スポーツバイクに乗っていると、ホイールのセンター出しという言葉を聞く機会があるかと思います。
自転車のホイールは、最も重要なパーツの1つであり、日頃のメンテナンスは欠かすことが出来ませんね。
ホイールのメンテナンスの1つである、ホイールのセンター出しについて、今回はご紹介していきます。
ホイールのセンター出しとは
早速、ホイールのメンテナンスの1つである、ホイールのセンター出しについてお話していきましょう。
ホイールのセンター出しとは、左右均等にリムが中心に来るようにすることを言います。
一般的に完成車になるまでの工程は、多くの自転車がメーカーで50% ~ 70%を組立てられ、あとの50% ~ 30%は販売店で組立て、調整されて完成車となります。
しかし、多くのメーカーでは流れ作業、機械組立てになるので、ホイールのセンター出しを含む多くのパーツ調整は正確に作られていないものも多いです。
どんな高性能ホイールでもだんだんとホイールのセンターにズレが生じます。
リムの精度がいいホイールで一見見た目では、センターがズレているかどうか分からない場合があります。
しかし、見た目は大丈夫でも、1年も使用したホイールであればセンターのズレは生じていることは多いです。
そのため、半年に一度、最低でも1年に一回はセンター出し調整を行うことをおすすめします。
ホイールセンター出しの重要性について
最近の自転車、つまり完成車の多くは、ホイールはメーカーで組立てられ、タイヤも装着されていますよね。
しかし、工場生産で多く作られているホイールでは機械で組み立てられる作業のため、リムの上下左右のズレ、ホイールのセンター、スポークテンションなどが正確に出来ていないものが多いのです。
ホイールのセンター出し調整が正確に出来ていないと、車輪の回転面とフレームのセンターにズレが生じ、走行抵抗が大きくなります。
自転車のホイールセンターがズレてしまうと、ブレーキの調整が正確に出来ないことや、長距離を走るスポーツバイクにとって、多少のズレが負荷となり、肩や脚などに影響を及ぼします。
そのため、多少のズレであっても、大きな疲労感を生むこととなるのです。
これは長く乗れば乗るほど感じやすいと言えます。
自転車にとって、ホイールのセンター出しは重要性が高いものなのです。
では、ホイールのセンター出しを確認する方法はあるのでしょうか。
次にセンター出しの確認方法についてご紹介しましょう。
自転車ホイールのセンター出し、確認方法はある?
自転車にとって重要であるセンター出しですが、確認するにはどうすればいいでしょうか。
フロントの場合は、わりと簡単に確認することが出来ます。
やり方として、ホイールを左右入れ替えてみましょう。
左右入れ替えを行っても、リムの左右を見て中心に来ているようでしたら、センターはズレていないことになります。
逆にホイールのセンターがズレてしまっているとどちらかに寄ってしまったり、ブレーキに当たったりします。
リアホイールのセンター出しを確認するには、フロントより大変ですが同じ工程で確認することが出来ます。
このホイールセンターのズレは、左右のスポークテンションが違うとズレやすくなります。
ホイールのセンターのズレが生じてしまうと、自然に直ることはまずありません。
それどころか、どんどんセンターがズレてきてしまいます。
そのため、センターのズレを確認することが出来たら、センター出しを行い、正しい位置に直してあげる必要があります。
ホイールのセンター出しに必要な工具、センターゲージを使って作業してみよう①
ホイールのセンター出しを行うには、センターゲージという工具が必要になります。
このセンターゲージの構造は意外にも単純で、リムからハブがどのくらい出ているか、測るだけの工具になります。
まず最初に、ホイールの左右どちらか一面にゲージを当てます。
次に、リムの二点とハブの一点、合計三点で支持されるようにゲージをセットしましょう。
このとき、センターゲージの足がリムにぴったりと付くよう確認してください。
これで、片面の片取りが出来ます。
次に、ホイールを裏返し、反対の面に同じよう、ゲージを当てます。
もしこのときセンターが正しく出ていれば、反対面でも同じように、ゲージはぴったりとリムに付き、三点で支持されることになります。
しかし、センターがズレていると、ハブのところでゲージが浮いてしまうか、もしくはリムのところにゲージの足が届かず、がたつきが生じます。
センターが正しく出ていない場合、リムをどちらかへ寄せる必要があります。
この場合は、寄せたい側のスポークを締めるだけです。
左右対称になるまで、締めてください。
ホイールのセンター出しに必要な工具、センターゲージを使って作業してみよう②
ここで、左右対称になるためにスポークを締めるわけですが、一度で正確にセンターへ寄せられることはまずないでしょう。
そのため、少しずつ様子を見ながら、スポークを締めていくことになります。
ある程度調整出来たら、再度センターゲージで確認をとります。
再度センターゲージを当てるときは、先ほどとは違う状況ですから、センターゲージをセットし直して使用します。
ホイールのセンターがある程度出たら、振れを取りながら、再度スポークテンションの細かい調整を行います。
センター出しとテンション上げ、振れ取りはセットで調整するよう考えた方がいいです。
なぜなら、こっちを調整すれば、こっちがズレる、という面があるので、それぞれ細かい調整をしながら見ていく必要があります。
しかし、はっきりと申し上げると、センター出し、振れ取り作業、テンション上げは難しい作業になります。
もし、自信が無ければ、プロの方に仕立ててもらいましょう。
ホイールのセンターがズレてしまう原因は、フレームにもあった!?
ホイールのセンター出しがビシっと中心に来ているにも関わらず、ズレを感じるようでしたら、原因はフレームにあるかも知れません。
「フレームがズレてしまうことなんてあるの?」と思うかも知れませんが、フレームだって曲がります。
鉄ならある程度は修正することは出来ますが、アルミは難しいかも知れません。
カーボンはまず無理と思ってください。
通常カーボンは、フレームのセンターズレは起こりにくいとされていますが、何があるかはわかりません。
カーボンフレームで大幅にズレていたら、メーカーに交渉するとか、交換するしか方法はないでしょう。
仮に対応してもらえなかった場合は、フレームがズレた状態のまま乗ることになってしまいます。
そういったことを避けるためにも、JIS規格で細かく定められている内容があります。
たとえば、立パイプ、もしくは立パイプに相当するパイプ上端の中心点のフレーム体中心面からのズレは, 2mm以下でなければならない、など他にも規定はたくさんあります。
自転車を購入する時は、こういった内容も確認しておくと、安心して自転車に乗ることが出来ますね。
ホイールのセンター出し、行っていますか?
ホイールのセンター出しは自転車にとっても重要なものです。
多くの自転車は、新車でさえ、正しくセンター出しをされていないものも多く、センター出しを調整する必要性を感じます。
また、どんなに性能がいいホイールでも、長く乗っていれば大体のホイールはズレの可能性は高いです。
一度、センター出しを確認してみるといいかも知れません。