自転車は屋外で保管する事が多いので、錆びたり、塗装が剥げたり、自然と劣化してまう物です。
見た目が残念になってしまうと、機能的にはまだ十分乗れるのに、買い替えを考える人も少なくないでしょう。
そこで今回は、自力で塗装をやり直してみる事を考えましょう。
塗装をしなくても良い部分があるので、ある程度の分解も必要ですから、合わせて確認していきましょう。
分解・塗装の前に自転車の構造を確認する
自転車の塗装はまず分解から始まりますので、最初に自転車の構造について説明しておきましょう。
自転車は「フレーム」といわれる骨組みに、部品が付属して体を成しています。
ハンドルとサドルは、フレームに切ってある穴に挿入されています。
前輪はハンドルと車輪を繋ぐ役割の「フロントフォーク」の先端に取り付けられています。
後輪はサドルから斜めに伸びる「シートステイ」と、クランク付近から水平に伸びる「チェーンステー」が交わるところに支持されています。
あとは、ブレーキやギアなど「コンポ」と呼ばれるパーツが各所に取り付けられています。
そして、自転車の塗装はフレーム=骨組みに対して行いますので、フレームに付属している物を取り外す事になります。
スポーツバイクは、ある程度の分解が始めから想定された上で設計されていますので、そこまでハードルは高くありません。
特に分解のハードルを下げているのは車輪で、レバー1つで簡単に脱着できる様になっています。
また、後付けしていない限りカゴや泥除けなどの装備品がありませんから、余計に楽になります。
自転車の分解・塗装の前に必ず行わなければならない事
自転車の塗装を行う前にまずは分解ですが、当たり前の事ながら分解した物は組み直す必要があります。
その為、分解した順番や、ワイヤー類の取り回しは、画像や動画に残しておいた方が賢明です。
ママチャリはどこを分解するにもボルトやビスを外しますし、特に後輪はブレーキやスタンドも絡んでくるので複雑です。
その為、しっかり整理する意味でも画像に残しておきましょう。
全体像はもちろんですが、部分ごとの写真を撮っておくとより分かりやすいです。
スポーツバイクの場合は、ブレーキやシフターのワイヤーの取り回しが複雑になっている事が多いです。
特にハンドル周りは煩雑なので要注意です。
とにかく塗装をしやすい様にするにはフレーム単体にする事なので、細かい物まで全て取り外します。
従って、後で「これは何だったか?」と悩まない様にしておく事が、最も大切な下準備です。
自転車(ママチャリ)の分解方法①~前輪周り
今回は、自転車の中でもより複雑な分解、塗装になる、ママチャリを取り上げます。
手順は以前私が初めて行った際のものですので、全ての自転車に当てはまる事ではありませんがご容赦下さい。
分解する為に使った工具は、モンキーレンチ、メガネレンチ、プラススドライバーです。
では手順を説明します。
まずは前輪を外しますが、その前にカゴをプラスドライバーで外します。
前輪を支持している部分のボルトをモンキーレンチで外すと、前輪と一緒にカゴを受けるバーが外れます。
前輪が外れたら泥除けを外しますが、泥除けを支持するバーが前輪を支持する場所と同じところに付いているのでこのボルトを外します。
また、私が分解した自転車は泥除けがフロントフォークにも支持されていましたので、モンキーレンチで外します。
次にブレーキですがこれもモンキーレンチで外しますが、ここはくどい様ですがワイヤーの取り回しを画像に収めておいて下さい。
自転車(ママチャリ)の分解方法②~後輪周り
自転車の塗装をする為に分解の手順を紹介しています。
続いて後輪ですが、まずチェーンカバーを先に外しておきます。
後輪は付属物が多いので外側から慎重に外していきます。
まずは一番外側のスタンドですが、ここのボルトは出来ればメガネレンチかラチェットレンチの様な専用工具があった方が良いです。
スタンドが外れたら次はブレーキですが、ワイヤーを取り付けてあるボルトから外します。
次にアームの固定ボルトですが、2本ある内の下側だけを外して、上側は緩めるだけでアームは外れます。
最後にチェーンをギアから落とす作業ですが、チェーンの張りを保っているナットがチェーンステーの先端にありますのでこれを緩めます。
チェーンは前側のクランクにも掛かっていますので、ドライバーなどで落としてあげます。
あとは、泥除けを外してチェーンをずらせば後輪が外れます。
前後の車輪が外れたら、後はハンドルとサドルを抜けば完了です。
自転車の塗装に必要な物
さて、自転車が分解できましたら、塗装を始めていきます。
まずは、準備する物と使い方についてお話します。
★サンドペーパ
元の塗装をはがす為に使います。
ガッツリと削り過ぎてしまうとフレームが傷だらけになってしまうので、800番や1000番など目の細かいものにして下さい
★スプレー缶
「ラッカー」系の方が強度がある上に、塗りむらになりずらいのでおすすめです。
艶消しの色であれば不必要ですが、光沢のある色にする場合は仕上げの「クリア」と呼ばれるコーティング剤も必要です。
途中で塗料が足りなくなったら目も当てられませんので、3本くらいは用意しておきましょう。
★養生材
塗装が付いて欲しくない場所を覆う物ですので、素材は何でも良いです。
ロゴなどが有ってそれを残すのであれば、マスキングテープが良いかもしれません。
★プライマー
塗装を強固に密着させる為の下地処理の為に使います。
せっかく分解までするのにすぐ塗装が剥がれたのでは元も子もないですから、地道な作業ですが必要です。
これも吹き付けるスプレー缶タイプのものが良いでしょう。
自転車の再塗装方法
それでは、自転車の再塗装の手順を説明していきます。
まずは、表面をしっかりと磨きますが、サビなどを削りすぎてしまうと新たな傷を生んでまた錆びますのでそこそこにしておきます。
汚れを落としたらサンドペーパーで削っていきます。
かなり地道な作業ですが、塗装をしっかりと乗らせるには欠かせないのでじっくり行って下さい。
塗装が付いてしまってはいけない、ブレーキワイヤー、チェーン、各種の金具などに養生材でマスキングをします。
複数の色を使用する場合は、その都度マスキングしながら行っていきます。
ここまで来たら、いよいよ塗装に入りますが、まずプライマーで下地処理をします。
フレームにまんべんなく拭き付けたら15分程度間を空けてから、塗料を吹き付けます。
塗料は余り近くから吹くとダマになったり、液だれをしますので、15~20㎝離して薄く吹き付けていきます。
2,3度繰り返し吹き付けてから乾燥するのを待ちますが、冬場でも2時間もあれば乾きます。
あとは、分解した際とは反対の手順で組み直していきますが、これが一番大変な作業と言っても過言ではありません。
私も恐らく画像が無ければ不可能だったと思いますし、何ヵ所か写真を撮り忘れたので本当に苦労しました。
特にブレーキなどは命に関わる部分ですから、部品一つ足りない事も済まされませんからね。
分解した物は元通りにしなければならない
今回は自転車を分解して、再塗装する事を考えてみました。
分解や塗装は手順通り行えばそれほど難しい作業ではありませんが、何より大きな課題は再組み付けです。
元通りの状態に戻す作業は想像以上に大変ですので、とにかく分解する際には元の状態を画像や動画に収めておく事を忘れないで下さい。