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スペシャライズドのスタンプジャンパーはクロモリ車もあった

2018.7.5

スペシャライズドの歴史を語る上で、絶対に欠かせないのがMTBの存在です。

今ではロードレースで何人もの世界チャンピオンを輩出しているように、ロードバイクが主力になっています。

しかし、元々は世界で初めての量産型MTB「スタンプジャンパー」を生産して、一躍有名になったメーカーです。

今回はそんなスタンプジャンパーのお話ですが、昔はフレームにクロモリを使用していた時代もあったようで興味深いテーマになりそうです。

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スペシャライズドのレジェンドMTB「スタンプジャンパー」

冒頭でもお話しましたが、スペシャライズドはMTBで一躍世界にその名を知らしめたメーカーです。

1981年に販売された世界初の量産型MTB「スタンプジャンパー」が爆発的な売り上げとなり、MTBそのものを世界に広げたとまで言われている存在です。

スタンプジャンパーは日本の鋼管メーカー「アラヤ工業」によるOEM生産であったため、アラヤはその経験を活かし、翌1982年に日本で初めて自社ブランドのMTBを投入しています。

その意味でスタンプジャンパーは、日本のMTB界にもこの上なく大きな貢献を果たしています。

スタンプジャンパーは発売開始から40年弱、今もラインナップに名を残しています。

販売当初は主にクロモリがフレーム素材として使用されてきましたが、1990年台の半ばからアルミフレームに変わっており、現在はスペシャライズドのMTBからクロモリフレーム自体が消えています。

今では、前後にサスペンションを備え、フロントギアがシングルの「ワンバイセットアップ」で、ダウンヒルと言っても過言ではない、完全なレース仕様です。

しかし、クロモリフレームの末期のモデルを確認すると、フロントサスペンションもないクロスバイクのような風貌のものも見られます。

この変わりようは、長い歴史があるだけに、幾多の変遷を遂げてきたという証でもあります。

スペシャライズド「スタンプジャンパー」の歴史はクロモリから始まった

スペシャライズドのMTB「スタンプジャンパー」の開発当初のフレーム素材は、クロモリでした。

ロードバイクでも一番最初に主力になったのはクロモリであり、クロモリに強いヨーロッパメーカーがロードレース界をけん引してきました。

クロモリの正式名称は「クロームモリブテン鋼」と言い、鉄にクロムとモリブデンが配合された、スチール素材の一つです。

独特のしなりがあって衝撃吸収性に優れ、外的な衝撃に滅法強い強度があるため、自転車の素材に最も適しているものの一つです。

また、経年劣化しづらい素材であり衝撃にも強く、大きな破損以外は修理も効くので、20~30年乗り続けられる耐久性があるとも言われています。

この記事をお読みの方の中にも、1990年代のスタンプジャンパーに、現在も乗っている方がいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、残念ながら元の素材が鉄なのでいかんせん重量が嵩んでしまい、軽量化が進んだスポーツバイク界では、脇役に追いやられてしまいました。

クロモリフレームの特徴

筆者はMTBではありませんが、クロモリフレームのロードバイクを所有しています。

当時はクロモリにしか乗ったことがなかったので気づきませんでしたが、アルミやカーボンを経験した今になって思い返せば、確かに不思議というか独特の乗り心地だったのかと思います。

クロモリフレームを表す言葉としてよく使われるのが「バネ感」ですが、バネのように上下にしなるということです。

これを剛性の弱さと取り毛嫌いする方もいるのですが、地面からの衝撃を上手くいなすことでは、他の素材の遥か上をいくものです。

特に、オフロードを走るMTBは地面からの突き上げとの戦いでもありますから、開発当初にクロモリが積極的に使われたのは理にかなっていたと言えます。

ただし、衝撃をフレームが「吸収」するという点においては、カーボンも負けておらず、現在のスペシャライズド・スタンプジャンパーがカーボンフレームメインなのも致し方のないところです。

しかし、クロモリはカーボンに比べ先述した通り、圧倒的に扱いやすいことは確かです。

筆者はレース志向が薄いホビーライダーなので、重量はさほど気にならず、今でもクロモリフレームを愛用しています。

スペシャライズド・スタンプジャンパーはかつて「ホリゾンタルスタイル」だった

クロモリフレームの利点としてもう一つお伝えしておきたいのは、チューブを細くできるので、見た目がスタイリッシュでカッコよくなるということです。

クロモリは素材自体が頑丈で強度が高いので、アルミのように太くしなくても済みますし、カーボンのように層を積み重ねて厚くする必要もありません。

裏を返せば、太く厚くしてしまうと重すぎて、スポーツバイクとして機能しないという見方にもなりますが、いずれにしても細身のシルエットはクロモリにしか出せない趣です。

また、1990年代のスペシャライズド・スタンプジャンパーもそうですが、クロモリフレームはトップチューブが地面と水平に付いている「ホリゾンタルスタイル」が多いです。

空気抵抗が軽減されるなどの機能的な優位さもありますが、これもきれいな三角形を描けるということで、見た目を評価する声が多いです。

現在のスポーツバイクは軽量化を図るために、フレームの前の三角形部分を小さくできる、スローピングスタイルが主流です。

その点でも、クロモリは重量を最優先しない、独特の個性があると言えますね。

スタンプジャンパーのクロモリ車は街乗りにも適していたはず

スペシャライズド・スタンプジャンパーのクロモリフレーム車は、1996年が販売の最終年であったようです。

当時のラインナップの情報が手に入らなかったので、詳しいことは分かりませんが、今となってはあり得ない、サスペンションなしモデルもあったようです。

当時はクロスバイクの普及率が今ほどではなかったので、街乗りのスポーツバイクはMTBであったと聞いています。

筆者が確認できた範囲ですが、当時のスタンプジャンパーはタイヤこそMTB特有のブロックタイヤですが、その他はクロスバイクと言っても差し支えない仕様でした。

むしろ、前項でもお伝えしたように、フレーム形状が典型的なホリゾンタルスタイルなので、今で言えば「フラットバーロード」に近いかとも思います。

いずれにしても、今のスタンプジャンパーとは似ても似つかないものであり、扱いやすく普段使いの街乗り車としても使えるMTBであったと推測できます。

1990年代のスタンプジャンパーに近いモデルが現在も存在する

先ほども触れましたが現在のスタンプジャンパーは、レーシングメーカーであるスペシャライズドを代表する、本格的なレーシングモデルです。

プロ仕様の「S-Works」は100万円を超えますし、最も安価なモデルでも20万円半ばです。

しつこいようですが、1990年代のクロモリフレーム時代とは、明らかに別物に生まれ変わっています。

ただ、今のスペシャライズドには、クロモリ時代のスタンプジャンパーを彷彿とさせる、街乗りにも向きそうなMTBもラインナップされています。

中でもタイヤ(ホイール)の統一規格ETRTOでは、ロードバイクやクロスバイクと同じリム径を持つ29インチの「Rockhopper(ロックホッパー)」が、意志を継いでいるように感じます。

29インチのMTBは「29er」という呼称もあるくらいに、MTB乗りにとって特別な存在です。

車輪の口径が大きいということはそれだけスピードが出ますので、街乗りに向くものとして一世を風靡したこともあります。

現在は主流とは言えませんが、スピード系のMTBには多く採用されており、スペシャライズドは特に力を入れている方です。

1990年代のスタンプジャンパーに29erが存在したのかは不明ですが、街乗り仕様ということならロックホッパーが近い存在と言えます。

スタンプジャンパーは30年以上の歴史の重みを感じるMTB

今回はスペシャライズドのMTBの元祖、「スタンプジャンパー」についてお話しました。

現在までその名を残す歴史の始まりは、クロモリフレームでした。

20年、30年と乗れるだけの耐久力があり、現在でも当時のスタンプジャンパーにお乗りの方がいらっしゃると聞いています。

現在のスタンプジャンパーはレース仕様で本格的MTBの代表格ですが、当時はまだはしりということもあり、クロスバイクに近いものでした。

今回は、この変遷にも歴史を感じるところでした。

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