ママチャリ運転時のお尻の痛みはサドルの調整で軽減できる!

ママチャリを買って以来、何もいじらずに乗り続けている方も多いかと思います。

それが悪いというわけではなく、老若男女がメンテナンスや特別な改造を行わなくても長期間乗れるというコンセプトで作られていますので、それが当たり前なのです。

しかし、例えばサドルなどは少し調整するだけで、劇的に走りやすく快適になる部分なので、いじってみる価値はあります。

そこで今回は、ママチャリのサドル調整について考えてみます。

ママチャリのサドル位置が低いのはなぜ?

ママチャリは安全面が最優先なので、上体を起こして広く視界が開けた状態で乗ることが求められます。

自動車や歩行者などもいる街中の雑踏では、視界が開けていなければ危険極まりないですから当然のことです。

また、車体自体が重いので、低重心にしておかないと支えきれなくなってしまいます。

そして、信号が多い街中では、ストップ&ゴーが繰り返されます。

信号待ちの度にサドルから降りて、スタート時にまた跨るのでは効率が悪いので、基本的には足が地面にベタッと付く位置に設定されます。

したがって、ママチャリのサドルはとても低い位置に付いており、さらには腰を落ち着けて、ドカッと体重を掛けるようにして乗ります。

しかし、この乗り方は短時間、短距離であることが多いママチャリだから成り立つことであり、長時間乗っているとお尻に負担が掛かり過ぎて痛みが出る可能性が高くなります。

実際に自転車に乗っている人の悩みで最も多いのは、お尻の痛みに関することと言われています。

これは、サドル自体を交換する方法もありますが、調整で痛みを軽減できる可能性もあります。

ママチャリでお尻の痛みに悩んでいる場合はサドル交換前に調整を考える

ママチャリでも通勤などで毎日ある程度の距離を乗ることもあるはずですから、お尻の痛みに悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。

前項でお話ししたように、ママチャリは基本的に全体重をサドルに掛ける乗り方なので、お尻への過度な負担は避けられません。

そして、負担が掛かり続けるから長時間乗ると痛くなるのであり、それは座面が硬いと余計にひどくなります。

しかし、ママチャリは最初からスポンジやゲルなど、クッション性のある柔らかい素材が中に入っています。

また、裏面にスプリングや弾力性のあるゴムが配されているので、地面からの衝撃もいなし、振動が伝わりにくくなっています。

そのため、ママチャリの場合はサドル自体にお尻の痛みの原因がある可能性は低く、乗り方やサドルの高さに原因があるのです。

そこで次項からは、ママチャリのサドルを調整して、痛みの問題を解消する方法を確認していきます。

ママチャリのサドルを調整してお尻の痛みを軽減させる

ママチャリに乗っていてお尻が痛くなるのは、全体重がサドルに乗ってしまい、お尻に負担が掛かり過ぎているからとお伝えしました。

ということで、まずは体重を他の部分に分散させることを考えますが、ロードバイクの乗車位置にならってみます。

ロードバイクはサドルがハンドルよりも高い位置にきていますが、多くの理由がある中で、体重の分散もその内のひとつです。

サドルが高い位置に来るとハンドルを握るには前傾姿勢を取らなければなりませんので、自然と前に重心が移動します。

そうなるとお尻に乗っていた体重がペダルやハンドルにも掛かるようになるので、お尻の負担が軽減されて痛みが治まる可能性が高くなります。

そのため、ママチャリでもサドルの高さを調整して、少し重心を前に掛けるようにすれば、ロードバイクと同じ効果が得られるようになるのです。

ママチャリのサドルを理想の高さに調整する

さて、どの程度までサドルを上げるかですが、ロードバイクではペダルを一番下にしてかかとを乗せた際に、膝が伸び切る寸前が理想の高さと言われています。

ただし、この高さでサドルに跨りますと、恐らく多くの人がつま先立ちになります。

これでは先ほども触れましたが、ストップ&ゴーの多いママチャリの乗り方では非効率ですし、何より危険ですのでおすすめできません。

そのため、あと1~3㎝下げてみて、かかとが地面から少し浮く程度に調整してみてください。

この高さであれば、いざという時にも地面に足を付けて立ち止まれますし、ペダルに適度に体重を掛けられる高さでもあります。

しかし、自転車に子供を乗せる場合は、もう少しサドルを下げる必要があります。

お子さんは思わぬ動きをして体重を移動をしますので、バランスが崩れてしまうことがあります。

その際には素早く地面に足を付け、親御さんが踏ん張って自転車を支える必要があるので、かかとが浮いていては対処が遅れる危険もありますから、あと2~3㎝は下げてください。

また、サドル高を調整したら、最初はなるべく体重をペダルに乗せることを意識し、ハンドルにもたれかかるようにするのはやめましょう。

視線が下がって危険ですし、腕が伸び切ってしまうので疲れやすくなりますので、ハンドルは肩の力を抜いて腕を水平に前に出し、軽く肘を曲げて握ることを心掛けてください。

ママチャリのサドル高を上げるとスピードアップが見込める

前項でお話ししたママチャりのサドルを上げる調整では、体重の分散と同時にスピードアップが望めます。

ペダルに体重が乗るということは、それだけ強く力が加わるということなので、必然と回転力がアップします。

そうなれば同じ距離を走るのにも時間が短縮されますので、身体への負荷も軽減され、お尻の痛みも軽くなるはずです。

また、ママチャリはスピードが出ないと思い込んでいる方も多いので、スピードが上がると同時にテンションが上がります。

実際に筆者の周りにもこの高さで調整をすると、新しい発見に喜ぶ知人が多いです。

ただし、無理をする必要はなく、スピードが上げられるとはいっても、ロードバイク並みになるわけではありません。

ですから、必要以上に高くする必要はありませんし、あくまでも今回はお尻の痛み軽減のためのサドル調整で、スピードはおまけみたいなものですから、くれぐれも無理はしないでください。

最終手段はサドルの交換

ここまでは、ママチャリのサドルの高さを調整して、お尻の痛みを軽減させることを考えてきました。

それでも痛みが消えない場合はサドル自体の問題ということになってきますので、交換するか、別のアイテムで解消することを考えます。

別のアイテムというのは、サドルをクッションのカバーで覆うことで、サドルカバーやサドルクッションと呼ばれるものです。

防水のためにカバーを付けている方は多いと思いますが、そのカバーがクッション変わりになっているということです。

1,000円前後のもので十分に高い効果が得られるので、試す価値はあるかと思います。

そして、最後の手段はサドルの交換ですが、お尻が痛いからといって柔らか過ぎるサドルは逆効果になります。

体が沈み込んでしまうのでパワーロスをして、ペダルを効率よく回せませんので、余計に疲れてしまいます。

また、走行中に窪んでいくので、時間が経つとお尻が中の硬いベースに底付きしてしまうので、お尻が痛くなります。

そのため、ベストなのは硬すぎず柔らかすぎない、座面を指で押した際に軽く跳ね返してくるくらいの弾力があるものです。

【アサヒサイクル:スタンダードサドル】

【BRIDGESTONE(ブリヂストン) :ソフトサドル 】

【Panasonic(パナソニック) :テールアップサドル】

これらのサドルが、硬すぎず柔らか過ぎないという評価を受けているものになります。

なお、ママチャリとスポーツタイプのサドルは取り付け方法が違い互換性がありませんので、必ずママチャリ用のサドルを選んでください。

ママチャリのサドルは無理のない範囲まで上げてみるとよい

今回は、ママチャリでのお尻の痛みとサドルの関係を考えてみました。

自転車でお尻が痛くなるのは、サドルに全体重が掛かっている可能性が高いので、交換を考える前に、サドル高を調整して体重の分散を意識してみましょう。

その際は、無理な高さにするのは危険なだけですので、今回のお話を参考にして頂きペダルを漕ぎやすい位置に設定してください。