プジョーの自転車の修理事情は?現行からビンテージまで解説

プジョーといえば、ライオンのエンブレムでも有名なフランスの自動車メーカーで、日本でも非常に人気があります。

一方、プジョーは自転車メーカーとしても長い歴史があります。

日本では一時期、正規販売が途絶えていた時期もありましたが、要望が多かったためか、2012年から販売を再開しています。

また、かつて販売されていたモデルや、いわゆるビンテージロードにも根強い人気があります。

そんなプジョーの自転車、新車や中古で購入した後に気になるのはやはり、故障の際の修理でしょう。

今回は、プジョーの自転車について現行モデルからかつて販売されていたモデルまで、修理事情を解説していきます。

現在のプジョーの自転車、ラインナップは?

修理事情の前に、プジョーについて簡単にご紹介しましょう。

2012年から、プジョーの自転車の販売元は、ビアンキの輸入元でもある、サイクルヨーロッパジャパン株式会社です。

ビアンキについては専門ショップの全国展開を行っているのですが、プジョーについては専門のディーラーはなく、全国のサイクルベースあさひやスポーツオーソリティ各店舗が正規販売店として登録されています。

現行のラインナップは、プジョー自身の分類によれば、ロード、スポーツ及びストリートの3種類です。

ロードにはCRシリーズと呼ばれるカーボンとクロモリフレームを使用したロードバイクが用意されています。

いずれもコンポーネントはシマノ105が組まれており、ロードバイクらしいフォルムです。

ただ、プジョーは本格的なレース用の機材をリリースしていないので、やや地味な存在です。

スポーツはいわゆるクロスバイクです。

ジャイアントのエスケープシリーズにちょっと似た印象のアルミフレームを採用し、名前のとおりちょっとしたスポーツ走行もこなします。

ストリートは、軽快車(ママチャリ)からおしゃれロードまでをリーズナブルな価格でラインナップしています。

プジョーの自転車はどこでも修理可能

かつて、プジョー自身が生産していた自転車はフランス独自のパーツも多く採用され、修理しようにも、まずそのパーツを探してくるところから始まりました。

現在のプジョーの自転車ですが、実際にはプジョー自身が生産しているわけではありません。

実は、すでに1980年代に、プジョーは自転車の製造から撤退しています。

日本のサイクルヨーロッパジャパン株式会社が、プジョーからブランドライセンスの供与を受け、企画及び製造販売を行っています。

プジョーの自転車の製造については、台湾のメーカーが行っています。

現代の自転車らしく、使用されているパーツはシマノ製など、いずれも汎用性が高いもので、そういった意味では、他の自転車となんら変わるところはありません。

格別凝った機構などは採用されておらず、比較的オーソドックスな構成となっていることから、量販店で購入しても、修理対応で苦労することは少ないでしょう。

自動車のディーラーでプジョーの自転車を修理できた?

実は、プジョーの自動車販売を行う正規ディーラーで自転車を販売していたことがありました。

プジョーの自転車の正規輸入販売が途絶えていた時期の話になります。

2006年に、プジョーのディーラーの一つだったプジョー東京が独自に企画し、プジョーブランドの自転車を全国26ヶ所のプジョーディーラーで販売していたのです。

当時、プジョーのフラッグシップ店的な存在だった東京都目黒区のプジョー東京では、2階に自転車専門のフロアまで設けていました。

その当時、16車種あったプジョーブランドの自転車を販売するだけではなく、アフターサービスや修理の請負も行っていたのです。

現在は残念ながら、プジョーのディーラーで自転車は販売していません。

BMWなどは、自社製の自転車をカタログに載せ、ショールームでも展示販売しています。

プジョーにもSUVなど、自転車によく似合うタイプの車もラインナップされています。

ショールームに並べて展示してあれば、車だけではなく自転車も欲しくなる方も出てくるかもしれませんね。

プジョーのパシフィック18!修理もしやすい

現在はなくなってしまいましたが、かつてはフォールディングバイクも用意され、おしゃれなデザインとカラーリングで、ラインナップの中でも非常に人気が高い自転車でした。

そんなプジョーのフォールディングバイクに「パシフィック18」というモデルがありました。

生産中止から、かなり年月が経過しているにもかかわらず、今でもときおりネットオークションに出品されたりしています。

「独特のフォルムだけど、どこかで見たような…」と思う方もいらっしゃるでしょうが、実は同じフォールディングバイクとして大ヒットしたR&M社の「BD-1」のOEM製品なのです。

当時、プジョーとR&M社は台湾での生産工場が同じだったので、その縁もあったのでしょうか。

フォールディングバイクは独自の機構を備え、専用のパーツを採用していることが多いので、古いバイクの修理の際は部品の調達がネックになります。

しかし、パシフィック18に関していえば、BD-1のパーツがそのまま利用できる場合が多いのがありがたいです。

さらに、サードパーティの部品メーカーがさまざまなオプションパーツを販売しているので、そちらを使うということも可能でしょう。

プジョーのゴリブリ!自転車修理という面から見たリスク

プジョーのフォールディングバイクにはオーシャン以外にも「ゴリブリ(Colibri)」という自転車もあり、こちらも当時は人気のモデルでした。

フォールディングバイクといっても、オーシャンのように本格的なものではなく、ハンドル部分が折れるだけです。

それでもコンパクトなサイズなので、車に載せるのも簡単でした。

また、リアキャリアを使えば縦に置くこともできるなど、面白い工夫がされた一台です。

こちらも、オーシャン同様にネットオークションで出品されているのをよくみかけます。

可動部が多いフォールディングバイクは故障が多くなりがちなのですが、残念ながらゴリブリもその例にあてはまります。

ハンドルステムや折り畳み機構にクラックが入ってしまう例がよくみられるようです。

修理するにはステムを交換するしかないのですが、当然、純正の部品はもうありません。

溶接してつなげる方法もなくはないのですが、溶接することで強度は落ちてしまいます。

ハンドル部分は安全性に直結する部分なので、こういった修理はあまりおすすめできません。

もし、ネットオークションでゴリブリを購入するのであれば、そういったリスクがあることを考慮しておいた方がよいでしょう。

プジョーのビンテージは今も人気!修理は難しい

プジョーの自転車でビンテージといえば、やはりプジョー自身が開発、生産していた1970年代までのロードバイクでしょう。

クロモリの細いチューブを組み合わせた、繊細で美しいクラシックなフォルムが魅力的で、今でも人気があるのがよくわかります。

ただし、すでに半世紀近く前の自転車なので、修理の際にはパーツの確保がネックになります。

特にプジョーだけに限りませんが、この当時のフランス製のバイクは、すべて当時のフランス製の部品を採用していました。

このフランス製の部品の規格が独特で、イギリスやイタリア、日本のものと互換性がありません。

たとえば、ディレイラーはサンプレックス、ブレーキはマフィック、ハンドルステムはATAXなどといった具合にパーツごとにほぼメーカーも決まっています。

当然、現代のバイクではデファクトスタンダードとなった、シマノやカンパニョーロなども使えません。

現代のバイクのように、パーツが合うかどうかを心配することはありませんが、現在は消滅した部品メーカーばかりなので、苦労することは必至です。

プジョーの自転車の修理は難しくないが例外も!

いかがでしたでしょうか。

現在、販売されているプジョーの自転車であれば、特に独自の機構は組み込まれていないので、修理は他の自転車となんら変わりありません。

自転車の部品はかなり共通化が進んでいますし、自転車本体も台湾のメーカーでOEM生産されているので、特にプジョーだからといって、修理が難しいということはないでしょう。

ただし、ビンテージのロードバイクについては使用できるパーツに制限があるので、やはり専門のショップに修理を任せるしかないですね。