自転車の盗難事件は毎年数十万件起きているそうです。
愛用の自転車が盗難に遭ったら……なんて、あまり想像したくありませんが、現実的に起こり得る問題です。
今回はそんな不幸な出来事に遭わないための防犯対策を確認すると共に、もし盗難されてしまったらどうすればいいのか、届け出るのは警察署か、それとも交番でいいのか、また必要となってくる物は何なのか、という疑問を解消するべくお話をしていきましょう。
駐輪した自転車が無い!原因はいくつか考えられる
駐輪して、用事を済ませて戻ってきたら自転車が無い!
こんなとき、あるべきはずのものが無いので、かなり動揺するかと思います。
しかし、まずはいったん落ち着いて周囲を探してみましょう。
自転車が見つからない原因には、いくつかのケースが考えられます。
自転車が誰かの邪魔になっていた場合、一時的に移動されたのかもしれません。
もしくは駐輪禁止の場所に停めてしまっていた場合、道路の管理団体などに撤去されてしまった可能性があります。
この場合は、自治体により対応が違いますが、後ほど自宅に連絡が来ることが多いです。
しかし、駐輪禁止では無い場所で、しかも必死に探しても見つからない場合……。
このような場合は、残念ながら盗難の恐れが出てきます。
落ち込まずにはいられないとは思いますが、ここは最寄りの交番や駐在所、または警察署に行って、盗難届を出すようにしましょう。
自転車が盗難に遭ったら、警察署や交番に盗難届を出しに行こう
自転車が盗難に遭った場合、なぜ盗難届を出しに行くのが良いのでしょうか。
理由はいくつかあります。
1つ目は、自転車が発見された場合に、所有者に連絡が行くようにするためです。
2つ目は、盗難された自転車が有料の駐輪場に放置されていた、などの場合に、駐輪費用を免除されることが多くなるからです。
もし、盗難届を出していなかったら、被害の証明ができないために、駐輪費用を支払わなければならなくなってきます。
3つ目は、自転車の保険の請求に必要だからです。
保険のタイプにより補償の内容は違いますが、盗難を補償する保険に入っておくと、自転車が盗難された証明ができれば、新しい自転車を購入するためのお金が支払われたりします。
その証明が、盗難届を提出した後に受け取ることができる、受理書になります。
以上のように、被害の回復に必要なため、盗難届は出す必要があります。
ちなみに、筆者は学生時代に2回、自転車の盗難に遭ったことがあるのですが、どちらも親と一緒に、最寄りの警察署へ盗難届を出しに行きました。
1台は最後まで見つかることはありませんでしたが、もう1台は盗難から数ヶ月後に、田んぼの中に放置されているのが発見されました。
その際、盗難を全額補償する保険に入っていたので、新品の自転車を買うことができたのです。
そのため、発見された自転車に乗ることはありませんでした。
しかし、実際に見つかることもあるということは、感じました。
警察署に自転車の盗難を届け出る時、必要となる物
さて、これから警察署や交番に、自転車が盗難に遭ったことを届け出ますが、まず警察に電話をして、盗難被害に遭った旨を伝えましょう。
すると警察へ出向いて、盗難届を出して欲しいと言われると思います。
その際に必要となってくるものがありますので、よく聞いておきましょう。
具体的には、以下のものになります。
・防犯登録の番号、または自転車の車体番号
・印鑑(拇印も可)
防犯登録を行った時の控えや保証書があると、スムーズにやり取りが行えますので、自転車を購入した時はしっかり保管しておきましょう。
もし、紛失した場合は、自転車を購入したお店から車体番号を聞き出し、警察に持っていきましょう。
警察官との実際のやり取りでは、被害に遭った時の状況を細かく聞かれます。
駐輪した場所や日時、自転車のメーカーや色、形などの特徴です。
忘れないようによく覚えておきましょう。
盗難届を提出したら、盗難届の控えはもらえません。
その代わりに受理書をもらうことができます。
この受理書が自転車保険の補償に必要となってくるので、大切に保管しましょう。
警察署に届け出たらどうなるの?
盗難届を出したからといって、警察が積極的に盗難車を探してくれるわけではありません。
あくまで盗難被害に遭った車両である、という情報だけが都道府県の警察のデータベースで管理されます。
放置されていた自転車が撤去されるケースとしては、調べてみたら盗難車両だった、怪しい人物に職務質問してみたら、乗っていた自転車が盗難車両だった……などケースはいくつかあります。
これら何らかの経緯で自転車が見つかった際、データベースから車両を割り出すために、盗難届を出す必要があるのです。
ただ、盗難された自転車を自分で発見した場合は、必ず発見したことをこちらから警察署へ連絡するようにしましょう。
盗難届を取り下げることができます。
連絡せずに乗っている場合、自分の自転車であっても、盗難届が出されている車両に乗っていることには変わりありません。
そのため、警察に職務質問を受けた場合、疑いの目を向けられてしまうことがあります。
そうなると嫌な思いをすることになるでしょう。
自転車を買ったら、防犯登録をしておこう!
自転車の防犯登録は購入者の義務ではありますが、登録をしなかったからといって、罰則はありません。
しかしながら、盗難届の提出の際に控えがあると便利であったり、自治体に撤去されたときに必要になってきます。
そのため、防犯登録は行っておくに越したことはありません。
なお、防犯登録は警察署や交番では行っていないため、自転車を購入したお店で登録してもらうのが基本となります。
ネットや通信販売で購入した場合も、自転車店やホームセンターなどで登録してもらえますが、他店購入の、いわゆる持ち込みでの防犯登録は断られることもあります。
地域の防犯登録協会に連絡して、防犯登録をしてくれるお店を紹介してもらいましょう。
また、防犯登録は都道府県ごとに管理しているため、居住地以外の都道府県で行うと放置自転車として撤去された際に連絡が来ない場合があります。
面倒なことにならないように、居住地で登録しておきましょう。
自転車が盗難に遭わないように、しっかり防犯意識を持とう!
これまでお話した通り、自転車が盗難された際は、警察署などに届け出る必要があります。
ですが、大切な自転車を盗まれたらと思うと、気が気ではありませんよね!
そこで、そもそも自転車が盗まれないように、各個人が防犯意識を持つことが重要になってきます。
自宅では、屋内に保管できれば一番良いのですが、都市部や賃貸暮らしの方ではそうもいかないのが現状です。
駐輪場に停めていても、盗難されることは良くあることですので、盗難されないために、ワイヤー錠やU字ロック、多関節ロックなどでしっかり施錠しましょう。
警察庁が推奨していますが、鍵を2種類使用して、2重にロックをかけると盗難される確率が大幅に下がると言われています。
盗難される確率が下がる理由としては、盗難に時間がかかってくることと、他の簡単に盗難できないと思わせることができる、などが主な理由となります。
しかし、クロスバイクやロードバイクは軽量なため、持ち上げて車に乗せるだけで簡単に盗難ができてしまいます。
特にロードバイクは高価で目立つものですので、ただ施錠しただけでは持って行ってくれと言っているようなものです。
安心して駐輪するには、柱や樹木など重くて破壊できないものにくくりつける、いわゆる地球ロックをすると、盗難のリスクを大幅に減らすことができます。
盗難対策をしっかりしよう!もし盗難されても手続きを怠らないように!
今回は、自転車の盗難された場合の対応と、その予防にスポットをあててみました。
ネガティブな話題ですので気分が重くなりますが、自転車に乗る上で必ずついて回ってくる問題ですので、改めてお話をさせていただきました。
自転車は常に盗難のリスクに晒されています。盗難されないように心がけるのが一番ですが、もし盗難された場合の手続きも、自分のためにしっかりと覚えておきましょう。