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人気のシクロクロス!カンチブレーキで最強を目指せるか?

2017.6.5

近年、シクロクロス競技において、ディスクブレーキが使用可能になり、多くの選手がディスクブレーキを搭載したシクロクロスで戦うようになりました。

ですが、カンチブレーキのままのクロスバイクを乗りこなしてきた選手にとって、ディスクブレーキは必要ないという声も聞かれます。

シクロクロスにおいて、カンチブレーキで最強を目指す人にとって、カンチブレーキはどんな魅力があるのでしょうか。

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世界最強クラスの選手はまだカンチブレーキを使っている!

近年、UCIによってシクロクロスの規定が変更され、ディスクブレーキを装着して競技に参加できるようになりました。

最近は、ディスクブレーキ搭載車に乗る若手の活躍も目立ち、ベテラン勢も続々とディスクブレーキを使うようになって、古いカンチブレーキは絶滅してしまうのではないかと危惧される方もいます。

しかし、2016年シクロクロス世界選手権エリート男子のレースでは、重要なレースに出場する最強クラスの選手の約半数がカンチブレーキのバイクに乗り、泥まみれになりながら、激しいアップダウンと戦っていました。

悪条件での安定した性能やレバーの軽さなどは油圧ディスクブレーキのほうが優れているとされている中、まだカンチブレーキを使い続ける選手がいるのです。

とはいえ、カンチブレーキのことを調べると、他のブレーキより効かないとか、時代遅れだとか、否定的な意見が多いのも事実です。

これでは、カンチブレーキを選ぶ若者は、減る一方でしょう。
このクラシックなブレーキで、シクロクロスを戦うことを選択するのは、リスクが高いのでしょうか。

シクロクロスで最強を目指す?カンチの基本知識

カンチブレーキについての基本的なことを、おさらいしていきましょう。

カンチブレーキは、フロントフォーク左右の台座(カンチ台座)を使用して、自転車のホイールのリムをブレーキシューではさみこむようにして制動するブレーキのことです。

正面から見ると、ワイヤが逆Y字型になっていて、ブレーキレバーを引くことにより、ワイヤーが上に上がり、キャリパーがピンセットのように、シューをリムに押し付ける仕組みになっています。

カンチブレーキは初期のブレーキです。

太いブレーキでも使えるため、以前はマウンテンバイクに使われていました。
現状としてはマウンテンバイクに用いられることはほぼ無くなっていますが、市販のシクロクロスとランドナーには採用されています。

一軸のキャリパーブレーキの制動力は、当時としては画期的であるとされていましたが、制動力が四倍のVブレーキの台頭により、カンチブレーキからVブレーキやミニVブレーキに交換する人が増え、需要が減ってしまいました。

キャリパーブレーキにしても、どんどん制動力が向上し、安定していきましたので、カンチブレーキは時代に取り残された、古いブレーキという人もいます。

カンチブレーキが最強、なんて聞くと、多くの人が首をかしげることでしょう。
しかし、そのカンチブレーキが再び注目され始めます。

シクロクロス競技の流行のより、競技人数が増えたのです。

シクロクロスのコースは、舗装されていない悪路のため泥が跳ねることが多いのですが、Vブレーキやキャリパーブレーキでは、ブレーキパッドとリムの間が、カンチブレーキより狭いため、泥が詰まりやすく、制動力ががくんと落ちてしまいます。

しかし、カンチブレーキは、ブレーキパッドとリムの隙間が大きいため泥づまりが起きにくくなっています。

さらに、シクロクロスではマウンテンバイクの競技ほど、制動力を気にしなくてよいため、カンチブレーキの制動力でも問題ありません。

このため、市販のシクロクロスに、カンチブレーキが用いられることが多いのです。

カンチブレーキを使ったことのある人なら実感していることですが、泥づまりしにくいのは、シクロクロスにおいて大きなメリットです。

最強レベルの戦いができる!カンチブレーキの可能性

シクロクロスにおいて、カンチブレーキで最強を目指すときに、ぜひ知っておいてほしいカンチブレーキの可能性についてお話しします。

どのブレーキでもそうですが、ブレーキの制動力を決めるのは、ブレーキシューをリムに押し付ける力と、ブレーキシューとリムの摩擦係数です。

ブレーキシューをリムに押し付ける力を大きくする、ということについてですが、ここにカンチブレーキの可能性があります。

デュアルピボット、Vブレーキ、ディスクブレーキはレバーを握った力の関係性を変える余地はありません。
ですが、カンチブレーキは、その単純な構造が幸いし、ブレーキのかかる力の量をある程度、任意に設定できます。

そこで、制動力を強くしたい場合は、ハンガーヨークの高さを下げて、ロープロファイル型のカンチブレーキを使うと、ブレーキシューをリムに押し付ける力を大きくすることです。

このように調整ができるので、自分であれこれ研究することができるのもカンチブレーキの魅力です。

また、ブレーキシューとリムの摩擦係数は、リムとシューの組み合わせと品質によって変わります。

このことから、カンチブレーキ以外のブレーキで制動力を上げるのであれば、使用するパーツのグレードを上げるといいでしょう。

最近は、性能が良く安定したリムブレーキが市場に出回るようになりました。
悪天候でも安定したブレーキ性能を発揮するホイールとブレーキシュー製品が利用できるようになったのです。

Zipp, Enveなどなどの品質のよいカーボンリムと専用のブレーキシューは、ドライでもウェットでも安定した制動力を発揮してくれます。

もちろん、中には効かないカーボンリムもありますし、摩擦係数が高すぎてもかえって危険なので、最新のものだからといって、信頼しすぎるのもよくありません。

そして、制動力を維持するにはどのブレーキにしても、やはりメンテナンスや交換は大切です。

アルミ・カーボンを問わず、古く劣化したブレーキシューは洗浄したり再調整してもコントロール性と制動力が低下します。
ブレーキシューの溝が半分近く残っていても、早めに交換することで制動力を維持できるのです。

競技に参加される方は特に、週に一度はブレーキシューを取り外し、石けん水に一晩つけ、スポンジで表面を擦り洗いすることをおすすめします。

たったの5分ですみます。

リムの洗浄・脱脂を習慣にすると制動力がよい状態を保つことができますよ。

ディスクブレーキの悪路での制動力は最強!?

次に、ディスクブレーキについてご説明します。

ディスクブレーキはカンチブレーキと同じように、泥詰まりしにくく、悪路走行時の制動力が高いため、注目を集め、ディスクブレーキを採用したシクロクロスで協議に参加し、最強の称号を手にする選手も増えました。

カンチブレーキのままで、全然問題なくシクロクロスを戦えるとお考えの方も、一度ディスクブレーキのメリット・デメリットについて知っておきましょう。

まず、メリットですが、一番にあげられるのが、悪路でも、安定して強い制動力を得られることです。

ディスクブレーキは、車軸に直結しているローターを、ブレーキパッドで挟むという構造になっています。
そのため、他のブレーキよりも汚れにくいのです。

また、ディスクブレーキのブレーキパッドは回転部分の金属のローターに対して、ゴムではなく、摩擦係数を高めた樹脂でつくられています。

ゴムは、水に濡れるとどうしても、滑りやすくなります。
雨の日にゴム長靴で歩いて、滑ってしまうご経験をされた方も多いと思います。

ディスクブレーキのブレーキパッドの樹脂は、滑りにくくするため、セラミックやメタルを混ぜ込んだものもあり、強力な制動力を得ることができるんです。

次のメリットですが、弱い力でスピードコントロールができるということです。
女性にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。

特に、油圧式ディスクブレーキは、ブレーキオイルを使うことによって、ブレーキレバーを握る力が無駄なく伝わるため、タッチが良く、細かいスピードコントロールができます。

また、トラブルに強いのも大きなメリットです。

ディスクブレーキのローターは、直接横から、衝撃を受けない限り、トラブルを起こすことはありません。
パンクしたときも、使い続けることができます。

ディスクブレーキのデメリット!カンチブレーキより重い!?

では次に、ディスクブレーキのデメリットについて見ていきましょう。

まず、ブレーキパッドやローターなどの消耗品の値段が高く、ランニングコストがかかります。
高性能のメタルパッドは特に高いです。

ローターの価格は安いものもありますが、カンチブレーキなどでは発生しない費用がかかることになります。
さらに油圧ディスクブレーキの場合は、ブレーキオイルの交換費用も考えなければいけません。

このように消耗品の値段が高いこともあり、ショップにセッティングを頼むと高いです。
だからといって、自分で作業するには専用工具が必要になる機種もあります。

また、きちんとセッティングしないと、音鳴りが発生します。
ディスクブレーキは、ブレーキパッドとローターの間にわずかな隙間しかなく、油圧式ではこの隙間の調整ができません。

ホイールをフレームに対して、きちんと正しい位置で取り付けないと、ブレーキパッドとローターが、回転時に接触し、シャッシャッという音や、引きずるような音が聞こえてしまうのです。

また、メンテナンスが難しいのもデメリットの一つに挙げられるでしょう。

機械式のディスクブレーキも種類によって調整の仕方が違い、使う工具も他のブレーキのものとは違うため慣れるまで大変です。

さらにもっと難しいのが油圧ディスクブレーキです。
油圧ディスクブレーキのメンテナンスには、高度なテクニックと知識が求められます。

ブレーキオイルの交換にしても、エア抜き作業にしても、マスターするには時間がかかります。

一度、正しくセッティングすればパッドがダメになるまでは、ほとんどメンテナンスしなくてもよいため、楽だとおっしゃる方もいるようですが、自分でしっかりと面倒を見る覚悟が必要です。

また、カンチブレーキに比べて重さを感じる人もいます。

カンチブレーキとディスクブレーキは、それぞれにメリット・デメリットがあり、シクロクロスで最強を目指すうえで、どちらも甲乙つけがたいのではないでしょうか。

シクロクロスでカンチブレーキは使われ続けていく

シクロクロス競技に最適化されたディスクブレーキにするためには、アーム長やローター径など、まだまだ実験段階と言えます。
このことから、まだ様子を見る選手が多いのかもしれません。

また、新しい方式に慣れるのには時間もかかります。
そのため、現状で満足されている方が多いのも事実です。

昔から自転車に触ってきたベテランの方の中には、シクロクロスやランドナーにはカンチブレーキがついているものだ、と思う方もいます。

そういう考えがある以上、カンチブレーキをつけた自転車は売れ続けます。

カンチブレーキは効かず調整もしづらく、洗練されたディスクブレーキに比べて見ためも良くないかもしれません。
それでも、きっとこの先もカンチブレーキを使い続ける人はいなくならないと感じています。

制動力は確かに他のブレーキより劣りますし、調整はしづらいですが「慣れてしまったから問題ない」「なにより、自分に、似合っている」、そう考える人がカンチブレーキを支え続けていくのです。

近代的なカンチレバーブレーキは、きちんと調整さえしていれば、シクロクロスで最強を目指す選手にとっても不足はないブレーキであるということはわかっていただけたかと思います。

若手の選手はディスクブレーキに切り替えたのではなく、初めからディスクブレーキで競技に参加し、ディスクに慣れていた方が多いのではないでしょうか。

彼らは、カンチブレーキの制動力では最強の称号を目指せないと判断したわけではありません。

カンチブレーキの良さを、体感していれば、変える必要はないのではないでしょうか。

シクロクロスにおけるカンチブレーキと、ディスクブレーキ

カンチブレーキはクラシックなブレーキですが、シクロクロスを戦うときに泥詰まりが起きにくく、軽いため、再度注目されるようになりました。

ディスクブレーキも悪路での制動力が高いですが、重く、コストがかかるのが難点です。

これから、シクロクロス向けに、ディスクブレーキが改良されるかもしれませんし、新しいブレーキが開発されるかもしれません。

しかし、カンチブレーキは深く付き合えば面白いブレーキです。
一度、カンチブレーキで最強レベルの走りをマスターしたベテラン選手にとっては、他の物にはない味があるのかもしれません。

そういう人がいる限り、カンチブレーキは不滅です。

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