国産の工具メーカーに注目!工具を揃える前の予備知識

自転車のメンテナンスや修理に欠かせない工具ですが、始めはどんなものを選んだらいいのか迷いますよね。

何から買い始めればいいのか、国産のメーカーの中ではどれが一番いいのか、セットで買うかバラで買うか...

この記事では、そんなお悩みにお答えして、簡単な工具のご説明や、少し面白いアイディア工具のご紹介をしていきます。

読み終わったら、新しい工具を買いたくなるかもしれませんよ。

自転車のメンテナンスでよく使う工具って?

自転車のメンテナンスや修理に使う工具には、どんなものがあるのでしょうか。

まず、日常的なメンテナンスで欠かせないのが、六角レンチ、ドライバー、ペンチです。
その中でも、六角レンチは、自転車乗りなら、必ず持っていたい工具です。

使用頻度は非常に高いので、値段が張っても品質がよいものを購入されるのがおすすめです。
しかし、予算がなく、まずはお手頃にお買い求めになりたいなら、安いものでももちろんメンテナンスはできます。

ですが、高価なタイプの中でも、一方の先端が「ボールポイント」型になっているものは、ボルトの回しやすさが全然違います。

こちらのタイプは軸が長いため、テコの原理によって力を加えやすいので楽に回すことができます。

他にも、ロングタイプ、レインボー(カラフルタイプ)のものなどがあります。

レインボータイプの六角レンチは、色でサイズを認識できるので、サイズ間違いが少なくなります。
サイズを確認する手間を省きたい方におすすめです。

次に、変速機の調整などに欠かせないドライバーについてですが、ドライバーを選ぶ時は、先端部分(ビット)の材質と工作精度にこだわりましょう。

ここの硬度と精度が高ければ高いほど、ボルト(ねじ)にしっかりはまるため、ねじの頭の溝や穴を潰してしまうこともなく、回しやすいです。

初心者の方はまずプラスドライバーの2番というサイズを入手するとよいでしょう。

その他にペンチは、ブレーキケーブルやシフトケーブルの調整、交換、切断の際に使います。

材質や精度によって使いやすさが大きく変わってくるので、こちらもこだわって選びたいですね。
品質が安定していて安心できる、国産のメーカーからお探しになるのもよいと思います。

専用工具の中で、使用頻度が高いのはタイヤレバー、インナーワイヤープライヤー、ワイヤーカッターでしょうか。

チェーンカッターは、マメに掃除して油を注しておけば、あまり使いません。

国産の工具メーカーから選びたい!どんなメーカーがある?

国産の工具メーカーを比較してみましょう。

まずは、KTC(京都機械工具)です。
国産の工具メーカーと聞いて、一番に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

海外ではあまり知られておらず、国内のみで販売されているメーカーですが、その分、品質にはこだわっています。

造りがしっかりしているため、長持ちし、整備士向けの本格的な工具、といった感じです。

KTCの工具は、品揃え豊富な金物屋やホームセンターで買うことができます。
品質の良さを考えると値段もそれほど高くは感じません。

次に注目する国産メーカーは、Ko-kenです。
価格も安く、使い勝手も良く、品質も安定していますから、初心者の方にもおすすめの工具です。

海外でもKo-kenは有名です。
誇らしいことですね。
特にソケットツールは、造りが良く、世界中の多くの方に愛用されています。

最後はTONEです。
安価なので、こちらを購入されことを考えている方もいらっしゃるかもしれません。

一昔前までは、サンデーユーザー向けといった感じで、本格的に工具にこだわる人は注目しなかったメーカーですが、今は品質も向上しました。

とはいえ、使い勝手の面でKTCやKo-kenと比較すると、まだ、一歩及ばないです。
もちろん、個人の好みもありますので、使ってみて問題ないと感じればお買い得なメーカーです。

工具一式セットとバラ購入!メーカーは揃えるべき?

自転車用の工具はセットで揃えるのとバラで購入するのでは、どちらがよいのでしょうか。

一式セットは、一つ一つ揃える手間が省け、工具箱も付いてくるので整理しやすいというメリットがあります。

六角レンチや、ドライバーなどの基本的な工具のほかに、チェーンカッターやペダルレンチなど自転車専用の工具類を購入しようと思うと、収納場所に困りますよね。

その点セットで買うと、工具箱の中に整然と収まっていますので、ごちゃごちゃせず、使いやすいです。

特に、プロツールボックスは、見た目もカッコよく、開けるだけで気分があがります。
男のロマンですね。

ただ、使わない工具も多いですし、こだわりの国産の工具をバラで購入したくなった場合、工具一式セットのものと被ってしまい、その分無駄になってしまうかもしれないので、ここが悩みどころです。

また、同じ工具でもデザインも使い勝手も違い、いろいろと試すうちに、お気に入りの工具メーカーができるかもしれません。

六角レンチやドライバーなど、よく使うものは、それなりに品質がよいものを購入したいですが、一回しか使わないような工具は、安価なものにすることで、節約することができます。

そうなってくると、バラで揃えていったほうが無駄がなく、使い勝手もいいのです。
使用頻度に応じて、安いものとレベルの高いものを選ぶことができるのが、バラで揃えることのメリットです。

バラで揃える場合の収納についてですが、大きめのケースを選びましょう。

リングスターの収納ボックスは軽くて丈夫ですし、樹脂製なのでフローリングの上に置いても傷つける心配がなくおすすめです。

国産メーカー・ミノウラのペダルスタンド付き携帯工具って?

少し変わったアイディア工具をご紹介したいと思います。

スタンドで有名な国産メーカー・ミノウラのペダルスタンド付き携帯工具です。
ツーリングの時に工具を携帯するかと思いますが、その工具が自転車用の簡易スタンドとしても使えるのです。

一般工具(2/3/4/5/6mmレンチ・プラスドライバー)、タイヤレバー、ペダルスタンド、自画撮り用スタンド(ビデオスタンドとしても可)の9種類の機能が付いています。

使い方も簡単です。

タイヤレバーを専用ホルダーに差し込んで、ペダルシャフトをフックに引っ掛け、ペダルを本体にのせるだけで、スタンドになるのです。

キックスタンドがなくても自転車を自立させておけるので、ちょっとしたお出かけに携帯しておけば便利です。

ツーリング中に自撮りするとき、スマホの自立スタンドとして使えますし、友達と画像を一緒に見るときにもあると便利です。

値段も3,200円とお手頃で、重量は162g、サイズもコンパクトなので邪魔になりません。

ただし、傾斜地やぬかるみでは、傾きやすく、自転車のBBハイトやクランク長によっても使用できないケースがあります。

また、チューブレスタイヤには、対応していません。
購入時によく確認することが必要ですね。

あくまで、携帯用、緊急用としてのご使用をおすすめします。
本格的な修理や整備には、専用工具を使いましょう。

国産メーカー・ミノウラのスタンド付き携帯工具の使用感

前項でご紹介した、国産メーカーミノウラの、ペダルスタンド付き携帯工具ですが、どんなものか詳しく知りたいと思われている方のために、実際に使ってみた感想を書きますので参考にしてみてください。

まず、使用方法ですが、さきほどご説明した通り、非常に簡単でした。

アーレンキー/ドライバーの束の中に見える「フック」を立てて、反対側の△部にタイヤレバー2本を差し込みます。

すると自転車用の簡易スタンドになりますので、フックになっている部分をペダルに引っ掛け、あとは重力に任せてスタンドで支えるように、自転車を立てかけるだけでいいのです。

この時、前輪は真っ直ぐにすることが大切です。
少し前輪が傾いていると、その方向に倒れていってしまいます。

それを支えられるほど、しっかりしたスタンドではないようです。

簡易的にバランスをとっているだけなので、長時間立てかけておくことは難しいです。
自転車のことが心配になってしまい、目を離すのが怖いと感じる方もいるかもしれません。

ですが、写真撮影する時には使えます。

短時間で、近くに置いてある状態であれば全く問題ありません。
実際、自転車を撮影してみましたが、自転車は安定した状態で揺らぐことはありませんでした。

小さめのサドルバックに入るサイズでスマートに携帯できますし、写真撮影時だけと割り切れば、十分だと思います。

なんといっても、合体・変形感がカッコよく、戦隊ヒーローに夢中だった少年のころを思い出します。

JISの落とし穴って?海外の工具にも使いやすいものはある

ここまで、国産の工具にこだわってご紹介していきましたが、海外のメーカーにも良いものはたくさんあります。

確かに国産のメーカーで、JISによって保障されているものは、造りがとてもしっかりとしていて丈夫です。

しかし、裏を返せばJISに合致させるため、厚くて使い難い、自由な設計ができない工具になってしまうので、状況によっては、逆に不便さを感じます。

確かに、ボルト類が錆びて固着したりすると、外すときとんでもない力が必要になってくるので、丈夫で質の良い工具が便利です。

しかし、自転車のメンテナンスにおいては、狭い場所で使う場合もあります。

JISを無視して設計された、薄くて小柄で狭い所でも作業できる、形も自由にできるものが必要になる時もあるのです。

そのため、JISだけを基準にして工具を選ぶのが正しいとはいえません。
これは、いろいろな工具を使っていくうちに、分かっていくことだと思います。

では、海外のメーカーにも少し触れておきましょう。

海外のメーカーも国産のものと同様に、寿命や丈夫さ重視のものと使いやすさ、薄さ重視のものに分かれます。
特に品質がよく、おすすめしたいのは、HAZET、STAHLWILLE、Snap-onです。

HAZETはトルクレンチを含め、工具全般において、国産メーカーと比べても引けを取らない完成度の高さです。
STAHLWILLEは、スパナ類や、メガネレンチ類がおすすめです。

Snap-onは、手に良くしっかりと馴染み、世界で信頼されているメーカーです。
日本でも評判が良く、愛用されている方は多いですが、値段はお高めです。

自転車のメンテナンスに必要な工具の選び方を知ろう

自転車の、日常的なメンテナンスで欠かせないのが、六角レンチ、ドライバー、ペンチです。
良く使う分、丈夫で使いやすいものを選びましょう。

バラで一つずつ購入していけば、無駄が発生しにくく、使用頻度の高い低いに応じて、工具のグレードを選べますよ。

国産の工具メーカーの中では、KTCや、Ko-kenがおすすめですが、海外にも使い勝手が良く便利な工具はあります。

また、工具とスタンドが合体した面白いアイテムについてもご紹介しましたので、よく写真撮影される方は是非、購入してみてください。