スクランブル交差点を自転車で通行する時の、交通ルール

スクランブル交差点は、多くの通行人が通る交差点です。

中でも有名な渋谷駅前交差点では、多いときで一回3000人が通行するほどです。

では、自転車で歩行者が多いスクランブル交差点を通行する時は、どこを注意して通行すればいいのでしょうか?

また、自転車は歩行者、車両どちらの信号機に従えばいいのでしょうか?

スクランブル交差点を含む、交差点について、通行するときの注意点についてご紹介していきましょう。

そもそもスクランブル交差点とは

一般的な交差点において歩行者や自転車は車が絶えず通行しているために、道が交差している部分を通行することは出来ません。

いわゆる十字の交差点でななめに渡りたい場合は、2度道路を横断しなくてはなりません。

しかし、繁華街などでは人通りが多く、様々な方向に進む需要があるので交差点に人があふれかえってしまいます。

そんな悩みを解消するのがスクランブル交差点です。
全方向から車の流れを止めて、歩行者を一気に交差点を渡らせることが出来ます。

現在日本では全国に300箇所以上のスクランブル交差点がありますが、表示形式は「歩車分離式」「スクランブル式」「スクランブル信号」など様々です。

有名なのは東京の渋谷駅前ですが、屋上からの映像などを見ると、見事に歩行者が散らばって行くのが分かります。

このスクランブル交差点では青信号時に300人以上の歩行者が通行するとも言われています。

四方をビルで囲まれたコンクリートジャングルの東京で、膨大な数の人間が行き来する様はまさに現代日本の象徴であるという事で、外国人の観光ツアーに組み込まれているほどです。

スクランブル交差点が設置された理由。自転車での横断方法

そもそもスクランブル交差点とは、歩行者と車の完全分離化を目的に作られています。

いわゆる交差点を渡っているのが完全にどちらかだけになるわけです。

もちろんたくさんの人通りがある場所に設置されているわけですが、そのような場所は当然ながら車通りも多い訳ですから、渋滞の一因になってしまっている事も否定出来ません。

では、歩行者でもない、自動車でもない自転車はどのようにして交差点を渡れば良いのでしょうか。

自転車は道路交通法では軽車両扱いとなりますので、原則として車道を走行しなければなりません。
となればスクランブル交差点では、歩行者のようにななめ横断は出来ない事になります。

しかし、これでは何かおかしいですよね。
当然ながら例外があります。

横断歩道には横にもう一本線が引かれていて、自転車のマークが書いてある自転車横断帯がありますのでその部分なら通れます。

また、その横断帯がない場合でも、自転車から降りて押して歩けば歩行者扱いになるので横断歩道は渡れるのです。

スクランブル交差点で自転車は、歩行者、車両どちらの信号に従う?

前項では自転車が原則として軽車両扱いになるという話をしました。
また、場面において車両扱いとされたり、歩行者扱いになったりする事も確認して頂きましたね。

という事ならば、交差点に進入していくときの信号もその時々によって従い方が変わってくるという事です。

スクランブル交差点に限らず、交差点に進入する前は車道を走るのが大原則なので、車用の信号機に従う事になります。

さてここからですが、交差点をそのまま直進するのであればそれまで通りに車用の信号の指示に従います。
しかし、もし横断歩道の横にある自転車横断帯を走行するのであれば、歩行者用信号に従う事になります。

また、自転車から降りた場合は歩行者扱いになりますから、当然信号も歩行者用に従います。

文章で書くと少しややこしく見えますが、要するに自転車は車道で乗って漕いでいる状態であれば車用信号に従い、横断歩道や降りて歩いている場合は歩行者用信号に従えば良いという事になります。

交差点に自転車が進入している際の、信号機について

さて、自転車の交差点での走行で難しくなってくるのは、スクランブル交差点におけるななめ横断や、右折時の対応です。

しかし、普段の交差点ではどうでしょうか。
まず、ななめ横断ですが、原則として言うならば自転車は不可です。

なぜかと言うと、自転車は軽車両扱いなので、自動車がやってはならない事、または不可能である事は自転車もNGだからです。

さて、ここでもう一つややこしいのは交差点を右折する場合です。

自転車は車道を右折する時には、二段階右折が義務付けられています。
従って交差点では、自動車の様に道路中央からななめに右折していく方法は認められていません。

そのため、まずは直進方向の信号に従って、交差点に進入して対岸で一旦停止します。
そこで右を向き、また対面した信号に従って直進をしていくというやり方になります。

自転車横断帯がある交差点の場合、従う信号は?

さてここでは、交差点で横断歩道の横に自転車横断帯がある場合の話をしてみたいと思います。

最初に言いますと実は自転車横断帯は近年減少傾向にあり、元から合った物も消されています。
しかし、これは少し考えれば至極当たり前のように思います。

まず、車道を走っている自転車が交差点に入って来る場合、歩道のすぐ横にある自転車横断帯に進入するためには、わざわざ少し左にずれて入っていかなければなりません。

このずれていくときに、歩行者と衝突する可能性は考えられないでしょうか。

また、横断歩道は当然ながら対面通行ですから、特に人通りの多いスクランブル交差点などでは歩行者が目一杯に広がって通行しています。

そんな横を自転車が普通にスピードを出して走っていたらどうなるかなど、自転車に乗り始めたばかりの子供でも分かる話です。

個人のモラルにゆだねる話なのかもしれませんが、交差点における自転車通行帯の危険性は大いに議論されるべき問題と思います。

人が多いスクランブル交差点では、自転車から降りて押すべし

自転車は自力でペダルを漕いでいる事から、軽車両であるという意識が希薄になりがちです。
そのためか、いまだに歩道を走るものだと思っている人も多いです。

また、近年はスポーツ系バイクの普及もあって、自転車の速度は本当に恐ろしいまでのスピードです。
その分事故も増加しており、危ない乗り物というレッテルを貼られかねない状況です。

ですから、スクランブル交差点など人通りの多い場所では、降りて歩きましょう。
降りれば歩行者と何も変わらず、ななめ横断も出来ますし、危険が伴う自転車横断帯を通る必要もないです。

ただ注意してもらいたいのは、完全に足をついて降りた状態にしてください。
サドルに座ったままとか、片足をペダルに乗せていたりしてはいけません。

今の日本にサイクリングロードなどの特定の場所以外では、生活圏において自転車専用道は減少しています。
そのため、自転車は車道を走れば自動車に目の敵にされ、歩道を走れば歩行者に邪魔にされる四面楚歌状態です。

今回お話してきたように、ある時は車両扱い、またある時は歩行者扱いなど曖昧な部分もあります。

しかし、だからこそルールを守り、モラルを高めていく事が、今後の市民権獲得に向けて大切な事なんだと思います。

自転車の交差点での通行について

自転車交差点での、通行方法についてご紹介しました。

歩行者の通行量が多い、スクランブル交差点では、自転車でそのまま通行することは危険ですので、自転車から降りて歩行者として通行してくださいね。

自転車で交差点、横断歩道を通行する時はどちらの信号に従えばいいのか、悩まれる方もいるでしょう。

ぜひ、今回の記事を参考にしてみてくださいね。