自転車の前輪の気になる異音!その原因と改善方法

自転車に乗っている時に、異音がするという事はありませんか?

その異音は、自転車からの危険信号かもしれません。
その危険信号を放置してしまったら、安全、快適に自転車に乗る事ができなくなってしまいます。

また、最悪の場合には事故につながる可能性もあります。

そこで今回は、自転車の前輪から聞こえてくる異音を中心に、原因と改善方法についてご説明していきます。

自転車から異音?前輪を点検してみよう!

自転車走行時に前輪付近から一定のリズムで「カチッカチッ」「シュッシュッ」という音がしたり、ブレーキをかけた時に「キーキー」と不快な音がするという事例をよく耳にします。

これらの異音には、考えられる原因がいくつかあります。
なかでも、比較的多い事例と、その改善方法をご紹介していきます。

初めに、前輪の固定不備が原因による異音です。

前輪がしっかり固定されているかを確認し、クイックレバーの締め付け具合を調節します。

クイックレバーは、締めすぎも緩すぎもよくありませんが、緩すぎる場合は車輪が外れてしまう可能性があるため、定期的に調節する事をオススメします。

次に、ブレーキシューの金属片がリムへ接触する事による異音です。

まずは、前輪のブレーキにゴミなどの汚れがついていないか確認してみましょう。

ゴミがついてる場合は、油分が含まれていない洗剤で磨くように洗い、汚れを落とします。

ブレーキの汚れは頑固な場合が多いのですが、油分が含まれている洗剤で洗浄してしまうとブレーキが滑りやすくなり、ブレーキの効きが悪くなってしまう可能性があるので注意が必要です。

汚れを落とす際は、パーツクリーナーを使うと簡単に汚れを落とす事ができるのでオススメです。

しかし、ゴムを溶かしてしまう可能性もあるので、直接ではなく、一度布につけてから使うようにしましょう。
また、注意点として、ブレーキの効きが悪くなる原因になりますので、オイル等の潤滑剤を使用する事は避けてください。

前輪の異音の原因はブレーキシューかも?

ブレーキの汚れを落としても、前輪の異音が治らない場合には、ブレーキシューをチェックしましょう。

長く自転車を使っていると、ブレーキシューの表面が摩擦熱によって、ツルツルになっている可能性があります。

このような状態になってしまうと、異音の原因になるばかりかブレーキの制動力を得られませんので、しっかりとメンテナンスしてあげましょう。

まず、ブレーキシューを取り外し、布などを使って付着した汚れを落としていきましょう。

汚れを落としたら、ブレーキシューの表面をヤスリでザラザラな状態に削り、再度取り付けます。
その際、リムの汚れも落としていきます。

先ほどもお話したように、リムにブレーキシューの削りカスやゴミが付着する事によって、異音の原因になる事があります。

このような汚れは、しっかり落としておきましょう。

自転車の前輪ブレーキの異音の改善方法

前輪の固定不備の改善、ブレーキやリムの掃除、ブレーキシューの表面を削る等をしても、前輪の異音が直らない場合には、ブレーキシューの角度の調整を行いましょう。

まず、ブレーキシューのボルトを六角レンチで緩めます。

この際、作業効率が悪くなるので、ボルトは完全に外さないよう注意してください。

次に、厚紙やプラ板をブレーキシューの後ろ側に挟み、角度を調整します。

この時、ブレーキシューの角度は「トーイン」と呼ばれる状態に調整してください。

トーインとは、自転車に跨り、リムを真上から見た時のブレーキシューの角度が「ハ」の字になっている状態の事を指します。

ブレーキを握って位置を決めながらブレーキシューを固定し、ボルトを締め直せば調整完了です。

トーインの調整が難しいという方には、作業が簡単にできるブレーキシューチューナーが販売されていますので、試してみるのも良いかもしれません。

空走中に起こる異音の原因と対処法①

自転車を走行中に聞こえてくる異音には、様々な原因があり、前輪だけが原因でない事もあります。

特にボトムブラケット周辺からの異音の事例が多く見られます。

まず、考えられるのが、ペダル軸とクランクの緩みです。

自転車に乗っている時にペダルがカタカタと動く時は、ペダル軸がクランクにしっかり取り付けてあるかを確認し、ボルトを適切な強さで締め直しましょう。

次に、クランクとボトムブラケット、フレームの緩みによる異音です。

ここでは、六角レンチとクランク抜き工具、モンキーレンチなどの専用工具を使用します。

クランクとボトムブラケット、フレームの修理には、六角レンチとクランク抜き工具、モンキーレンチ、フックレンチなどの専用工具が必要となります。

左右のボルトを締める方向に注意しながら締め直してみましょう。

次に、チェーンリングの緩みです。

六角レンチでチェーンリングのボルトを締め直してみましょう。

他にも、サドルの緩みが原因の場合もあります。

サドルには体重がかかる分、ボルトが緩んでいたという事があります。
サドルの位置を決める部分と、シートクランプのボルトを締め直しましょう。

それでも異音が改善されない場合は、シートポストを一旦取り出し、汚れを落としてからボルトの締め直しを行います。

これらの作業をしても異音が改善されない場合は、迷わず自転車ショップに相談する事をオススメします。

空走中に起こる異音の原因と対処法②

他にも、空走中に異音がする場合には、どんな原因があるのでしょう。

意外と多いのが、ライトや反射板が何かの衝撃でずれてしまい、タイヤに接触して起こる異音です。
ライトや反射板がずれていないか確認してみましょう。

他には、前輪・後輪のホイールの歪みや変形が原因によって起こる異音もあります。

長年自転車に乗っていると、ホイールを構成するリムやスポークと呼ばれる部分に人の体重などの負荷がかかり、歪みや変形が見られるようになります。

それらの歪みや変形により空走時に「シュッシュッ」と音が聞こえるようになります。

対処方法としては、スポークの歪み(伸び縮み)を調整する事で、リムの歪みも改善する事です。

この作業は、ニップルと呼ばれるリム側についているネジのようなもので調整するのですが、初心者の方には難しい作業になりますので、自転車ショップで修理して貰う事をオススメします。

ホイールの歪みは放っておくと修理では対処できなくなり、ホイールの買い替えが必要になってしまうので、早めに自転車ショップに持っていくようにしましょう。

異音がしたら即点検!自転車を修理しよう

自転車から異音がしたら、放置せずにすぐ点検をしましょう。

まずは、自転車のどの部分から異音がするかの確認です。

目安としては、ハンドル周辺、サドル周辺、クランクやペダル周辺、前輪周辺、後輪周辺の5箇所に分けて点検します。

次に、どんな音がするか確認します。

また、その異音がどんな時に聞こえてくるかも確認します。

例えば、前輪周辺から一定のリズムで「シュッシュッ」と音がする、坂道を登る際に強くペダルを踏み込んだ時に「カチカチ」音がする等です。

その異音が金属が何かに当たるような音なのか、ゴムがすれるような音なのか判別できれば、原因が特定しやすくなります。

しかし、異音が聞こえてくる場所とは違う箇所が原因の場合もありますので、原因と思われる箇所の点検をしても改善が見られない場合は、迷わず自転車ショップに持ち込み、プロにお任せしましょう。

改善が見られない場合は早めに自転車ショップへ!

いつも乗っている自転車から異音がしたら不安に思うかもしれませんが、まずはどこからどんな音がするのかを確認し、原因箇所を探ってみましょう。

そして、ご紹介した改善方法でも異音が治らない場合は、放置せず、すぐに自転車ショップで修理を行い、安全に自転車に乗りましょう。