皆さんは、ママチャリを改造しようと思ったことはありますか?
故障した部品を交換することはあっても、積極的に改造することは少ないかもしれないですね。
それでもチェーンリングなどは、歯数の多いものに交換するだけで、劇的な変化があると言います。
そこで今回は、ママチャリのカスタマイズを考えてみましょう。
ママチャリのチェーンリングを交換すると?
まず、チェーンリングの交換を考える前に、チェーンリングについて簡単に説明させていただきます。
チェーンリングは、クランクの先に付いている歯車のことで、チェーンが掛かっている部分で、自転車のスピードを司るギアの役割があります。
ママチャリは1枚しか歯車が付いていませんので、フロントギアは固定ということになります。
フロントギアは歯車の数が多いほど、クランクから車輪に伝わる力が強くなり、ペダルを回すときに重くなります。
そのため、車輪が多く回転しますので、スピードが上がります。
一方、後輪にもギアの歯車(スプロケット)が付いています。
ママチャリの後輪は前輪とは反対で、歯数が少ない方が重いギアです。
一般的なママチャリの場合は、後輪もギアは1枚なので、スピードは固定されます。
クランクを1回転させたときに、後輪が何回転するかを示す値をギア比と呼びます。
ギア比は、「フロントギアの歯数÷後輪ギアの歯数」で算出されます。
一般的なママチャリはフロントに32個の歯が付いていて、後輪に14個の歯が付いています。
そのため、32÷14でギア比は2.286と算出され、クランクを1回転すると、後輪が約2.3回転することになります。
この数値を元にして、自転車のスピードを算出することができます。
ママチャリとスポーツ自転車の違い
上記では、少しややこしい説明になってしまったかもしれません。
単純に言えば、チェーンリングを歯車の多いものに交換すれば、現在よりも速く走れるようになるということです。
ちなみに、スポーツ自転車の場合はフロントに2~3枚、後輪に7~11枚のギアが装着されています。
そのため、様々なギア比を生み出すことができるので、細かいスピードのコントロールが可能になっています。
そもそもスポーツ自転車は、速く走ることを大前提にしているので、いかに性能をストレートに引き出すかが勝負です。
そのため、走りに関係のないカゴや泥除けなどは、一切排除しているので、利便性は二の次です。
一方、ママチャリは人や物を、歩きよりも速く遠くへ運ぶものです。
そのため、何より重視されるのは利便性です。
荷物を運ぶのにカゴがなかったら…
泥だらけの道を泥除けなしで走ったら…
言わずもがなですよね。
同じ自転車でありながら、これだけコンセプトが違うので、当然、構造も違ってくるというわけです。
しかし、同じ自転車なんだから、ママチャリに少しスポーツライクな部分を味付けしても良いというのが、今回の趣旨です。
ママチャリのチェーンリング交換の前にサドルを調整してみる
ママチャリのチェーンリングを交換するのが、スピードアップに繋がることは説明しました。
実際に交換してみることもおすすめしたいですが、その前に、今すぐできるママチャリのスピードアップ方法をご紹介します。
自転車のスピードを上げるには、まず、空気抵抗を減らすことが必要になります。
自転車に乗っているときに空気抵抗を受けるのは、90%近くが運転している人と言われています。
そのために、ロードバイクなどは、なるべく前傾姿勢をとって、空気抵抗を減らすようにできています。
ママチャリで前傾姿勢をとるようにするには、ハンドルとサドルの位置で調整します。
ハンドル側から見て、サドルを「高く遠く」すれば、自ずから乗車姿勢は前傾になります。
さらにサドルを高くすると、ペダルに体重を乗せるようにして漕ぐことになるので、力が込めやすくなります。
サドルの高さは、座ったときに、つま先がギリギリ地面に着くくらいが良いでしょう。
最初は少し怖いかもしれませんが、慣れてくれば何てことはありません。
ママチャリはタイヤに空気を入れるとスピードが上がる
引き続き、チェーンリングを交換する前にできる、ママチャリのスピ―ドアップ術をご紹介していきます。
速度を上げるには、タイヤと地面との摩擦を減らすことも、重要な要素のひとつです。
専門用語では「転がり抵抗」と言いますが、地面との摩擦を減らすには、タイヤが設置する面をできるだけ少なくしてあげれば良いです。
スポーツ自転車なら、単純にタイヤ幅を細いものに交換する手がありますが、ママチャリはそれほど効果が望めません。
また、タイヤはどうしても走行中に変形するので、接地面がつぶれて広くなってしまいます。
そこで、グリップが強くなって、結果速度が上がらなくなります。
そのため、なるべく変形しないようにしたいわけですが、それにはタイヤの空気圧を高めるのが、最も良い方法です。
ママチャリのタイヤは、構造上の問題で、何もしなくても空気が抜けやすくなっています。
ですから、空気が抜けた状態で走っている人が、多いのもある意味仕方がありません。
しかし、せっかくですから、これを機に空気圧を気に留めるようにしましょう。
ママチャリのバルブは空気圧が機械で測れないので、触った感覚で判断します。
親指で側面を押したときに、指が沈まずに押し返してくるような感覚があればOKです。
あまりパンパンにすると、クッション性がなくなって、乗り心地が悪くなりますので、ほどほどにしましょう。
チェーンリング交換をするとスピードがこう変わる!
お待たせいたしました、ママチャリのチェーンリングの交換について考えていきましょう。
ママチャリは見た目にはシングルスピードですが、大半は内装式の変速機が付いています。
ただ、チェーンリング交換の意味は同じですので、複雑にならないように、この記事では内装変速機がないものとして進めさせていただきます。
先述したように、ママチャリのチェーンリングの歯数は、34枚(T)が一般的です。
交換には、スポーツ自転車の大きい(アウター)方のギアの歯数を目安にします。
ロードバイクは50~53T、クロスバイクは48~50Tが一般的です。
大きいものに交換すればスピードは上がりますが、その分ペダルを漕ぐのに強い力が要ります。
特に、漕ぎ出しや坂の上りでは相当力を擁しますので、そういったことが多い街乗りでは、ギア比を上げ過ぎるのは致命傷になります。
交換したインプレをいくつか確認しましたが、60Tにしている猛者などもいました。
それはあまりりにも極端ですので、おすすめは46~50Tくらいです。
これでもギア比が1上がりますから、計算上では時速5~8キロアップします。
チェーンリング交換時の注意点
あとは、実際にチェーンリングの交換を行う際の注意点をお話しておきます。
チェーンリングはクランクから脱着できるものですが、まれにクランクに溶接されて、一体化しているものがあります。
その場合は、クランクごと交換になります。
ママチャリはクランクの軸長が165mmで、ほぼ統一されています。
クランクが長いと漕ぎ出しにパワーを擁するので、ストップ&ゴーの多い街中で乗ることを想定されているママチャリは、短めの165mmが採用されています。
ですので、裏を返せばクランク軸を長くすれば、それだけパワーが加わるようになるということです。
個人的にはママチャリは漕ぎやすさ優先なので、165mmで良いと思っていますが、長くする意味を覚えておいて損はないです。
あとは、歯数を増やすとチェーンリングが大きくなるので、場合によっては、フレームに当たってしまう可能性があります。
心配なら、自転車屋さんに相談してみてください。
ママチャリだってカスタムして良いんだ!
今回はママチャリのスピードアップを目的に、チェーンリングの交換やすぐに実践できることもご紹介しました。
何事もそうですが、改造というと肩に力が入って、意気込んでやるようなイメージがあると思います。
しかし、サドルの位置を変えることや、空気を正常な圧まで入れることは、何の意気込みもいりませんので、まずやってみてください。
そして、チェーンリングの交換も考えてみてください。