ロードバイクのプーリーから異音がする!対処法を知りたい

ロードバイクに「プーリー」という、何とも可愛らしい名前のパーツがあります。

これは、リアディレイラーに付いている歯車のことで、変速機能はもちろん、チェーンのテンションを調整する役目もあります。

ただ、回転体の宿命とも言うべきか「異音」の症状が、数多く報告されています。

そこで今回は、プーリーも含め、ロードバイクの異音について考えていきます。

ロードバイクのプーリーとは

ロードバイクを始めとする自転車には、いくつかの回転体が仕込まれています。

ペダルやクランクは、目に見えるので分かりやすいと思いますが、車輪中央のハブやハンドル周りも、回転する部分です。

そして、自転車のギアは歯車を使用しています。

クランクの先に付いているチェーンリングがフロントギア、後輪のハブに付いているスプロケットがリアギアです。

さらに、自転車が正方向にペダルを回したときにしか車輪に力が伝わらないようにしている「ラチェット機構」も、ハブに内蔵されている歯車が活躍しています。

今回の主役「プーリー」も、そんな歯車のひとつです。

リアギアの変速機であるリアディレイラーに付いているもので、変速用とチェーンテンションの調整用のふたつがあります。

後ほど詳しく説明しますが、簡単に言うと変速用の「ガイドプーリー」がチェーンを保持しながら、スプロケット間を行き来するのが変速の仕組みです。

また、チェーンは前後のギア間で、最も長い状態で使うことを想定しているので、ギア比によっては長すぎて、たるんでしまいます。

この長い部分を巻き取って、常にチェーンを張った状態にしてくれるのが、「テンションプーリー」です。

このように、プーリーは大切な役目をになっていますが、「異音」の問題があります。

次項以降で確認していきましょう。

ロードバイクに異音は付きもの

ロードバイクに限りませんが、自転車の異音は決して珍しいことではありません。

最も多いのは、ブレーキからの異音でしょう。

スポーツ自転車は、そう大きな音がするわけではありませんが、ママチャリなどは「キーッ」という甲高い音がします。

スポーツ自転車で異音というと、すぐに話題に上がるのが、フレームとクランクを繋ぐパーツであるBB(ボトムブラケット)です。

ここからの異音の事例は、枚挙にいとまがないほどに多く、それが原因で、クランクまで交換する事態になることもあります。

さらに、先ほど少し触れたラチェット機構も、音が鳴ることで有名です。

ホイールを空転させたときに鳴る音ですが、この音が好きという人も多いので、異音とは言えないものの、かなり大きな音がします。

そんな中で、リアディレイラーについても、異音の症状が様々に報告されています。

プーリーからかどうかまでは限定できず、色々といじってみて原因にたどり着くのが、異音の厄介なところのようですね。

プーリーからの異音解消方法~ディレイラーの調整

では、プーリーを含めたリアディレイラーからの異音の症状を、いくつかご紹介していきます。

まず、ある一定の重いギアに入れたときに「カタカタ」「ガタガタ」という音がするというものです。

インプレを確認すると、ディレイラーの調整をした後でも、異音がなくならないということで、プーリーからのものと判断したようです。

この場合は、いくつかの同じ回答がありましたので、ほぼ以下の方法で解消できるはずです。

ディレイラーの先端にアジャスターボルトという、手で回せるつまみが付いています。

このボルトは、ワイヤーのテンションを調整して、ディレイラーの振り幅を調節するものです。

ギアをトップから2番目の位置に合わせ、ロードバイクのstiレバーを変速するかしないかの感覚で握ります。
カチッと行ってしまうと変速しますので、その手前ということです。

シフトをこの状態で握ったときに、3番目のギアにチェーンが少し当たっているのが理想なのですが、当たらない場合はワイヤーの張りが足りません。

反対に、カチッとなる前に、ギアが3番目に移動してしまう場合は、ワイヤーが張り過ぎです。

これを少し当たる程度の位置まで持っていきますが、反時計まわりに回すと締まりますし、時計回りだと緩みます。

これで調整したところ、プーリーからの異音がなくなるはずです。

ロードバイクのプーリーは安価

ロードバイクの異音には、「ベアリング」が絡んでいることが少なくありません。

先述したBBに加え、ペダルやハブからの異音も、ベアリングが影響していることが多いです。
そして、プーリーにもベアリングが使用されています。

そのため、もし「キュルキュル」と擦れたような音がリアディレイラー付近からした場合は、プーリーを疑ってみましょう。

シマノ製の場合、105以下のプーリーはボールベアリングが使用されていないので、この音は経年劣化と共に起こり得るものです。

この音が一度鳴り出してしまうと、清掃してもオイルを挿しても、またすぐに異音が発生します。

そのため、音が鳴り出したら限界ということで、交換するのが、異音解消の最も良い手段ということになります。

なお、アルテグラはテンションプーリー、デュラエースはガイド・テンション両方とも、シールドベアリングを採用しています。

デュラエースは、基本的にノ―メンテと考えて良いので、交換するならデュラエースがおすすめです。

シマノのリアディレイラーであれば、グレードに関係なく、全てに適合します。

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プーリーから異音がする前にメンテを

ロードバイクのプーリーについて考えていますが、異音がしなくても、定期的にメンテナンスを行った方が良いでしょう。

デュラエースのプーリーでも、注油の必要はないですが、洗浄しておくのに越したことはありません。

ちなみに、私は500kmくらい走ったら、チェーンと一緒に注油して、1000km前後で分解・洗浄を行うようにしています。

105以下のプーリーは、防塵性や防水性がほとんど期待できない構造なので、グリスを塗ってもあまり意味がありません。

そのため、オイルを使います。
分解しないときは、隙間から少しだけ注油すれば、回転するので、中までしっかり浸透します。

分解して洗浄する場合は、いくつか注意点があります。

プーリーを外すのは六角レンチ1本で済みますが、チェーンがどうやって通っていたのかが、分からなくなってしまうことが多いです。

戻すときに困惑しないように、分解を始める前に、数ヶ所を写真に収めておくのが良いでしょう。

また、テンションプーリーは方向が決まっていますので、刻印されている矢印が正方向になっているかどうかを、確認してから戻してください。

洗浄はオイルまみれになっていると思うので、油分を除去するディグリーザーを使いたいところです。

しかし、先述したシールドベアリングを使っているプーリーでは、ベアリング内のグリスが流れてしまうので、使用してはいけません。

プーリーの位置決め調整

ロードバイクのプーリーを交換するにしても、外して洗浄するにしても、組み付け時にはリアディレイラーの再調整が必要になります。

これが、異音や変速がスムーズにできないなどの不具合の原因となりますので、必ず行うようにしてください。

先ほど触れた、振り幅の調整に加え、プーリーの位置を決める調整が必要です。

プーリーの位置はギアと一直線になっているのが良いとされているので、トップ・ロー両側で、そうなるように調整します。

先ほどご紹介したワイヤー用のボルトの上に、小さなネジがふたつあり、これがプーリーの位置決めをします。

上がトップ、下がロー用の調整ネジです。

ディレイラーを上から見たときに、ネジを「左」に回すとプーリーが「右」に、「右」に回すと「左」に寄ります。

プーリーの動きが、ネジを回す方向と、逆になることを覚えておいてください。

プーリーは小さいけど働き者

今回は、ロードバイクのプーリーについてお話しました。

リアディレイラーからする異音の原因は、プーリーであることが多いので、今回の話を参考にしてください。

また、メンテナンスをつい忘れがちになる部分ですので、定期的に注油や洗浄を心掛けましょう。