世界的に有名なロードバイクのコンポーネントメーカーの「シマノ」と「カンパニョーロ」。
実際にこのメーカーのコンポーネントを使用している方も多いことでしょう。
そこで、シマノとカンパの比較から、カンパのコンポであるレコード、特にブレーキにスポットを当ててご紹介していきます。
カンパとシマノのコンポの違い
カンパのコンポを購入したいと思っていたり、換装を検討している人は、まず比較する対象として、初期で搭載していることも多い、シマノの性能が気になるのではないでしょうか。
そこで、気になるブレーキに詳しく迫るために、カンパとシマノのコンポを比較してみましょう。
まず、価格ですが、それぞれのメーカーにグレードがあります。
シマノの価格に対し、カンパは高めの設定になっています。
例えば、シマノで最上級のグレードと位置づけられるデュラエースですが、20万円程の価格で販売されています。
一方カンパで同等のクラスというと、レコードになります。
レコードは30万円程の価格で販売されています。
約1.5倍の価格です。
重量で両者を比べた場合、デュラエースが1987gなのに対し、レコードは2026gと、デュラエースの方が軽い物になっています。
また、デュラエースとレコードは、共に2×11スピードになっています。
価格はカンパのレコードのほうが高価なのに、重量は重いということです。
少しでも重量を軽量化したいロードバイクですが、なぜ、重量の重いカンパは人気があるのでしょうか。
では、その人気の秘密をご説明していきます。
カンパのコンポ!レコードの特徴
カンパのコンポが価格や重量を考えた場合、なぜ人気があるのか、疑問を持ちますよね。
そこで、カンパのコンポが人気の理由をご説明していきます。
まず、見た目がかっこいいことが挙げられます。
ロードバイクには、見た目が重要ですよね。
せっかく、軽やかに走るロードバイクです。
その見た目にも気を使っていきたいですよね。
そこで、カンパのレコードを見てみると、カーボン調の外観に、高級感を感じられます。
さすがイタリアのメーカー、という見た目の美しさがあります。
次に、ブラケットの形状が独特です。
特に、手が小さい人でも握りやすいようになっています。
人間工学から計算された形状のようですが、小振りながら、手にフィットするように考えられています。
このため、手のひらにしっくりする感覚を味わう人も多いのではないでしょうか。
最後に、シマノよりもスピードコントロールしやすい、といわれることもあるブレーキです。
ロードバイクに乗る時に、必ず必要となるブレーキ。
見た目以上に走りを左右する要素ではないでしょうか。
それでは、シマノとのブレーキの違いを詳しくご紹介していきます。
カンパとシマノのブレーキの違い
ロードバイクになくてはならない要素の1つにブレーキが挙げられます。
見た目の特徴は、前にご紹介しましたが、ブレーキは実際に走りを左右する要素になります。
そこで、シマノとカンパのブレーキはどのように違うのでしょうか。
まず、シマノのブレーキは、「止まるブレーキ」と表現されることがあります。
実際に筆者も、ブレーキの感覚がかっちりとしている印象を受けています。
ブレーキなのですから、止まる事は最も重要だと思われますが、ブレーキの役目は他にもあります。
それは、スピードをコントロールするためのブレーキです。
常に舗装された直線道路のみで、しかも、障害物も何もない所をひたすら走るのであれば、止まるためのブレーキだけで十分です。
しかし、皆さんの走る道路は、凹凸があり、カーブや交差点もあるでしょう。
障害物もあるはずです。
そんな時は、止まるためにブレーキを使うよりも、スピードをコントロールして、自分のラインを走るためのスピードを保つほうが多いのではないでしょうか。
レースなどでは特に、止まるということはあまりないはずです。
このスピードをコントロールする能力に、カンパのブレーキは長けているといわれています。
では、カンパのブレーキはどのような構造なのでしょう。
レコードを例に挙げて解説していきます。
カンパのブレーキ!レコードの特徴
カンパのブレーキは、「スピードをコントロールするためのブレーキ」というお話をしました。
では、なぜコントロールしやすいのか、という疑問があると思います。
その理由は、レコードのブレーキの形状にあります。
レコードを含め、ポテンツァ以上のグレードでは、カンパのブレーキはスケルトン加工がなされています。
このスケルトン加工、軽量化のための加工に思えますが、実は、それだけの理由ではないのです。
スケルトン加工を行うと、ブレーキのアーム自体の剛性が落ちます。
ブレーキなのに剛性を落としたら危ないように感じますが、剛性が落ちている事によって、初期制動が鈍くなるのです。
このため、強い握力でレバーを握っても、アームのしなりでスピードをコントロールすることができます。
力だけで制動させるのではなく、アームのしなりを利用して、じんわりと効いてくるブレーキが、カンパのブレーキの特徴であり、レコードを含むグレードのブレーキなのです。
レコード以外のグレードとのコンポの比較
これまで、シマノとカンパの違いやカンパのご紹介で、レコードを例にご説明してきました。
しかし、カンパには、レコード以外にもグレードがあります。
ここでは、レコード以外のグレードのコンポについて、ご説明していきます。
まず、レコードの上には、スーパーレコードというグレードがあります。
このクラスは最高級のグレードで、素材はカーボンを使用しています。
また、重量差の出るクランクやスプロケットにはチタンを使い、軽量化と強度を両立させています。
形状も軽量化のために、極限まで削り落としています。
次のグレードが、レコードになります。
スーパーレコードとの違いは、使用している素材の違いから、重量が変わってきます。
例えば、クランクにはクロモリを使用しているため、チタンのスーパーレコードに比べ、重くなっています。
そして、レコードよりも下位のグレードになると、コーラスがあります。
構造や機構は上位2機種と同じ設計になっていて、こちらも使用素材の違いから、重量が増加しています。
さらに、ポテンツァというグレードは、コーラスの下位になります。
このグレードは、2016年に新しく設定されたグループで、アテナが廃盤になったため、その代わりに設定されたグレードになります。
クランクにはアルミを使用し、ディレイラー部分も、上位グレードではカーボンを使用しているパーツに、アルミを採用しています。
これよりも下位のグレードは、ケンタウル、ヴェローチェと続きます。
ケンタウルは、1度廃盤になっていますが、新型に変更して、再び登場しています。
ポテンツァ同様、アルミをメインの素材として、コストと計量化を両立したものになっています。
ヴェローチェは、カンパのコンポの中で最下位のグループになりますが、デザインがクラシックなため、クロモリのモデルに人気があります。
このように、カンパのコンポにはそれぞれ特徴がありますが、ブレーキ部分に注目して、違いを見てみましょう。
レコード以外のグレードとのブレーキの比較
カンパのブレーキの特徴の中で、「カンパのブレーキはスピードをコントロールするブレーキ」とご紹介しました。
その理由は、ブレーキの利き方であり、その利き方を実現させる為のスケルトン加工の構造にあることは分かっていただけたかと思います。
そして、先程もご紹介したとおり、このスケルトン加工はレコードより2つ下のグレードである、ポテンツァまでです。
そのため、当然ながらレコードの上位グレードになるスーパーレコードは、レコードと同様に、スケルトン加工の構造をしています。
それでは、レコードより2つ下のグレードであるポテンツァ以下のケンタウル、ヴェローチェは、どのようなブレーキなのでしょうか。
このケンタウル、ヴェローチェは、凹凸の加工となっています。
そして、ケンタウル、ヴェローチェのコンポの中で、ブレーキのみ換装させる事もよくあります。
ブレーキのみ上位のグレードに設定して、カンパのブレーキを味わうのも良いかもしれません。
カンパのブレーキを味わうのであればレコードを選ぶべき
これまで、カンパの魅力と特徴や、シマノとの比較をご説明してきましたが、実際、カンパに換装しようと思うと、コンポ一式レコードで交換した場合、とても高価になってしまいます。
そこで、グレードを下げてしまうと、せっかくのカンパの特徴を活かしきれない場合があります。
そんな時、せめてブレーキだけでも上位グレードであるレコードを選択してみてはいかがでしょうか。
カンパの独特なブレーキを、ぜひ味わってみて下さい。