カンパニョーロの新型コンポ「ケンタウル」や「H11」の特徴

カンパニョーロのコンポーネント「ケンタウル」が10速から11速化されましたね。

性能や価格も、シマノ105に相当するものとなって生まれ変わりました。

また、ケンタウルの発表とあわせて、油圧式ディスクブレーキコンポ「H11」も追加され、カンパニョーロの革新には目が離せません。

今回は、カンパニョーロの新型コンポ「ケンタウル」や「H11」の特徴などをお伝えし、競合他社メーカーに迫れるのかを考えていきたいと思います。

カンパの新型コンポ「ケンタウル」の特徴

2017年にカンパニョーロから新型コンポーネントである「ケンタウル」が発表されました。

昨年出された新ポテンザは、素材をカーボンからアルミに変えることにより安価にし、シマノのアルテグラと同価格帯での販売をしました。

今回のケンタウルに関しては、シマノ105に相当するものとなっています。

このようにポテンザ、ケンタウルと競合であるシマノに対応するべく、新たな商品をカンパニョーロは出してきています。

新型ケンタウルは10速から11速化され、ポテンザと同じくクランク等にはアルミを使用しています。
クランクやエルゴレバーは、お洒落でカンパらしさが出ています。

リアギヤは32Tまで対応され、初心者の方でもOK、またヒルクライムにも対応できるようになりました。

日本国内では、高級品として知られているカンパのコンポーネントですが、新ポテンザによりカンパのロードバイクに乗り換える人が増加しつつあります。

そして、今回のケンタウルは、シマノ105相当の価格になっており、ますます国内でのカンパユーザー増加が期待されます。

●新型ケンタウルの特徴

リアが11速になって復活した「ケンタウル」、その特徴をみていきましょう。

シフトレバーは、ポテンザの設計を受け継いでおり、シフトダウンレバーは一気に3段、シフトアップは1段ずつとなります。

シフトボタンの形状は、下方にカーブしたデザインでEPSなどと共通のものです。

ブラケットポジションからの操作や、ハンドルのドロップ部を握ったポジションからも操作しやすくなっています。

リアディレーラーはミドルケージだけで、合わせられるスプロケットはロー29T、32Tとなっています。
ワイドレシオ化も実現できます。

カンパ「ケンタウル」の素材や重量①

カンパ新型ケンタウルの発表時、設計やデザインについてはスーパーレコードによく似ているが、素材と重量が違うと表現されました。

それについて、掘り下げてみましょう。
まずは素材からみていきます。

クランクセットは、50×34T、11速、デザインと外観はスーパーレコードと共通の4アームです。
選択できるギア歯数の組み合わせは、52×36、50×34Tの2つ。

クランクアームの素材はアルミで、BBシャフトにはスーパーレコードと同じくウルトラトルク構造が採用されています。

続いて、エルゴパワーレバーですが、アルミとテクノポリマーで構成されており丈夫で軽く、形状はスーパーレコードとほぼ同様のエルゴノミック形状で、天候に左右されない確実なグリップ感で、長時間使用しても快適さが損なわれることはありません。

フロントディレイラーは、ロングアームを採用しており、軽い力での変速が可能です。

リアディレイラーは新設計され、11速化されたことにより動作と形状が見直されました。
変速操作によってどう動くのかを改めて考察し、最大スプロケット歯数32Tに対応する設計となったのです。

ショートケージとロングケージの2種類ではなく、ケンタウル専用として32Tに対応しています。

ディレイラーに対応するカセットスプロケットは3種類で、11〜29T、11〜32T、12〜32Tです。

ノーマル、コンパクトの歯数のクランクセットと組み合わせることで、レーシングからヒルクライムにまで、対応できるようになっています。

カンパ「ケンタウル」の素材や重量②

素材に続いて重量はどうなのでしょう。

新型ケンタウルのブレーキは、上位クラスと同等な効きで、同クラスの他社製品と比較すると50gほど軽量化されました。

非スケルトン仕様で、アーチはエングレーブという肉抜き溝により、軽量で剛性が高くなっています。

スチール仕上げで上位グレードのコンポと互換があり、カラーはブラックと、ポテンザと同様多くのファンを持つシルバーカラーのセットもあり、その総重量は2,484gです。

新型ケンタウルは上位グレード同様に、度重なるテストによって完成度を高めてから発売されました。

カンパにしては低価格ですが、スーパーレコードから引き継いだ設計による扱いやすさや、デザインなどは、間違いないものでしょう。

以上、新型ケンタウルの特徴を見てきましたが、全体的にポテンザとよく似ています。

上位のスーパーレコード、レコード、コーラスも同様に、カンパはグレード差のつけ方が変則的です。
人気の高いコーラス同様、ケンタウルにも期待したいところです。

そして、ケンタウルと合わせるように、新たなシロッコホイールも発表されました。

こちらは、25C〜28Cの太さが主流となった近年のタイヤシーンに併せて、リム設計が見直されたC17プロファイルデザインを採用しています。

35mmのセミディープ形状のリムをもち、洗練されたものになっています。

カンパ「ケンタウル」とシマノ「105」、どちらを選ぶ?

シマノ105の同クラスとして、2017年夏に発売される新型コンポ「ケンタウル」。

では105とケンタウルでは、どちらが買いなのでしょうか。
ケンタウルは発売前ということで、残念ながら乗り比べることができないので、メーカー比較をしてみました。

まずは、各メーカーの特徴からご説明します。

●シマノ

日本が誇る大手メーカーです。
初心者の方は、まずシマノのコンポを入り口とするのではないでしょうか。

優れた実用性で、世界的にもシマノの使用率は高く、プロからも最も支持されています。

高い性能を求めるのであれば、やはりシマノと言えるでしょう。

特に、変速性能は抜群の安定感です。
ショップによるメンテナンスもしやすく初心者でも安心です。

STIレバーの操作感は、やや難点があって、クリック幅が大きめでレバーが大きいことにより、女性や手が小さい人にとってはブレーキングしづらいかもしれません。

●カンパ

イタリアの老舗メーカーとして、高級感があります。
上位グレードはカーボン素材を使っていて、軽量でスマートです。

さすが、ファッションに敏感なイタリアといった感じの外観は、他社と比べると華やかさが格段に違います。

エルゴパワーのレバー操作は、手の小さい人でも操作しやすくなっており、コーラス以上は、1クリックでシフトアップ可能です。

性能を求めるならシマノ、ファッション性を求めるならカンパでしょうか。

カンパが105と同等の価格で手に入るなら、シマノから乗り換える方が出てくるかもしれません。

公表されている重量は、105は11速で2601gです。
対するケンタウルは11速で2484gで、ケンタウルの方が軽量です。

重量で選ぶか、継続して出ている安定感か、求めているもので選ぶと良いでしょう。

カンパでも登場!油圧式ブレーキ「H11」

ここからは、ケンタウルと同時に発表された、ロードバイク用のディスクブレーキコンポーネント「H11」について、ご紹介していきます。

「H11」のHとは「Hydraulic」のイニシャルHで、油圧という意味があります。
油圧式ブレーキのみで、ケーブル式ブレーキはありません。

油圧式ディスクブレーキというのは、オイルを使ってブレーキキャリパーを作動させるディスクブレーキのことです。

ディスクブレーキは、ホイールに取付けられたローターをブレーキキャリパーで挟むことによって、制動力を発生させています。

スーパーレコード、レコード、コーラスのグループセットと組み合わせるH11の変速系統には2種類あって、メカニカルとEPSです。

ポテンザはメカニカルのみとなっています。

セット内容は、エルゴパワーレバー、ブレーキキャリパー、ディスクローター、ホース類、チェーンホイールとなっています。

セットの総重量は、スーパーレコードEPSは2,355g、スーパーレコードは2,228g、レコードEPSは2,390g、レコードは2,260g、コーラスは2,319g、ポテンザは2,613gです。

H11の特徴は、ディスクブレーキにもカンパらしさが出ており、エルゴパワーのシフトアップ、シフトダウン、ブレーキの3つの操作が、3つのレバーに分かれている設計は変わっておらず、ブラケットのサイズも先端部分はほぼ同じですが、油圧のリザーバータンクを装備するために8mm長くなっています。

ブレーキレバーとシフトダウンレバーは、ハンドルに対してのレバーポジションを独立で調整可能で、ブレーキレバーを操作した時に、制動がかかり始めるまでのリーチはショートとロングの2種類から選択できます。

オイルはミネラルオイルを使用しています。

ディスクブレーキ専用ホイールも追加!

H11の発表に合わせて、ディスクブレーキ専用のホイールも追加されました。
「BORA ONE DB」です。

すでにZONDA DBホイールが発表されていましたが、今回はBORA DBホイールの登場です。

デザイン面では、リムブレーキのBORA ONEとよく似ているので「どこかで見た事ある」と思う方もいるかもしれませんが、こちらはディスクブレーキ専用として設計された新リム、新ハブを用いています。

リムブレーキのパッド接触面の処理や耐接触強の必要がないため、リム幅は24.2mm。

スポークの組み方はG3パターンでありながらも、ディスク特有ブレーキング時の負荷を計算して設計されています。

12mmスルーアクスルを基本としていますが、両端のアダプターを交換すれば一般的な規格にも対応できます。
規格は、ハブ軸長フロント100mm、リア142mmです。

BORA ONE 35チューブラーでペア重量1,297g、BORA ONE 50チューブラーで1,364gです。

新型コンポーネント「ケンタウル」、ディスクブレーキコンポーネント「H11」、ディスクブレーキ専用のホイール「BORA ONE DB」など、新展開をみせるカンパに今後も注目していきましょう。

実用性のシマノ、おしゃれなカンパ

新型コンポ「ケンタウル」は低価格となり、打倒シマノ105が期待されています。

高級なイメージがあるカンパですが、105相当の価格帯と性能があれば、乗り換える方も増えるかもしれませんね。

初心者の方には、やはり実用性の優れたシマノをおすすめしますが、長くシマノを乗り込んできた方なら、そろそろカンパはいかがでしょう。