富士山は、2013年に世界文化遺産に登録され、日本の象徴とも言える山です。
その富士山で2005年から行われているのが、「キングオブヒルクライム富士山」です。
自転車を趣味にしている方は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
今回は、なぜ富士山は世界自然遺産ではなく、世界文化遺産に登録されたのか、キングオブヒルクライム富士山の概要などについて詳しくご紹介していきます!
2013年に世界文化遺産に登録された富士山。なぜ自然遺産ではないの?
2013年に、世界文化遺産に登録された富士山ですが、「なぜ世界自然遺産ではなく、世界文化遺産なの?」と多くの方が思ったのではないでしょうか?
理由はいくつかありますが、その中でも私たちに関係するであろう理由をご紹介します。
●利用されたことによる開発
「世界自然遺産」で重要とされている点は、自然の雄大さがありのままの形で保持されているということです。
現在の富士山は、私たちが利用することによって開発されてしまった面が多くあります。
そのため、自然の雄大さがありのままの形であるとはいえません。
●ごみなどの処理に関する問題
残念なことに富士山はごみの不法投棄、産業廃棄物の処理をする場所として利用する人々がいたのが現実です。
また、登山中にトイレに行きたくなった時に、使用出来るトイレがなかったりと、管理体制がままならないという点、ごみやし尿の処理が問題とされています。
その他にいくつか理由はありますが、これらの問題を含め「世界自然遺産」ではなく「世界文化遺産」として登録されました。
これらの問題を深刻化させないためにも、富士山に自転車で行った際など、しっかりと意識を持ちましょう。
2013年に世界文化遺産に登録された富士山で行われる自転車レースがある?
富士山は、日本で一番標高の高い山です。
先ほどご説明した通り、2013年には世界文化遺産に登録された日本の象徴ともいえる山で、数多くの海外観光客が、富士山の姿を一目観ようと訪れています。
また、標高3,776メートルという高さだけではなく、山容の美しさも見どころです。
自転車を趣味としている人は、一度は富士山に挑戦してみたいという方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめするレースが「キングオブヒルクライム富士山」です。
「キングオブヒルクライム富士山」は、2005年から開催されています。
コースは普通のレースでは聞いたことがない標高差であり、東京スカイツリー3本分の1,800メートル、距離としては26.5キロです。
ゴール地点の標高は、なんと2,400メートル!
数字を聞いただけで、過酷なレースと思うライダーの方も多いかもしれませんが、ペースをしっかりと守って走れば完走することは可能と言えるでしょう。
ゴールに辿り着いた先に待っている駿河湾の絶景は、それまでの過酷さを忘れてしまうほどです。
2013年に世界文化遺産に登録された富士山で開催されるレースに参加出来る自転車は?
では、まずはどのような自転車でレースに参加出来るのでしょうか。
第一の条件は、フリーホイール式で、前後のブレーキがしっかりと作動すること。
レースに参加する際は、強度を備え、整備をしっかりと行った自転車ではないといけません。
安全のために、責任を持てる自転車で参加しましょう。
参加する自転車については、「2013年に世界文化遺産に登録された富士山だし、細かい規制があるのでは?」と思うかもしれませんが、基本的に使用する車種は不問です。
しかし、素早いブレーキ操作が出来ないというトラブルを避けるため、以下のハンドルの使用は禁止とされています。
●禁止されているハンドル
・ブルホーン
・DH
・クリップオンバー
・スピナッチタイプ
・その他アタッチメントバー
また、電動アシスト付きの自転車やリカンベント車での参加は不可とされているので注意しましょう。
ちなみに、2017年は9月24日に開催が予定されており、エントリーはまだ始まっていません。
「キングオブヒルクライム富士山」に挑戦したいという方は、今のうちから自転車の整備をしっかりと行っておきましょう。
キングオブヒルクライム富士山は、どのようなコース?ルールはある?
2005年から行われているキングオブヒルクライム富士山は、クライマーの中のクライマーを決める大会といっていいほどの標高差です。
さらに2013年には世界文化遺産に富士山が登録されたことからとても熱い自転車レースでしょう。
●どんなコースになっている?
キングオブヒルクライム富士山のコースは、静岡県の宮古市にある富士山スカイライン周遊区間から登山区間の26.5キロがコースとなっています。
給水する場所は、スタートから16.5キロ進んだ地点と、21.5キロ進んだ地点との2ヶ所を予定されています。
コース長は25.6キロ、標高差は1,800メートル、平均勾配は、6.9%、最大勾配は10.5%です。
●ルールはある?
まず、約3時間50分という制限時間が設けられています。
途中にチェックポイントがあり、チェックポイントまでの制限時間を過ぎてしまった時点でリタイアになってしまいます。
◇チェックポイント
・天照入口 7.0キロ
・西臼塚駐車場 10.5キロ
・高鉢ゲート 13.5キロ
・高鉢駐車場 16.5キロ
・七曲 21.5キロ
・GOAL五合目 26.5キロ
このようにチェックポイントが、合計6ヵ所設置されており「関門」と呼ばれています。
この関門を制限時間内に通過するには、やはりペースをしっかり保つことが重要でしょう。
●計測方法は?
スタート地点からクラス毎のグロスタイムを、電子計測システムを使用し計測します。
キングオブヒルクライム富士山の表彰対象は?「KOH CUP」とは?
出場するからには、表彰されるような成績を残したいですよね。
では、キングオブヒルクライム富士山自転車レースの表彰対象はどのようになっているのでしょうか。
●表彰対象
クラスは、エリートからシニア、女子もあり、全部で10クラスあります。
その各クラスの中から1位から8位までが入賞として表彰されます。
各クラスで1位になったライダーには、「キングオブヒルクライム富士山」のチャンピオンジャージが贈呈されます。
その他にも、各種副賞があります。
クラスの登録者が10人以下の場合は、3位まで、20名以下の場合は、6位までが入賞対象となります。
●KOH CUPとは?
難コースを制し優勝したライダーには、ヒルクライム王者の証として「KOH CUP」が贈呈されます。
「KOH CUP」は、富士山本宮浅間神社のご高配により2013年から創設されたものです。
毎年、レース終了後に総合優勝者へ持ち回りで授与式が行われています。
●自己記録を塗り替えよう
「入賞出来なさそうだな…」なんて思っている方もいるかもしれませんが、完走タイムをどれだけ短くすることが出来たか、その結果によって表彰対象に入ることもあります。
対象としては、前年度の大会に出場しており、完走タイムを保有している選手です。
前年度の完走タイムと今年度の完走タイムを比較し、記録を更新した幅がより大きいライダーの上位10名へ、オリジナルのジャージが贈呈されます。
なので、一度入賞を逃してしまった場合も、諦めるのではなく、また挑戦してみるといいでしょう。
富士山周辺を自転車で周るのもおすすめ!
自転車を始めたばかりで、キングオブヒルクライム富士山に出るのは少し自信がないという方は、富士山周辺を自転車で周ってみてはいかがでしょうか。
2013年に世界文化遺産に登録された富士山に負けないくらい、素晴らしい景色を見ることが出来るかもしれませんよ。
●フルーツラインコース
美しい富士山の姿を目の前にスタートするフルーツラインコースです。
笛吹川フルーツ公園がスタート地点となります。
4月の上旬から中頃にかけて、桃の花がカーペットのように広がります。
アップダウンも、多すぎず、少なすぎず単調な道があまり好きではない人におすすめです。
観光農園が道沿いに連なっており、季節によってさまざまなフルーツを楽しめるでしょう。
●構成資産巡りコース
世界文化遺産の富士山の精神を感じることが出来る各所を巡るコースです。
アップダウンが少なめで、自転車を始めたばかりの方にもおすすめです。
まだ遅くはない!キングオブヒルクライム富士山に参加してみよう!
今回は、富士山について、富士山で開催されるキングオブヒルクライム富士山について詳しくご紹介しましたが、役に立つ情報はありましたか?
キングオブヒルクライム富士山は、ペースを守れば完走も夢ではありません。
現在、エントリーを躊躇っている方、今からでも遅くはありませんよ!
過酷なレースですが、自転車を趣味にしている方は、人生で一度は挑戦してみるのもいいのではないでしょうか。