皆さんは、ロードバイクやピストバイクに付いているクランクの国産ブランドといえばどのブランドを思い浮かべるでしょうか。
多くの方はシマノ社を思い浮かべる事と思います。
確かにシマノのパーツは、国産ブランドのシェアは群を抜いています。
しかし、国産のクランクには、シェアNo1のシマノの他に「スギノ」というブランドがあるのをご存知でしょうか。
競輪選手やトラック競技をしている選手、ピストバイクユーザーの方々にはスギノのクランクにこだわりを持って使用している方も多いのです。
今回は、この「スギノ」についての評判なども交えてお話ししていきます。
スギノ社とはどんなクランクのブランドなのだろうか
まずはスギノ社について、簡単にご紹介していきます。
主に、ユーザーの方々は「スギノ」と呼んでいますが、本当の社名は「株式会社スギノエンジニアリング」という社名です。
基本的に、スギノのパーツには「Sugino」という表記でブランド名やロゴが入っている物がほとんどです。
本社は奈良県にあり、100年以上自転車パーツを作っているブランドとなっています。
自社のブランド以外にも、有名ブランドの完成車のOEMパーツの製造も行っており、駆動系のパーツは評判も良く世界中で使用されています。
有名な大会、ツールドフランスや世界選手権、オリンピックなどに出場している選手の中にも好んでスギノのパーツを使用し、勝利を収めている選手もいるのです。
本格的なトラック競技用のクランクの製造には定評があり、トラック用クランクでは、シマノに負けないぐらいのシェアを誇っています。
近年では、街乗りピストバイクブームに合わせた商品をリリースしたり、シマノ社のホローテック2に相当するシャフト一体型クランクのリリースなども行っており、ラインナップも豊富になってきているようです。
さて、トラック用では多くのシェアを誇るスギノのクランクは他にどんな自転車に使用され、どんな製品があるのでしょうか。
スギノのクランクはどんな自転車に使われているのだろうか。
先程はスギノ社についてお話ししましたが、実際にはスギノのクランクはどのような自転車に使われているのか見ていきましょう。
まず、代表的なのはトラック競技用のクランクです。
いわゆるピストバイク向けのクランクです。
そのラインナップを見ていきましょう。
・SUPERシリーズ(2種類)
・NJSシリーズ(1種類)※NJSとは公営の競輪に使用してもよいという認定品
・TRACK P.C.D.144シリーズ(2種類)
・Mighty Comp.Singleシリーズ(1種類)
・RD2 series & FIXIE COG(3種類)
となっています。
主に上から3機種は競技向け、下2機種は街乗り向けというラインナップです。
スギノのクランクラインナップは、トラックだけではありません。
他にも、ロードバイク向けやツーリングなどに使うサイクリングバイク向け、オフロードを走るロードバイクであるシクロクロスバイク向けのクランクまで幅広く販売されているのです。
では、幅広く使用されているスギノのクランクの評判はどうなのでしょうか。
スギノのクランク。実際の評判はどうなのか?
自転車の様々なシーンで使用されている「スギノ」のクランクですが、実際使用している方々の評判はどうなのでしょうか。
使用者の評判などを抜粋してご紹介していきましょう。
・剛性に優れており、パワーをしっかり伝達出来る。
特にトラック用は非常に剛性感がある。
・変速性能がシマノの最高機種であるデュラエースに匹敵する。
・クランク自体の仕上げが綺麗。
製品として一流。
・黒色をしたクランクもラインナップにあり、自転車のドレスアップにもよい。
・ロード向けのクランクにシマノなどで販売されてないギア歯数も販売されており、ヒルクライム用に重宝している。
・価格帯が他メーカーより少々高価である。
・歴史あるブランドのため、古いビンテージ自転車に良く合う。
・クランク付属のチェーンリング用ネジがアルミのため少々弱いのが難点。
などが挙げられました。
やはり、クランクなどの駆動系を専門にしているメーカーだけあり、それを理解して「スギノ」というメーカーにこだわりを持って使っている方が多いようです。
知れば知るほど興味が湧いてくるブランドだと思います。
スギノはクランクだけじゃなかった!ギア系の評判も上々!
ここまで主に「スギノ」のクランクについてお話ししてきましたが、スギノはクランクの他にチェーンリングいわゆるギアの製品にも定評があります。
まず、代表的な物として、チェーンリングの「禅ZEN」呼び方は、ゼンというチェーンリングです。
こちらはトラック競技用として販売されているのですが、こちらの評判や実績がすごいのです。
なんとロンドンオリンピックの自転車トラック競技10種目のうち7種目で金メダルを獲得。
そのような世界レベルの選手が、こぞって使用しているチェーンリングなのです。
それだけ、信頼されており、高品質な製品と言えるパーツでしょう。
このZENシリーズですが、数種類ありますのでご紹介しましょう。
・SUPER ZEN(上位モデル NJS非認定)※日本の競輪では使用不可
・ZEN-144NJS(NJS認定品 競輪で使える物)
・ZEN-144(NJS非認定版)
3種類販売されています。
上位モデルは、国際のトラック競技では使用可能なのですが、日本の競輪では認定されておらず使用不可となっています。
また、オリンピックで実績を挙げているのは、この上位モデルのSUPER ZENになります。
見た目も普通のチェーンリングに比べ、エアロ効果もありそうなブレード状で非常にかっこいい形となっています。
トラック競技をしたい方やピスト乗りの方には非常にオススメな一品です。
そんな世界的に評判の良いスギノ製品。
それ故にメーカーを悩ませる出来事も起こっているのです。
評判が良いスギノのクランク類!それ故に模造品が出現?
近年、高級な自転車フレームやホイール、パーツに至るまで中国などで有名ブランドの模造品が製造され、オークションサイトなどで出回っています。
表向きはOEM品と謳い販売されていたり、もはやロゴまでも完全にコピーして販売している物などもあり、世界中で問題になっています。
各メーカーも安全性が保証されない模造品には手を焼いており、決して軽視出来る問題ではありません。
世界的に評判のよいスギノも例外ではなく、2010年あたりからメーカーから注意喚起が出されました。
スギノの正規品を装い「日本SUGINO製」と称してギヤクランク、チェーンリング、クランクの偽物の流通が中国などのネットオークションでされているそうです。
品質もスギノの規格を下回り、使用する事は安全面からも非常に危険であると注意喚起されています。
スギノ製品は日本の「スギノエンジニアリング」を通じた正規代理店ルートのみで販売されているとメーカー側も提示しています。
偽物とばれないような見た目や、安価だからと安易に模造品に手を出してしまうのは非常に危険であり、何の得も無いのです。
スギノ製品のみならず自転車全体に言える事ですが、模造品を使用するということは自分の安全はおろか、一緒に走っている仲間の命をも脅かす事となるという事をきちんと考えなければなりません。
ほとんどの場合、模造品の事故などは保証されません。
今後も自転車界に付いて回る問題の一つであるのは間違い無いでしょう。
スギノのクランクを取り付け。BBもスギノ製にしよう。
ここまで「スギノ」製品の素晴らしさや評判などをお話ししてきました。
これを読んでスギノのクランクを試したくなってもらえたらうれしい限りです。
では、実際にスギノのクランクに対してに合う同社のBBはどれなのか見ていきましょう。
まずトラック向けです。
Sugino75シリーズはBBのシャフトが四角のテーパー型となっています。これには「SG75テーパー」という物が合います。
メーカーが他社のテーパー型では互換性が無いと注意喚起していますので、このクランクには上記のBBを使いましょう。
さらにトラック用にもダイレクトドライブ型も販売されおり、こちらは「MB-608」という専用のBBとなります。
次にロード用です。
フレームのBB取り付けの穴の規格により変わりますが、スギノではBB30規格用とPF30規格用が用意されています。
この規格に合うフレームは、スギノのクランクとBBが取り付け可能です。
・PF30 CE セラミック BB仕様
・PF30 ST スチール BB仕様
・BB30 CE セラミック BB仕様
・BB30 ST スチール BB仕様
のBBラインナップがありますので、チョイスして使用してみてください。
今流行のセラミックベアリングを使用したタイプは回転の滑らかさなどの評判も上々です。
スギノは世界的に評価されているクランク周りのスペシャリスト
いかがでしたでしょうか。
日本が誇るクランクやその周辺パーツは代表格の「シマノ」の他に、「スギノ」という素晴らしいブランドもある事を少しは知ってもらえたかと思います。
クランク周りはいろんなブランドからリリースされていますが、今度クランクを乗せ替えたり新車購入を考えている方は「スギノ」というチョイスもぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
トラック用のクランクやチェーンリングを筆頭に世界中で愛用者がいるスギノの製品。
一度、日本が生んだ匠のクランクを試してみるのもまた面白いと思います。