ロードバイクに乗り始めたばかりのころは、お尻が痛くなるのはよくあることです。
お尻の痛みには色々な原因がありますが、そんな時、自転車のサドルに注目することで、痛みを和らげることができるかもしれません。
日々のライドをより快適にするために、自転車のサドルの交換方法と、調整の仕方をご紹介します!
自転車に乗ってお尻が痛い!その原因とは
お尻が痛くなる原因はいくつか考えられます。
・前傾姿勢をとることによる荷重の集中
クロスバイクやロードバイクは、スピードを出すために前傾姿勢をとることになります。
そのため、ママチャリなどと違って、ハンドルやサドル部分へ体重が集中し、うっ血して痛みが出てきます。
・皮膚がこすれて痛い
汚い話になりますが、お尻をよく拭かずに自転車に乗っていると、残った雑菌が股間の蒸れによって繁殖します。
そのため、蒸れにより皮膚がふやけて弱くなり、雑菌が入り込んでかぶれて、自転車を漕ぐことでその部分がこすれて、結果的に痛みが出てきます。
皮膚がこすれて痛くなるのは、お尻を清潔にすることと、摩擦を防止するワセリンを塗ることで、ある程度防ぐことができます。
荷重の集中で痛みが出てきた場合、自転車の乗車姿勢が悪かったり、そもそもパーツとの相性が悪い場合があります。
今回は、パーツとの相性が悪い場合として、サドルまわりの調整と交換方法をご紹介します。
自転車のサドルの交換方法
さて、サドルの交換方法について詳しく見ていきましょう。
用意する工具は、六角レンチだけです。
サドルのメーカーにより違いはありますが、5ミリか、6ミリのボルトを使用しているところが多いです。
また、サドルを固定しているボルトが1本か、2本かの違いもあります。
サドルによっては、使用しているシートポストに合わない形状のものもあり、交換方法が違ってきますので、購入する前にお店の人に相談してみましょう。
今回は、ボルトが1本で留められているサドルについて、ご説明していきます。
サドルというのは、自転車に乗る際に腰掛けるサドル部と、その下のシートポスト(シートピラー)という柱の部分に分かれます。
サドル交換というと、サドル部だけの交換のことを言いますので、そこを解説していきます。
まず、サドルを下から覗き込んでみてください。
サドルの底の部分に2本のレールが通っていて、そこを挟み込むように「やぐら」という部品があります。
やぐらのボルトを緩めて、やぐらの上半分を回すと、サドルを外すことができます。
新しいサドルを用意して、レールをやぐらに沿わせて、ボルトを締めるとサドル交換は完了です。
交換方法を学んだ後はサドル調整!ベストポジションを見つける
サドルの交換方法を学んでも、すぐに快適なライドができるわけではありません。
まずは、サドルの高さや、前後の位置調整をする必要があります。
サドルの高さを変えたい場合は、シートポストの根元にあるシートクランプという、輪のような形をしたパーツのネジを緩めて、シートポストの高さを調節しましょう。
サドルを低くすると、ママチャリのように体が起きた楽な姿勢になって、少し楽になります。
反対に、高くすると、前傾姿勢が強まって、ペダルに力をかけやすくなります。
しかし、膝が伸び、痛めてしまう恐れもあります。
サドルの前後の位置調整をする場合は、シートポストの上端のボルトを緩めてから、前後に動かしましょう。
サドルを前に持っていくと、身体を縮めて漕ぐことができるので、筋力を発揮しやすく、ヒルクライムやスプリントをしやすくなります。
後ろに持っていくと、直進安定性が高まり、なおかつ、脚の重さを使ってぺダリングできるので、楽に漕ぐことができます。
角度も変えられますが、地面と平行にするのが一般的です。
人により身体の大きさが違いますので、適切なポジションというのは人それぞれです。
色々と試してみて、最適なポジションを見つけましょう。
また、スポーツ自転車を扱うお店の中には、その人の身体に合った、最適なポジションを見つけてくれるサービスをしているところもあります。
そして、サドルの前部が当たって痛い方は、前傾姿勢を取り過ぎていることが考えられます。
サドルを低くしたり、ハンドルを高くして、アップライトなポジションを取れるようにしましょう。
また、サドルの後部が当たって痛い人は、サドルの形状が合っていないかもしれません。
幅広なものや、お尻の形状に合わせて、溝が掘ってあるものもありますので、お店で探してみましょう。
ちなみに、痛みを和らげるためのグッズも様々なものがあります。
パッド入りのレーサーパンツや、クッション性の高いサドルカバーなどが代表的なものです。
パーツを交換する前に、こういった細かい調整を行い、日々のライドでベストのポジションを確認することが、身体の痛みを解決するポイントかもしれません。
自転車のサドルは種類が豊富!
自転車のサドルと言っても、色々な物があります。
レース用の軽量な物は、カーボン製で数十グラムに抑えているものもありますが、乗り心地は度外視していることがほとんどです。
ママチャリは、ふかふかのクッションが入っていて乗り心地を重視したものが多いですが、重量は重いです。
また、ロングライド用にクッション性を高めたものは、軽量で、しかも、乗り心地を追及しています。
他には、牛革を使ったクラシックなサドルもあり、使えば使うほど味が出てくる素敵なサドルもあります。
このように、サドルひとつ取っても幅広い用途がありますので、お店に行って自分の目的に合ったサドルを探してみるのも、ロードバイクの醍醐味かもしれません。
次では、サドルではない、覚えておくことをおすすめするパーツをご紹介します。
サドルだけでなく、他のパーツの交換方法も知っておこう
サドルは自転車のパーツの中でも比較的、交換しやすいパーツです。
しかし、変速機は機構が複雑で、整備や交換も難しいものが多いので、初心者が触るのはおすすめできません。
ですが、タイヤ・チューブ・ブレーキシューは、自転車のパーツの中でも消耗しやすく、また、交換方法も習得しやすいので覚えてみると良いと思います。
特に、タイヤとチューブの交換は、パンク修理にも必要なスキルですので、覚えておいて損はありません。
パーツの交換方法を覚えておくと、整備や清掃がしやすいですし、自転車に乗るのがますます楽しくなりますよ。
良い姿勢で快適に自転車に乗ろう!乗車姿勢の基本
ある程度自転車の事に詳しい方は、パーツの交換方法を知っていても、乗車姿勢が悪いことが多いです。
ロードバイクは、全身で乗る乗り物だと言われていて、上級者はハンドル・サドル・ペダルの三点にうまく力を分散させることができます。
乗り慣れていない人は、ハンドルやサドルに体重を預けすぎる傾向があります。
その結果、お尻や腕が痛くなり、長い距離を走ることが苦痛に感じてしまいます。
以下に、初心者向けの、長い距離を走るための「リラックスした姿勢」を例に挙げます。
ハンドルを握る手は、ギュッと握るのではなく、ハンドルに沿えるように置きます。
肘は突っ張り過ぎていると、地面からの衝撃をまともに食らってしまうので、サスペンションのように、衝撃を吸収するようなイメージを描き、適度に曲げてみましょう。
上半身に力を入れすぎると、首や肩が凝ってきます。
また、顎は引き、上目づかいで前を見ましょう。
顎を突き出すようにすると、首が痛くなってしまいます。
背中はやや丸まった姿勢だと、上半身全体がリラックスしやすいです。
初めのうちは、この姿勢が辛いですが、徐々に慣れてきます。
サドルの部分には、前のりになりすぎず、かと言って、後ろのお尻の部分にも体重がかかり過ぎないようにしましょう。
そして、ペダルの踏み方も重要です。
親指の付け根の母指球と呼ばれる、盛り上がった場所に力がかかるように踏むと、ペダルに効率よく力がかかります。
正しい姿勢を身につけて、より快適に長い距離を走れるようにしましょう。
ちょっとした違いが、日々のライドを快適にする
いかがでしたでしょうか。
パーツの交換というと、難しそうで少しためらってしまうかもしれませんが、サドルの交換はとても簡単で、しかも効果を実感しやすい場所です。
少しでも自分の自転車のことを知っておくと、日々のライドが快適になって、しかも、愛着が湧いてきます。
小さなことから学んでいって、日々のライドを快適にしましょう!