかからず簡単にタイヤ交換を行うことができます。
また2本~3本はご用意ください。
1本だけでは、まず間違いなく、タイヤレバーの引っ掛けが外れてしまうからです。
タイヤがホイールに戻ろうとする力が強い為、タイヤレバーの1本目でタイヤを外しながら、2本目を引っ掛けなければなりません。
ですので、2本は必要となるでしょう。
余裕をみて、3本あれば安心です。
では、次はタイヤの付け方をご説明します。
ロードバイクのタイヤの交換!取り付け方編①
ロードバイクのタイヤの付け方として、最もやってはいけないことは、タイヤをホイールに入れる際に、タイヤレバーを使用することです。
ロードバイクのタイヤは細くて、ホイールに中々上手くはめ込めない為、タイヤレバーを利用して、強引に押し込もうとする人がいます。
これは、一見何も問題ないように思えるかもしれません。
しかし、行ってはいけないことです。
何故なら、タイヤレバーを利用することで、チューブが傷んでしまうからです。
この「傷む」というのは、チューブが少し傷むというレベルではありません。
チューブに小さい穴が空く事態を招くことがあるほどです。
つまり、パンクになります。
チューブに穴が空けば、また直ぐにチューブ交換ということになってしまいます。
二度手間で、チューブ代も倍かかります。
いいことはないのでやめておきましょう。
多少面倒でも、手でタイヤをはめ込んでいってください。
もし、タイヤを手で押し込めなければ、霧吹きなどで水か石鹸水を車輪にかけて、滑らせてタイヤをはめてください。
また、このとき滑りやすいからといって、潤滑油などは使用しないでください。
水や石鹸水は蒸発するので問題ないですが、潤滑油はそのまま車輪とタイヤにべったりと残ります。
これはブレーキシューが滑ってしまう可能性があるのです。
滑るとブレーキがきかなくなります。
たとえ、リムをしっかりと拭いても、拭き残しも考えられます。
ですので、絶対に潤滑油は使用しないでください。
ロードバイクのタイヤ交換!取り付け方編②
次に、タイヤを綺麗にはめ込めた後、絶対に確認しなければならないことがあります。
それが、バルブをタイヤ側に押し込む、という作業です。
チューブがタイヤの内側の中心に入っていない場合、バルブが上手く内側に入っていきません。
つまり、バルブの付け根がタイヤの淵に当たってしまっている状態になります。
バルブがタイヤの淵に当たっているということは、バルブがタイヤの内側を通っていないことになります。
状態的には、チューブがタイヤとホイールに挟まれていることになります。
ですので、バルブを上手く押し込めないまま空気を入れてしまうと、挟まったままチューブに空気が入っていき、バーストします。
これはチューブだけではなく、タイヤのホイールとの引っ掛けすら飛ばしてしまうことになります。
ですので、タイヤがもう一つ必要になります。
タイヤ代が倍かかってしまうので、必ず注意しておきましょう。
ここで勘違いをしやすいのは、バルブがタイヤの内側にちゃんと入っていないのでは、と思ってしまうことです。
何度も確認を行うと、バルブの付け根にあまりよくありません。
基本的にはバルブの付け根が、タイヤの内側に当たることが確認できれば、それで大丈夫です。
確認後、空気を入れていってください。
その際、ゆっくり行ってください。
さらに、ロードバイクのタイヤの付け方として見落としやすいのは、細いタイヤの内側全てにチューブがちゃんと入り込んでいるか、という部分です。
バルブ周辺は確認しても、他の部分は内側を通っていないかもしれません。
少しずつ空気を入れて、タイヤ全体を確認していってください。
空気が全体にしっかりと入れば、それで終了です。
車体へのホイールの取り付け方
ロードバイクのタイヤを付けた後、次はホイールごと車体に付けないといけません。
このとき、いくつか注意しておかなければならないことがあります。
まず、一つ目はハブ軸にあるクイックリリースレバーが完全に開いていることです。
これは確認しなければ、車体にホイールが入りません。
次に、ホイールをはめ込んだときに、クイックリリースレバーが90°くらいの向きになっている状態で締めていってください。
基本的に、この二つは要領よく締める手順です。
ですが、クイックリリースレバーで、最後に一つだけ確認しないといけないことがあります。
クイックリリースレバーを回して締めていき、締まり具合が完全に調整できた後ですが、クイックリリースレバーを折りたたむ向きに注意が必要です。
クイックリリースレバーは必ずフロントフォークに沿わせるよう折りたたんでください。
もし、クイックリリースレバーがフロントフォークを沿っておらず、おかしな方向にクイックリリースレバーの先端が向いているとします。
すると、走っている最中に、障害物に引っ掛かってしまうかもしれません。
障害物に引っ掛かってクイックリリースレバーが開いてしまえば、タイヤが外れて大事故につながる恐れがあります。
ホイールの車体の付け方として、まず、それだけは絶対に確認してください。
そして最後に、最も大切な部分をご説明します。
ホイール取り付け後のブレーキ調整
ロードバイクのタイヤ付け方、ホイールの付け方として、最も大事なのは最後のブレーキの調整です。
まず、Vブレーキのワイヤーの付け忘れや、キャリパーブレーキのブレーキ本体のクイックレバーを閉め忘れをする人がまれにいらっしゃるので、これだけは絶対にやめてください。
ブレーキがきかず、洒落にならない大事故を起こす可能性があります。
ここは、特に意識をしておきましょう。
次に、キャリパーブレーキ、Vブレーキそれぞれの締め方をご説明します。
キャリパーブレーキでは、ブレーキ本体についているクイックレバーを閉めます。
また、Vブレーキは両手で挟み込むような形で締めた後、ワイヤーをはめ込んでいきます。
この後、まずはリムとブレーキシューが丁度いい位置になっているかをご確認ください。
リムとブレーキシューの間は1mmくらいが最適です。
慣れれば感覚で分かるので、目視でご確認いただくだけでも構いません。
その後、ブレーキレバーを引っ張ってみてください。
1センチほど引きしろができていたら、ブレーキ調整が完了です。
ただ、問題はここからです。
使用しているブレーキ自体が古くなってしまっている可能性があります。
古くなっていると、ブレーキシューとリムの間が左右とも1mm、という状態が難しくなります。
というのも、ブレーキの可動部分が錆びてしまっているかもしれない為です。
その場合、キャリパーブレーキであれば、自転車を正面から見て右側にナットがあります。
そこに潤滑油を注してください。
Vブレーキであれば、ブレーキを車体に止める為にあるナット両方に、潤滑油を注してください。
もっと詳しくご説明すると、ブレーキの左右のアームと、自転車のフロントフォークを止めている部分ですね。
ここが錆びていると、ブレーキそのものの動きが悪くなる可能性があります。
すると、左右ともに1mmという調整が難しくなってしまいます。
ですので、そこに潤滑油を注せば、左右とも1mmに調整がしやすくなります。
ただ、間違ってもブレーキ自体に、潤滑油を注さないでください。
特にブレーキシュー付近には、絶対に注してはいけません。
あくまでナットの部分だけです。
タイヤだけではなくロードバイクを深く知ろう!
ロードバイクのタイヤの付け方をご説明しました。
タイヤ交換をする際は、ぜひ参考にしてください。
それから、ロードバイクは速い自転車の為、部品や修理方法はしっかり行わないと事故を起こす可能性が高くなります。
また、ロードバイクは普通の自転車とは違う部品が多い為、交換・修理に少しだけ特殊な技術が必要になってくることがあります。
これらは、書籍やネット上で調べることができます。
修理等はプロに任せることが一番ですが、乗っている本人がしっかりとした知識を付けることも重要です。
タイヤ以外にも、少し変わった部分もあります。
少しの時間でもいいですので、調べるようにしてみてください。