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ピナレロは山にも強い!ではGANもヒルクライム向きなのか?

2018.11.18

山の上り坂に設けられたコースを走る自転車競技である「ヒルクライム」は、競技初心者の方にも人気のあるレースです。

今回はその理由や、向いているロードバイクなどの種類をお伝えしていきます。

また、筆者の個人的な興味として、ピナレロの「GAN(ガン)」がヒルクライムに適しているのかも考えてみます。

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ヒルクライムに必要な要素とは

まず今回のお話に先立ち、ヒルクライムという競技についてご説明しておきます。

冒頭でもお伝えしましたが、山や丘陵の上り坂に設けられたコースでタイムを競う自転車レースのことです。

上り坂を使うコースだけに個人の脚力によって差が付きやすく、集団走行になりにくいので、駆け引きなどがいらない分マイペースで走れます。

また、20㎞~30㎞のコースであり、一般的なロードレースよりは距離が短いので、競技初心者の方が参入しやすいレースです。

重力に逆らって進むので何よりも軽量であることが最優先され、「クライマー」と呼ばれる小柄な選手が活躍する競技でもあります。

また、機材を軽くする事も必要なので、ヒルクライムや山登り向きとされるロードバイクは、まず軽量というのが大前提です。

その意味からするとピナレロのGANは軽さ至上主義というモデルではないので、ヒルクライム向きかと問われれば、考えてしまうところはあります。

ピナレロ・GANのようなエアロロードはヒルクライム向きなのか?

前項ではヒルクライムには軽さが重要であり、その意味でピナレロ・GANは、ヒルクライム向きではないのかもしれないという見解をお伝えしました。

ピナレロはエアロ形状のフレームを採用したモデルが多く、GANもその中の一つです。

エアロ形状のフレームはヘッド周りが大口径ですし、フロントフォークも太いです。

また、薄く扁平させているとはいえ、素材は他のモデルと比べ多く使用していますので、重量はどうしても嵩んでしまいます。

それだけでも、本来ならエアロ形状のロードバイクは、ヒルクライムにどうかという疑問はあります。

しかし、ピナレロが機材を提供するワールドチーム「チーム・スカイ」は、上りの多い山岳ステージでも、エアロ形状のバイクを使用します。

しかも、チーム・スカイの所属選手が2015~2018年のツール・ド・フランスにおいて、4年連続個人総合優勝を果たしているのです。

いわゆる、プロのライダーがエアロ形状のバイクに乗り、大レースで結果も出しているということですから、少なくともプロの世界では、上記のような疑問は愚問なのかもしれません。

プロレーサーはピナレロのロードバイクをヒルククライムにも使用する

ピナレロは重量を意識してないこともあり、フレーム重量を公開しているのは、フラッグシップモデルの「DOGMA(ドグマ)F10」のみです。

ちなみに、ドグマF10は前項でお伝えしたチーム・スカイのメインバイクです。

そのドグマF10は、ミドルレンジの53サイズで820gであり、エアロ形状のフレームにしては、決して重いということはありません。

さらに、F10から60g軽量化した「Xlight」もありますから、少なくともドグマF10に関しては、ピナレロが意識をしていないとしても、他メーカーと十分に太刀打ちできる重量です。

そして、これであればプロチームが山のステージも使用するのは分かりますし、プロの脚力であればヒルクライムで結果が出るのは納得できます。

しかし、それがGANにも当てはまるかというと、冒頭でもお話ししましたが少し疑問です。

ピナレロ・GANはフラッグシップに準ずるセカンドグレード

前項でピナレロがプロ選手に供給する「ドグマ」は、ヒルクライムもこなしているとお伝えしました。

ドグマなどのフラッグシップモデルのカーボンフレームは、軽量であるがゆえということもありますが、非常に高弾性のため、強い衝撃が掛かると割れてしまうほど、カチカチに硬いものが多いです。

しかし、それでは一般的なホビーライダーには扱いにくいですし、複雑で綿密なカーボンの成形技術が投入されますので、フレームだけで100万円に届いてしまうなど、価格も浮世離れしてしまいます。

そのため、メーカーはユーザーの裾野を広げる意味もあり、弾性を下げ、衝撃吸収性や耐久性に長けたしなやかな素材を使用し、コストも抑えたセカンドグレードを用意します。

GANは先代のフラッグシップ「ドグマ F8」のセカンドグレードであり、正にしなやかで、手ごろな価格が売りになっているモデルです。

ただし、弾性を下げるということは重くなることでもあり、セカンドグレードは重量がどうしても嵩みますので、それがGANがヒルクライムに対して疑問を持たれる、大きな理由と言えるでしょう。

ヒルクライムに求められる軽さと同じくらい大切な要素

ヒルクライムは軽量であることが何よりというお話をしてきましたが、機体にはもう一つ「剛性」の高さが求められます。

剛性とは物質の変形度合いのことで、変形しにくいものは剛性が高い、変形しにくいものは剛性が低いとなります。

ロードバイクには推進力(前に進む力)が大切で、フレームの剛性はその推進力に多大な影響を与えます。

物が変形するということは、物質自体が外部からの衝撃や圧力をいなしたり、吸収することです。

そのため、変形しやすい=剛性の低いフレームは、衝撃吸収性に長けているという点ではメリットもあります。

しかし、ペダルを漕いだ力まで吸収されてしまい、ストレートに動力になってくれないので、推進力は低下します。

ヒルクライムで推進力が上がらないと、重力に逆らっている分余計に前に進んでくれませんので、剛性の低いフレームは不利です。

それを考えるとGANは、ピナレロのカーボン車の中で最も剛性の低い素材を使用していますので、ピナレロのバイクの中だけでヒルクライム適性の順列を付けるなら、低い方に入ります。

ただし、これはあくまでもピナレロの中でのことであり、GANが剛性が低すぎて推進力に不安があるバイクというわけでは決してありません。

「ピナレロ・GANはヒルクライム向きか?」に対する答え

今回の記事のタイトルにもさせて頂いた、「ピナレロ・GANはヒルクライム向きなのか?」という問いに対する答えですが、ここまでお伝えしてきたことを考えると、残念ながら適正は低いという判断になります。

本気でヒルクライムレースを目指す方には別の選択肢があるはずですし、レース志向が薄くても、ツーリングなどで山間部を攻めるのが好きという方には、個人的にはおすすめしにくいです。

GANは剛性が抑えめで、ジオメトリにも優しい味付けがされていますが、根はスピードと爆発力が売りのエアロロードです。

そのため、基本的には平坦な舗装路が一番性能が引き出される舞台であり、勾配のある地形では少し持ち味が殺される懸念もあります。

ただし、距離は問題なくこなせますので、従来のエアロロードほど用途は狭くなく、レース志向が無い方でも選択肢に入る機種であることは覚えておいて頂きたいです。

GANのヒルクライム適性は低め!

今回は、ピナレロのエアロロード「GAN」が、ヒルクライムに向いているのかを検証しました。

本編でお伝えしたように、適正は低めで、本格的にレースを狙うなら別にもっと適した機種があるのでは、という結論にさせていただきました。

グレードを上げればもちろん価格も上がりますので一筋縄ではいかないですが、プリンスとドグマはその候補ということになります。

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