自転車のリアホイールやクランクに付いている、スプロケットをご存知でしょうか?
スプロケットの歯数、ギア比はよく耳にすることがありますが、理解していない方も多いのではないでしょうか?
スプロケットの歯数や、ギア比についてご紹介していきます。
これを読めば、スプロケットを選ぶ時、参考になるはずです。
自転車のリアホイールとクランクに付いている、スプロケットとは
自転車のリアホイールとクランクには、それぞれひとつずつ「スプロケット」と呼ばれるパーツが取り付けられています。
クランクに付属するものは別名を「チェーンリング」とも言い、こちらの方がサイズは大きく作られています。
変速機が外側に設置されている場合は、違うサイズのスプロケットを組み合わせることで、チェーンの位置を変更することが出来ます。
後輪のスプロケットのうち、段数が5段を超えるタイプはその状態のままハブへと取り付けや取り外しが行えるため、「カセットスプロケット」という呼び名を持っています。
基本的に変速機の段数と同じ数のスプロケットが組み込まれております。
また、ギアが固定されている自転車や、シングルスピードのスポーツサイクルでは前側と後ろ側のスプロケットを取り替えて、ギア比をコントロールことがあります。
歯車の形は歯数の違いもあって形が異なっているものもあり、この歯数の単位には「T」や「丁」を用います。
一般的には円盤となっていますが、軽さを重視するなどで穴が空いているためと輪のように見えるものもあります。
素材は、スチールやアルミ、ステンレスが使用されますが、稀にチタン合金を使用したスプロケットもあります。
スプロケットの歯数、ギア比って?
リアホイールやフロントに設置されているスプロケットは、ギア比を調整する役割があります。
ですが、そもそも「ギア比」とは何なのでしょうか。
ギア比は、歯車やローラーチェーンで繋がっているスプロケットの歯の数か、操作用のベルトで組み合わされた滑車の周りの長さの比率を表しています。
先ほどもお伝えしたとおり、歯数には「丁」や「T」などの単位を用いており、リアは歯数が少ないほど重くなるため、ケイデンスを低めで大きく動かすことができます。
フロントはその反対です。
重さに関しては、変速機が付いていればどんな自転車でも似たような感覚が伝わってきます。
例えば、ママチャリならシフターにはっきりと表記されていますし、自転車だけではなくオートマチックの自動車なども同様です。
どちらかと言えば軽いギアを使用することの方が多いかと思われます。
また、ギアは状況に応じて切り替えなければスムーズに自転車を走らせることが出来ません。
しっくり来ない時は、リアに取り付けられているカセットスプロケットか、フロントのチェーンリングを取り替えてみてください。
リアホイールのスプロケット、最大数値から見る選び方
自転車のリアホイールのスプロケットには、一般的に11Tか12Tが使われています。
他にジュニアスプロケットと呼ばれる、歯数が14Tのものも存在します。
これは子供や脚力の弱い人に適しています。
このスプロケットの数値は、ギアをどれくらいまで踏み込めるのかという点と、スピードはどこまで上げるのかという点によって決定されます。
下り坂を走り抜けた時の状況や、フロントの歯数とも組み合わせた上で考えてください。
例を挙げると、フロントに50/34Tのコンパクトクランクを取り付けたとしましょう。
この場合はリアが11T、フロントが50Tのギアを組み込めば最も速いスピードを出すことが出来ます。
ケイデンスが90ならおよそ51km/h、加速すると更に回転数も上がるので63km/hほどになり、限界域で走行するとケイデンスが120を超えるということが考えられるため、スピードも70km/h近くが出せるようになるのです。
乗り手の脚力も関係しますが、スプロケットの歯数も重要視するべきポイントなので、いつも走っている路面の状態や出している速度、距離などを思い返しながら、最適なスプロケットを選び、使ってください。
リアホイールの最小スプロケットについて
リアホイールのスプロケットのうち、最も小さいギアは坂道を上る時に活用します。
傾斜がきついのなら歯数が多い大きいスプロケットのギアを使えば、軽くスムーズに上りきることが出来ます。
これは、歯数が多い場合は良いですが、歯数が少ない場合は歯数の差が大きくなり、別のギアへと切り替える際に回転数が激減してしまいます。
同時にスピードも一気に落ちるため、安定感がなくなり、バランスを崩しやすくなります。
走りながら加速していって、勢いが付いてきたタイミングで変速を行った瞬間、突然重さが増してペダルが漕ぎにくくなるのは困りものです。
この状態は、日常生活で馴染み深いママチャリにも起きやすく、買い物などで上り坂を通る時はくれぐれも気を付けて下さい。
上手くコントロールが出来ず、転んでしまうかもしれません。
しかし、選択肢が多いのでどれが最適なのか判断が付かないと感じる人もいるかと思われます。
そんな時はフロントのサイズが比較的小さめに作られている、コンパクトクランクと呼ばれるタイプのフロントクランクを取り付けると良いでしょう。
スプロケットの歯数でクランクの種類が変わる!おすすめは?
ホイールのスプロケットの歯数によってクランクの種類は変わります。
今回は各種クランクを見ていきたいと思います。
まず、数値の小さいギアのフロントスプロケットは「コンパクトクランク」と呼ばれます。
使い勝手が良いので、どれにするのか迷ったらこれを使いましょう。
また、フロントのチェーンリングが「53-39T」のものは「ノーマルクランク」に分類されます。
この設定は、アウターが53、インナーが39で、熟練者やプロのほとんどはこれを使用しています。
上り坂には不向きですが、エネルギーを多く消耗する分スピードが出しやすくなっている上に、速度の切り替えも滑らかです。
この二つの他にコンパクトクランクとノーマルクランクの中間が「セミコンパクトクランク」です。
アウターはノーマルクランクに、インナーはコンパクトクランクに寄っています。
フロントの歯数を減らすと軽くなるため、ヒルクライムなどに挑戦する際にはぴったりでしょう。
ですが、スピードはそこまで出ないので、下り坂や平地になった途端、一定速度から上がらなくなることもあります。
スプロケットの歯数が違うと、速度に違いはある?
ホイールのスプロケットの歯数が異なると、速度にはどれくらいの影響を及ぼすのでしょうか。
基本的にクランクの種類が違っていても、ギア比が同じであれば、スピードの限界やギアに掛かる負荷も同じになります。
ケイデンスとタイヤの大きさが揃っている場合は、比率が大きいほどスピードも出しやすくなりますが、相応の脚力がなければ進まなくなるので無理はしないようにしましょう。
フロントが50-34T、リアが12-25Tのコンパクトクランクを使い、ケイデンスを100に設定した場合は、およそ52~57km/hほどのスピードが出せます。
これをノーマルクランクに取り替えるとギア比も高くなるので、最高速度も上がります。
逆に最も重い比率のノーマルクランクを取り付けた場合、限界は大体63km/hほどにまで跳ね上がります。
ただし、上述したように、比率が高くなればその分のエネルギーをつぎ込まなければならないので、脚力が重要になってきます。
速さにこだわらないのなら、乗り慣れていない人でも使いやすいコンパクトクランクの使用をおすすめします。
自転車のスプロケットの歯数、ギア比について
自転車には、後輪とクランクにスプロケットが付いています。
歯数の数でギア比が変わってきますので、目的や脚力に合ったギア比を選択することが重要です。
これから、スプロケットを交換しようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。