mtbに乗っている時、ブレーキが嫌な音で鳴り、不快な思いをしたことはありませんか?
ブレーキ鳴きなど、自転車の音に関するトラブルは数多く、一度は頭を悩まされる問題です。
今回は音のトラブルの中でもmtbのブレーキ鳴きについて、代表的な要因と解決策をご紹介します。
mtbのブレーキパッドの擦り減りによるブレーキ鳴き
まず、ご紹介するブレーキ鳴きの原因は、mtbのブレーキパッドの擦り減りです。
ブレーキパッドは金属の台座にゴムのパッドが付いた構造をしています。
このブレーキのパッドがホイールのリムを挟み込むことで、ホイールの回転を止めるようになっています。
そして、ホイールを止めるためにゴムのパッドがリムを挟んでいる瞬間、ブレーキパッドとリムの間には大きな摩擦力が生まれています。
この摩擦力によって、ブレーキパッドのゴム部分は、消しゴムと同じように徐々に削れていきます。
ブレーキパッドのゴム部分が削れていくと、最後に露出するのは台座である金属部分です。
その金属部分が露出した状態でブレーキをかけると、金属と金属がこすれ合うような、「ガリガリ」「キーキー」といった音が鳴ります。
これが、ブレーキ鳴きの考えられる1つの原因です。
こんな状態を放置したままにすると、ブレーキパッドの台座である金属がリムを削ってしまい、リムが割れてしまう恐れがあります。
そのため、こういった場合は早めにブレーキパッドの交換をすることで、ブレーキ鳴きは収まり、ブレーキパッドの台座がリムを削ることもなくなります。
mtbのブレーキに異物が刺さっていることによるブレーキ鳴き
路面にはガラス片など様々な異物が落ちており、タイヤがこれを回転によって巻き上げることで、ブレーキシューに刺さる場合があります。
このブレーキシューに異物が刺さった状態でブレーキをかけると、異物がリムと擦れ、ブレーキ鳴きが発生します。
こういった場合の具体的な解決方法をご紹介します。
まず、mtbのブレーキの前後どちらのホイールからブレーキ鳴きがするのかを確認します。
そして、ブレーキ鳴きがする側のブレーキのワイヤーを開放します。
こうすることでブレーキの左右のアームが別々に動くので、ブレーキシューの摩擦面が確認しやすくなります。
摩擦面を確認し、小石やガラス片などの異物が刺さっていた場合は、ラジオペンチなどで取り除きます。
あとは、ブレーキワイヤーを元に戻し、作業完了です。
ブレーキシューに異物が刺さっていることによるブレーキ鳴きの場合も、先にご紹介したブレーキシューの擦り減りによるブレーキ鳴きと同じく、放置することでリムの削れが進む恐れがあります。
ですから、早めに確認し異物を取り除くことをお勧めします。
mtbのブレーキの片効きによるブレーキ鳴き
mtbに搭載されているブレーキの種類としては、Vブレーキというものが多いです。
このブレーキの構造は、2本の別々のアームがワイヤーによって引かれ、ブレーキシューがリムを挟むことで自転車を停止させる、というものです。
通常、この2本のアームの可動域はスプリングによって均一に調整され、左右のブレーキシューが同時にリムと接触するようになっています。
しかし、ブレーキ本体の精度や使用に伴う衝撃などによって、左右の可動域のバランスが崩れることがあります。
バランスが崩れた状態である時、ブレーキをかけると左右のブレーキシューは同時にリムに接触せず、ブレーキ鳴きの原因となります。
このようにしてブレーキ鳴きが起きている場合、ブレーキアームの稼働を調整することで音鳴きが解消されます。
具体的にご説明すると、それぞれのアームの外側にあるボルトを、締めたり緩めたりすることで調整が可能です。
このボルトは、締めるとスプリングが強まりアームが外側に、緩めるとスプリングが弱まりアームが内側へと動きます。
片側ばかりを締め込んだり緩めたりせず、両側のテンションを均一に近づけて調整を行います。
mtbのホイールが歪んでいることによるブレーキ鳴き
mtbのブレーキ鳴きが起きている場合、ブレーキ側ではなくホイール側に問題がある場合もあります。
それは、ホイールの歪みによるブレーキ鳴きです。
先にもご説明したように、ブレーキは2つのブレーキシューでリムを挟んでホイールの回転を停止させます。
通常、リムは2つのブレーキシューのちょうど真ん中を回転し続けるため、ブレーキをかけない限りブレーキシューとリムは接触しません。
しかし、ホイールが衝撃などによって歪んでしまった場合、リムが水平でないためにブレーキシューと断続的に擦れあってしまいます。
この状態で走行すると、ブレーキを掛けていないにも関わらず、リムとブレーキシューが擦れあうことによる摩擦音がする場合があります。
こういったブレーキ鳴きの場合は、ホイールの振れ取りという作業が必要になります。
具体的には、スポークのテンションを調整しリムを水平にするのですが、専門の工具、そして、調整技術が必要になるため、多くの場合はプロショップに持ち込むことをお勧めします。
ホイールが歪んだ状態で乗車を続けると、歪みが増幅し、大きな歪みの場合はホイールを交換する必要に迫られる場合もあります。
ディスクブレーキから音鳴きがする場合
Vブレーキに代わる新たな仕組みのmtbのブレーキとして、ディスクブレーキというものがあります。
ディスクブレーキはVブレーキと構造が異なり、ブレーキパッドが金属のローターを挟み込むことで制動力を生みます。
このディスクブレーキがブレーキ鳴きをしている場合の原因として、代表的には次のようなものが考えられます。
1つ目に、パッドに原因がある場合です。
ディスクブレーキのパッドに汚れの付着、異物の噛み込みがある場合、ブレーキをかけるとローターとの間に異音を生みます。
こういった場合は、パッドを洗浄する、千枚通しなどで異物を取り除く、こういったことでブレーキ鳴きが解消されます。
2つ目に、ホイールがずれている場合。
ディスクブレーキはローターがホイールに、ブレーキ本体がフォークに取り付けてあります。
そのため、ホイールがフォークに対してずれて固定されていると、ローターとパッドが平行でないため、「シャ、シャ」と断続的に音が鳴る場合があります。
このような場合、ホイールを一度フォークから外し、正しいセッティングを行うことで解消されます。
ブレーキ鳴きの原因がわからない時
mtbを初めとして、自転車にまつわる音の問題は多く、原因の特定や改善が困難である場合も少なくはありません。
ブレーキで音が鳴っていると思いきや、別の原因による音がフレームを伝わってブレーキの音のように聞こえる、という場合もあります。
そのため、自分で調べてみてもわからない場合は、プロショップに持ち込むことが最善の解決策と言えます。
また、Vブレーキの音鳴きに関して、ブレーキシューとリムとの相性によってはどうしてもブレーキ鳴きしやすくなる場合があります。
この場合、シマノなどからブレーキ鳴きしにくいことを売りにしたブレーキシューなども販売されていますので、そういった製品に交換してみることも1つの解決策です。
また、ブレーキシューのセッティングを、自転車の進行方向に対して後ろ側を、やや「ハ」の字に開く形、いわゆる「トーイン」と呼ばれる形にセッティングすることで、ブレーキ鳴きの軽減が図れます。
ブレーキ鳴き、対処は早めがオススメ!
mtbのブレーキ鳴きについて、代表的な原因と対処法をご紹介しました。
どのような原因でブレーキ鳴きが起きているにせよ、放置することで、より悪化する場合があります。
ブレーキは自転車を止める重要な部品ですので、楽しく乗るためにも安全な状態を保つことをお勧めします。