ロードバイク乗りなら誰もが憧れるイタリアの名門メーカー、それがコルナゴです。
clxはそのコルナゴの中でもミッドレンジに位置する車種です。
革新のカーボンモノコックフレームにシマノのコンポーネントが組み込まれた本格的なロードバイクで、レースや上級車にで培った技術が惜しげもなく投入されています。
今回はインプレ記事でも騒がれているコルナゴ clxの魅力について解説していきます。
専門誌のインプレでも高い評価のコルナゴ
ロードバイク乗りの憧れ、イタリアのレーシングバイクブランドと言えば、やはりコルナゴでしょう。
創業者のエルネスト・コルナゴは有名なフレームビルダーです。
そのエディ・メルクスが49.432kmのアワーレコードを樹立した際に使用した自転車を制作するなど、レースでの経験に支えられた高い技術力が特徴の自転車メーカーです。
伝統的なブランドでありながら、最新の技術を常に導入し、革新的なモデルを生み出し続けているところは、同じくイタリアのスポーツカーメーカーのフェラーリと通じるものがあります。
実際にコルナゴとフェラーリがコラボレーションしたモデルも発売されているほどです。
clxは、そのコルナゴの中でもミドルレンジに位置し、比較的身近な存在ではないでしょうか。
各専門誌などのインプレでも非常に評価の高い一台となっています。
コルナゴ clxはv1-rのディフュージョンライン
コルナゴにはclxよりも上級の本格的なレーシングバイクとして「v1-r」というモデルがラインナップされています。
このv1-rはあのイタリアの名車、フェラーリとコラボレーションしたモデルとしても有名で、ロードバイク乗りが一度は乗ってみたいと憧れるバイクです。
極限までそぎ落とされた高剛性・超軽量フレームは、各インプレでも「異次元の走り」と評判です。
もちろんその性能に合わせて、値段の方もそうそう手が出せないレベルになっています。
そこでコルナゴでは、このv1-rの軽さや高い剛性といった乗り味を、よりリーズナブルな価格で提供することを目標に開発を行いました。
それが今回ご紹介するコルナゴ clxです。
言わばv1-rのディフュージョンラインというべき存在となっています。
普段の週末はロングツーリングに、時には本格的なレースに出場、といったオールマイティな使い方ができる一台となっています。
そして、普及版といっても、やはりそこはコルナゴです。
なめらかに横にひろがるラインが美しいシートステーなど、流行に左右されない普遍的な優美さも兼ね備えています。
他メーカーのハイエンドモデルと並んでも決して見劣りすることはないでしょう。
clxはv1-r譲りのカーボンモノコックを採用
専門誌のインプレでコルナゴ clx最大の売りとして挙げられているのが、v1-rと同じジオメトリーを採用したカーボンモノコックフレームです。
従来のclxでは、弓型の独特なスロープを持つトップチューブを採用していました。
これはこれで優美なデザインではあったのですが、どちらかと言えばコンフォートなロングツーリングバイクといったイメージでした。
それが日本国内での2016年販売モデルからは、v1-rとよく似たレーシーなデザインのフレームに生まれ変わります。
フレームには、「DESIGNED BY ITALY」と書かれています。
実は、この特徴的なフレームはイタリアでデザインされたものですが、製造については台湾で行われています。
そこで、純イタリア製ではなく台湾製ということでがっかりされる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ジャイアントの自転車を見ればわかるとおり、今や台湾は最先端の自動車生産国です。
コルナゴが設計した先進的なフレームデザインを、最新の技術で実現したものと考えるべきでしょう。
コルナゴがこのフレームに絶対の自信を持っていることは、創業者エルンスト・コルナゴのサインが誇らしげにフレームに描かれていることからも明らかです。
もちろんこのフレームは、UCI(国際自転車競技連合)の承認も取得しているので、UCIワールドツアーのレースでも使用可能です。
コルナゴ clxとv1-rはどこが違う?
一見すると同じように見えるコルナゴvr-1とclxのカーボンモノコックフレームですが、clxのフレームには性能を落とさずに価格を抑えるための工夫が随所に見られます。
まず、vr-1の特徴だったダイレクトマウントのブレーキは、clxでは一般的なキャリパー式に改められています。
確かにダイレクトマウントは空力面での有利さはあり、見た目のインパクトは大きいですが、制動力そのものには特に差はありません。
インプレをチェックした範囲では、特にブレーキの性能に関する指摘も見当たりませんでした。
また、シートポスト径もclxでは一般的な27.2㎜の汎用タイプが採用されていますが、性能の低下につながるほどのものではありません。
ブレーキにしてもシートポストにしても、汎用品が使用可能となってパーツ選択の幅が広がることを考えれば必ずしもデメリットとはならず、むしろメリットに感じる方も少なくないのではないでしょうか。
v1-rは完成車としては驚異の車重6㎏台を実現していましたが、さすがにclxではそこまでではなく、車重は7.9㎏となっています。
とは言え、絶対的に軽量なバイクであることは間違いありません。
こういった細かな違いがある一方、BB(ボトムブラケットシステム)はv1-rに使用されているものと同じ大口径のThread Fit 82.5が採用されています。
ペダリングでの剛性感、走り味に直結するBBがv1-rと同じなのはうれしいですね。
インプレでディテールをチェック
実際の走りをインプレの前にコルナゴ clxのカーボンモノコックフレーム以外のディテールについてもチェックしておきましょう。
clxでは、カーボンモノコックフレームの構造を活かして、ワイヤー類はすべて内装されており、スタイリッシュな外観を実現するのに一役買っています。
しかし、ワイヤー類を内装すると、見た目のすっきり感が裏腹となり、交換の際に非常に面倒になるバイクも残念ながら存在します。
平均的なロードバイク乗りの方であれば、そうそうワイヤー類を交換することはないでしょうが、いったん交換するとなるとやはり面倒に感じてしまうことでしょう。
しかし、面倒だからと交換しないでいると、それが大きなトラブルになることもあり得ます。
そこで、clxをチェックすると、BBの裏側にディレイラー用のワイヤー出口が設けられています。
この出口部分、目立たない位置にありますが、大きさ自体は十分なので、実際に作業する上では問題になることはないでしょう。
clxは、交換も比較的しやすいということですね。
そして、コンポーネントにはシマノのアルテグラ、ホイールはフルクラムレーシングの5LCが採用されています。
コルナゴ clxの走りをインプレでチェック!
それではインプレをした声を基にコルナゴ clxの実際の乗り味をチェックしていきましょう。
まず、サドルにまたがってみると、最初に目につくのがヘッドチューブとフォークの間にある、アルミの受けが入っていることです。
他のカーボンフレームを採用したバイクの場合、カーボンの上に直接ベアリングを乗せることが多く、これはこれで軽量化という点ではメリットがあります。
コルナゴでは、多少重量が増加することよりも、カーボンフレームの耐久性を向上させるためにメリットがあると判断して、こういった設計を取り入れているのでしょう。
そして、ヘッド周りの剛性感が高いことにも寄与していると考えられます。
車体回りの剛性感は十分以上、ペダルを踏み込んでいくと絹のようになめらかに加速していきます。
v1-rのインプレでも同様の意見がみられたことから、コルナゴのカーボンモノコックフレーム共通の特徴なのかもしれません。
シマノのアルテグラは、この車体にはジャストフィットです。
しかし、セットされたフルクラムレーシングの5LCは、少し役不足という声がありました。
clxを購入してから、少し物足らないと感じたら、まずはホイールをグレードアップすることから始めてみてはいかがでしょうか。
そして、高剛性なカーボンモノコックフレームの効果を実感するのは、やはりダウンヒルです。
スピードを上げても十分な安定感があり、ジオメトリーの適切さも相まって速いターンインでも車体はしっかり反応していきます。
この乗り味を一度でも体験すれば、なかなか手放せなくなりそうです。
意外にお買い得?イタリアの名品コルナゴ clx
コルナゴ clx、ロードバイクのフェラーリと呼ばれる憧れのブランドだけあって、全体的に高級感が漂う仕上がりがさすがです。
もちろん見かけだけではなく、レースにも使用できるような実力も伴っていることは言うまでもないでしょう。
この性能をフルに発揮できればホビーレースで上位をゲットするのも夢ではないかもしれません。
clxアルテグラ使用の完成車で450,000円(税抜)ともちろん高価ですが、v1-r直系の走りの良さがv1-rのフレームのみの価格で購入できると考えればお買い得かもしれませんね。
レスポンスの良さと長距離ライドでも疲れない快適性、なめらかな加速で一度サドルにまたがってペダルを回し始めたら最後、いつまでもバイクから降りたくなくなってしまうかもしれません。