自転車の前輪、後輪に取り付ける、ホイールカバーをご存知でしょうか?
また、自転車にホイールカバーを取り付けるとどんな効果があるのでしょうか?
使う用途として、ホイールカバーは痛チャリとしても活用されています。
そこで今回は、ホイールカバーの効果と、痛チャリについてご紹介していきます。
自転車のホイールカバーとは?
今回取り上げる「ホイールカバー」は、自転車の車輪のホイールに装着する円状の部品の事です。
ロードレースに出場するバイクの空気抵抗を少なくするために用いられます。
ライダーの足と自転車のフレームの風を遮る目的で装着する事が多く、前輪に取り付けると横風の影響を受けフラつきやすいので、取り付けるのは主に後輪です。
このように本来タイムトライアル競技などで、より高速走行する事を目的に少しでも空気抵抗を少なくするために用いられていたホイールカバーですが、近年では違う使い方をする方も増えてきました。
プラスチック製の物が多いため、簡単に好きな色に塗装したり、ステッカーを貼る事が可能で、現在ではファッション感覚でカスタムを施すライダーも多いです。
より広い面積で愛車をアピールできるので、インパクト重視のドレスアップパーツととして年々人気が高まっています。
取り付けは6本のボルトで左右のカバーで自転車のホイールを挟み固定するだけと非常に簡単です。
無地のキャンバスを自分色にアレンジすることが出来、ドレスアップしてシティライドで存在感を発揮する事が出来るインパクト抜群なパーツがホイールカバーです。
ホイールカバーを使用することで、ドレスアップ以外の本来の機能により、通常のホイールには見られない違った効果を発揮する事が出来るのです。
次に自転車走行時の空気抵抗に付いて少し掘り下げてご紹介します。
自転車で最も空気抵抗を感じるのはホイール!
自転車の空気抵抗の割合を見てみると、大部分がライダー自身が発生させる抵抗で自転車本体の抵抗は20~30%に過ぎないようです。
その中で大きな割合を占めるのが意外な事に足回りなのです。
当然、走行時に車輪は転がり、その回転数は速度に比例しています。
タイヤの上部は、車体自体の速度の2倍の速さで前に進んでいます。
つまり、スポークの外周付近は車体の速度の2倍近い速度で風を切っていて、停止状態の4倍近くの空気抵抗が発生しています。
地面と接しているタイヤの下部の速度は常に0に近い訳ですが、それを差し引いても回転状態のスポークの空気抵抗は、無回転状態の約2倍~3倍と言う事になりますね。
その対策方法としては次に挙げるものが考えられます。
〇スポーク数の変更
単純にスポークの本数が半分になれば抵抗も半分になります。
〇エアロ形状のスポークへの交換
スポークを平らに延ばす事によって、スポークの前方投影面積とCD値の減少があります。
〇高ハイトリムによってスポークを短くする
高ハイトリムの空力上の利点はスポークの外周付近の最速部を隠せる事です。
〇スポークを全て覆う
所謂ホイールカバーの装着です。
欠点として重量の増加と横風に対する脆弱性が発生しますが、空力的には理想形と言えるでしょう。
次はホイールカバーの理想的な空気抵抗対策に注目しホールカバー装着時の効果に付いてもう少し掘り下げて行きましょう。
自転車のホイールカバーの効果は、空気抵抗を減らすこと
ホイールは空気抵抗の多い箇所ですが、カバーをする事により抵抗を極限まで減少させることが可能です。
理論的にはスポークの本数が減れば減るほど表面は滑らかになり、空気抵抗は減少します。
つまり、一枚の板でスポーク全体を覆う事で前方からの風を受け流す事が可能になるのです。
全く同じ条件下では、巡航速度の差が出てホイールカバー装着車両と通常のホイール車両では大きく異なるタイムが記録される事でしょう。
〇その真価が最も発揮される場とは?
装着時のメリットとデメリットの差が大きいホイールカバーですが、効果を最も発揮するのがTTやトラックなどの自転車競技での場面です。
周りを完全に囲い、横風の影響を全く受けない競技場内での走行では、その効果を遺憾無く発揮し、ライダーをサポートしてくれるでしょう。
極限の速度を求める場でこそ最高のパフォーマンスを引き出せるということですね。
〇ホイルカバーの弱点とは?
しかし、ホイールカバーにも弱点はあり、ストップ&ゴーを繰り返す街乗り独特の走りには適さず、「横風の煽りに弱い」というデメリットが挙げられます。
スポークがある空洞の部分を全て覆い隠す訳ですから、横風に煽られても吹き抜けが起こらずにハンドリングを取られてしまい、挙動が不安定になる恐れがあるのです。
次に意外な自転車に活用されるホイールカバーをご紹介します。
自転車のホイールカバーは痛チャリに活用されている
自転車競技の会場内で活躍するホイールカバーの機能性をご紹介して来ましたが、此処からドレスアップパーツとしての一面をご紹介します。
アニメや漫画などが好きな方の中で、少しずつ増えてきている「痛チャリ」を取り上げてみましょう。
自転車(ママチャリ、ロードバイク、シティサイクル、マウンテンバイクなど)にアニメやゲームのキャラクターのステッカーなどを貼り付けてドレスアップしている自転車を「痛チャリ」と呼びます。
装飾が施される場所で一番多いのが後輪で、ステッカーを貼付けたホイールカバーを取り付けるのが最もポピュラーなドレスアップ方法です。
中には前輪にもホイールカバーをつけてステッカーを貼って乗り回す強者もいます。
前輪のホイールにカバーを付けると、ハンドリングに直結している箇所なので、横風などの影響を受けるとハンドルを持っていかれる危険性がありますので、前輪にホイールカバーを装着した自転車に乗車する時は十分に注意してください。
また、フレームやママチャリのカゴにステッカー類を貼って、ドレスアップされた自転車も見かけます。
フレームなどにLEDライトを取り付け、ライトアップをすると綺麗で注目度が上がります。
このように痛チャリはいろいろな楽しみ方があり、痛チャリ製作は今大人気です。
次は痛チャリを制作する上で重要なホイールカバーについてご紹介していきましょう。
痛チャリにおすすめな、ホイールカバーは?
自転車を痛チャリにする際に、まず手に入れておきたいのが「ホイールカバー」、これは必須アイテムです、
簡単に脱着が出来るので、お手軽で良いですね。
ホイールカバーを決めかねているのであれば「Doppelganger(ドッペルギャンガー)」のホイールカバーをおすすめします。
このホイールカバーは、費用対効果が高く大変魅力的です。
また、ホイールカバー以外にもディスクホイールという物もあります。
◯「ホイールカバー」と「ディスクホイール」の違いとは?
ホイールカバーはホイールのスポーク部分に装着しますが、ディスクホイールはホイールカバーとホイールが一体になった物を指します。
ディスクはカーボン素材の物が多く、その一体感が非常に格好良いのですが、比較的価格が高目なのでまずはホイールカバーを使用して痛チャリ作りにチャレンジしてみるのがいいでしょう。
次にオリジナルステッカー制作時に必要なホイールカバーの採寸をご紹介します。
ホイールカバーを使って、痛チャリを作るときの注意点!
まずはホイールカバー直径の採寸を行います。
一般的なホイールカバーの大きさは700C用(直径600mm)、26インチ用(直径540mm)、20インチ用(直径398mm)の規格になっていますが、 実際にメジャーで直径の長さを確認してください。
次にスプロケット部分に当たる中心の穴の直径も採寸し確認しておきます。
ステッカーサイズ=ホイールカバーの直径となりますのでステッカーサイズも分かりましたね。
◯痛チャリ用ステッカーデザインを決定しよう!
ホイールカバーのサイズを確認した後に、いよいよ痛チャリ用ステッカーのデザインを決めていきます。
痛チャリを製作する際にデザイン選考に影響するのは、車輪軸を通すためにホイールカバーの中心に約数センチの穴が空くという事です。
デザイン選考時には切り込みなどの手を加えたくないキャラクターが中央に来ないように注意しましょう。
大切なキャラクターが画像の中心に配置されたデザインでは、キャラクターの目や鼻、口などが車軸の穴と重なってしまいカットされてしまうので、おすすめ出来ません。
ホイールカバーの面積が車を使った痛車などに比べて小さいので、中央の穴部分にキャラクターが重なってしまうのは仕方ありませんが、目や鼻、口などが切れてしまわないよう、細心の注意が必要です。
このようなところに気をつけて作成すると、ご自身の自転車がオリジナルとなり、お気に入りのキャラクターがキレイに見えるので、一緒に楽しんでいる気持ちになりますよ。
ホイールカバーは痛チャリにも使用されている
本来、ホイールカバーは空気抵抗を減らし、自転車のスピードアップを図るものです。
しかし、中にはホイールカバーを、痛チャリとして活用される方もいます。
ホイールカバーを使用して、オリジナルな自転車を作ってみるのも、面白いでしょう。
ホイールカバーを活用してみてはいかがでしょうか。