フロントフォークはサビがつきやすい!落とし方教えます

大事に乗っている自転車でも、ふと気付くとサビが浮いていたりすること、ありませんか?

自転車は、例えカーボンのフレームであっても、どこかに必ず金属が使われているので、サビは付きものと言っても良いでしょう。

特にフロントフォークはサビが目立つ場所なので、注意しておかなければいけません。

そこで今回はサビの落とし方や、防止策をご紹介したいと思います。

フロントフォークのサビは怖い!

まずフロントフォークですが、ハンドルと前輪を繋ぐためのパーツであり、ロードバイクなどのスポーツ自転車では、フレームの一部とみなされることが多いです。

人間の体に例えると分かりやすく、脚の部分に当たるブレードを前輪中央のハブに取り付け、胴体の部分に当たるステアリングコラムをヘッドチューブに通して、上端をステムというハンドルを支持するパーツで固定します。

アルミやカーボンが使われますが、ブレード部分だけがカーボンで、コラムがアルミというものもあります。

フルカーボンであればサビの心配はありませんが、アルミの場合、ブレード部分はむき出しです。
コラムもヘッドチューブで覆われているとはいえ、密閉されているわけではないので、アルミならサビます。

また、MTBなどのサスペンションフォークはインナーチューブがむき出しなので、特にサビてしまうことが多いです。

フロントフォークは自転車のかじ取り役ですから、もしサビてボロボロに腐食でもしていたら、走行中にポキッと折れてしまうことも考えられます。

そうなれば、コントロールを失い、落車は確実ですから、危険極まりありません。

もちろん、フロントフォークだけに限りませんが、サビは放っておいてはいけません。

フロントフォークにサビを付けない方法

スポーツ自転車のフロントフォークの素材は基本、フレームと同じです。

その中で、まずカーボンは金属ではないので、サビとは無関係です。

クロモリやアルミは金属なのでサビますが、フレームもフォークも、そのために表面に塗装がしてあります。

しかし、塗装ですから当然、剥げることもあります。
また、傷が付けば、そこから水分が侵入して、金属に達せばサビてしまいます。

そのため、少しでも傷が付いたら、タッチアップペンなどで、すぐに補修してください。

タッチアップペンは基本的には自動車用ですが、もちろん自転車にも使えます。

色を合わせるのが難しいかもしれませんが、大切な自転車がサビてしまうことを考えれば、苦じゃないですよね。

また、塗装を上から覆うコーティング剤がありますし、小まめにワックスなどを塗っても良いです。

あとは、水分が付いたら、なるべく早くふき取る習慣を付けて、いつもきれいに磨き上げておくことが大切です。

フロントフォークのサビを落とす方法

ここまでは、フロントフォークにサビが付かないための対策でしたが、ここからは、付いてしまったサビを落とすことを考えていきましょう。

とにかく、放っておいてはいけないので、細かなサビでも見逃さずに、除去するようにしましょう。

簡単なのはサビ取り剤で、ホームセンターで安価に手に入りますので、1本持っておけば自転車以外にも使えますから便利です。

サビは単純に考えれば、削るか溶かすかすれば良いはずなので、ポツポツと斑点状にできた細かいサビくらいは、紙やすりで削れば除去できます。

しかし、びっしりとついてしまったサビには、紙やすりで削るくらいではどうしようもないです。

また、工具を使って思いっきり削っている人もいるようですが、その工具を買うなら、フォークの交換をしたほうが安上がりかもしれません。

色々と調べてみましたが、頑固なサビによく効くのは、トイレの掃除に使う酸性洗剤です。
よく見るサンポールってやつですね。

これをウエスやキッチンペーパーに染み込ませて、フォークに巻き付ければ、ばっちりサビが落ちます。

なお、手に付いたり目に入ったりすると危険ですので、作業時は手袋と防護メガネを着用することをおすすめします。

フロントフォークを分解してサビを確認

冒頭でもお話しましたが、フロントフォークのサビや腐食は、思わぬ大事故を招きかねませんから、放置してはダメと言ってきました。

特にMTBのサスペンションフォークは、塗装をしていないインナーチューブの部分がむき出しですので、どうしてもサビが付きますから、注意してください。

しかし、長年放置したサビは、上記のようなサビ取り剤や酸性洗剤でも落ちない可能性があります。

そもそも外から見えている部分は分かりますが、ステアリングコラムはトップチューブに隠れているので、サビているかどうかも分かりません。

そこで、この文章をせっかく読んでいただいているのであれば、一度、フォークを分解して中を見てみましょう。

次項で説明しますが、潤滑油(グリス)を塗るなどのメンテナンスが、定期的に必要な部分ですので、サビがなかったとしても分解は無意味ではありません。

フロントフォークを分解する

フロントフォークの分解は、まず、ステアリングコラムを支持しているステムを外すことから始めます。

手順は割愛しますが、六角レンチ1本で外すことができます。

ステムを外したら自転車から前輪を外し、フォークを下に引けば、コラムがチューブから抜けます。
このとき、コラムがサビ付いていれば、先述した方法でサビ取りを行います。

MTBのサスペンションフォークの場合は、中のスプリングもサビていたりするので、さらにサスの部分も分解してみた方が良いです。

また、フォークにはベアリングと言って、ハンドルの回転に大きな影響を与えるパーツが付いています。
せっかく分解したので、ベアリングの清掃とグリスアップも行ってしまいましょう。

グリスは、粘着力のあるものを使用します。

チェーンオイルのようなサラサラしたものだと、すぐに流れ落ちてしまうので、ベアリング部分にはグリスを使用してください。

しかし、あまりにもサビが酷く、除去できない状況もあり得ます。
そうなっていたら、フォークの交換をしましょう。

フォークは驚くほど高価なものではありませんし、安全を買うと思えば、なおさら高くはないと思います。

フロントフォークの交換方法

フロントフォークのサビ付きが酷かったら、交換に踏みきりましょう。

フロントフォークは先述したように、フルカーボン、ブレードだけカーボン、フルアルミ・フルクロモリなどがあります。

サビ付かないという点だけで交換するなら、フルカーボンです。

また、フォークは前輪が地面から拾う振動をハンドルに伝えるので、カーボンのように衝撃吸収に優れた素材を使うと、乗り心地は良くなります。

ただ、金属に比べるとやや剛性が低いので、ハンドリングがフワフワした感じになります。
アルミやクロモリはサビは避けられませんし、衝撃吸収ではカーボンには敵いません。

しかし、プロのライダーでもカーボンの低剛性を嫌い、フォークだけアルミにしている人がいるくらいですから、これは個人の好みの問題になってきます。

個人的にはブレードがカーボン製で、コラムがアルミという組み合わせが、バランス的に良いと思います。

交換にあたっては、事前に行うことがいくつかあります。

まず、新品のフォークはコラムが長いままなので、適当な長さに切らなくてはなりません。

また、下球押しという部品をフォークの根元に取り付けるのすが、これが手で簡単に入るようなものではなく、工具を使い、ゴム槌や木槌で叩いて圧入しなければいけません。

ほかにも、コラムのチューブの中に、内側から固定するためのナットを圧入させなければなりません。

これを全て自力でやると、手間も工具代もそれなりに掛かりますので、ショップに頼んでしまうのが賢明です。

トータル2,000~3,000円でやってもらえると思います。

サビは小まめに除去するのが重要

今回は自転車のサビについてお話しましたが、金属部分に多少のサビは避けられないので、手遅れにならないように、小まめに除去するのが大切です。

また、フロントフォークは折れたら、それこそ一大事ですから、定期的に分解・清掃・グリスアップを心掛けてください。