初めてロードバイクを購入する際に、ママチャリには当たり前のように最初から装備されていたものが付いていないことに驚かされます。
その中にはカギやベルなどの必需品も含まれますし、ライトも付属していません。
ライトは、夜間に点灯しないで走っていれば道路交通法違反になりますし、自治体によっては、後ろにもライトが必要という条例もありますので、必要不可欠と考えてよいでしょう。
そこで今回は、ロードバイクに適している自転車用ライトの特徴や選び方をご説明しながら、ネット通販などのやレビューの評価も参考に、筆者おすすめのライトをご紹介します。
道路交通法に定められているロードバイクにおけるライトの必要性
道路交通法ではライトの点灯の必要に関して、下記のように定められています。
・日没から日の出までを夜間とし、その間に道路を走る場合。
・50M先が見渡せないトンネル内。
・濃霧などで50M先が見渡せない状況。
ただし、尾灯(リアライト)については後方に反射板などの反射材が付属している場合は、点灯の義務はないと定められています。
そして、これは東京都の例になりますが、前照灯(フロントライト)と尾灯にはそれぞれ機能と色に指定があります。
◆前照灯
・夜間に10M先の障害物が確認できる光度。
・色は淡い黄色か白
◆尾灯
・夜間後方100Mから点灯が確認できる光度
・色は赤
なお、反射板の場合は、後方から自動車の前照灯をハイビームの状態で照らした際に、容易に存在が確認できる光度になります。
このような取り決めがありますので、それに沿った選び方をする必要があります。
自分は夜間にロードバイクを走らせないから必要ないと考えても、見通しの利きにくいトンネルを走る場合や、急な天候の変化で霧が立ち込め、視界不良の中を無灯火で走れば道路交通法違反になるわけですから、やはりライトは必要不可欠といえます。
そして、ライトには自分の進路を照らし視界を確保するという機能の他に、自動車のドライバーや歩行車に対して自分の存在をアピールするという役目があります。
実際に自転車対自動車の事故に多いのは、自動車が自転車の存在に気付かず、出会い頭に衝突してしまったり、左折時に巻き込んでしまうことです。
夜間は自動車側からすると自転車は確かに見にくい存在であり、改めて見付けやすく、気付きやすくする「視認性」の向上が必要と感じたことがあります。
そのため、今回は進路を確保するに十分な光度はもちろん、視認性のような重要な特徴も踏まえて、おすすめのライトをご紹介していきます。
ロードバイク用ライトの特徴から選び方を考える
ここからは、ロードバイクに適している、自転車用ライトの特徴を確認し、選び方についてお伝えしていきます。
まず特徴としては明るさの違いであり、「ルーメン」や「カンデラ」という単位で表されます。
ルーメンはLEDライトに使用される単位であり、日本では表記がルーメンに統一されているので、LEDが多い自転車用ライトでは最も多く使用される単位です。
ルーメンは全方向に放射される光の総量であり、値が大きくなるほど明るいライトということになります。
一方カンデラは、特定の方向に光を放射したときにどれだけ明るいかを示す単位であり、自転車のライトであれば、照らす方向の明るさを示していることになりますので、取り付ける角度によっても数値が変わります。
一般的にロードバイクは100ルーメン以上が推奨されますが、薄暗い場所でも安心して走れるのは200ルーメン以上という見解もあります。
ルーメンが大きくなるほど明るさは増しますが、その分価格も上がっていきますので、用途や走る道の状況も考えて適度なものを選びたいところです。
そして、電源にも特徴があり、現在は乾電池式とUSB充電が中心になっています。
パソコンに直接ライトを挿して充電するタイプや、ケーブルを介して電源コードに挿入できるものもありますし、乾電池と充電を併用できるタイプもあります。
頻繁にツーリングなどのロングライドを楽しむ方であれば、不意のバッテリー切れに予備の乾電池で対応できるので、併用タイプもおすすめです。
最初のロードバイクにおすすめのスタンダードな特徴のライト
ここまでライトの選び方についてお話ししてきましたが、まずは自転車用のライトがどんなものなのかを把握していただくために、通販サイトで常にランキング上位の前照灯をご紹介します。
キャットアイ:自転車用LEDライト 前照灯 URBAN HL-EL145
キャットアイ:LEDヘッドライト VOLT200 HL-EL151RC
キャットアイは、自転車用のライトを代表すると言っても過言ではないメーカーで、とにかく多くのライトがラインナップされています。
その中でもこの「URBAN」は、自転車用ライトの中でもスタンダードな特徴のシリーズです。
まず明るさですが、50ルーメン・800カンデラとなっており、冒頭でお伝えした前照灯の基準はクリアしています。
2018年のモデルチェンジにより、前モデルに比べカンデラが倍の数値となり、非常にワイドな配光になりました。
そのため、街灯のある市街地を走るのであれば十分な明るさがあるためおすすめと言えるのですが、ロードバイクのように山道や街灯がない道を走る可能性が高くなってくると、ルーメンが小さく、少し光度が不足するイメージです。
そのため、中~上級者の方ではヘルメットに付けて、補助灯代わりに使用されている方もおり、筆者もその1人です。
また、このライトは単三電池2本で、約30時間の点灯、200時間の点滅が可能になっています。
仮に片道1時間程度の通勤であれば、電池2本で1ヶ月以上は持つ計算ですので、ランニングコストを考えればコスパは高いです。
自分の走行レベルが上がればライトの選び方も変わる
前項でお伝えしたライトは、ロードバイク用としては少し明るさが足りないかと思いますので、用途や走る環境によっては安全性が担保されない可能性もあります。
そこで、ここではもう少し大きいルーメンのライトをご紹介します。
キャットアイ:LEDヘッドライト VOLT200 HL-EL151RC
キャットアイ:LEDヘッドライト VOLT200 HL-EL151RC
一般的にロードバイクでは100ルーメン以上の明るさが推奨されることが多いですが、こちらは200ルーメンありますので、街灯がない場所でも走れるレベルです。
そして、選び方の項でもお話ししましたが、このライトはUSB充電のタイプで、パソコンに繋いで充電が可能です。
充電時間は約3時間となっていますが、インジケーターが搭載されており充電のタイミングを知らせてくれますので、不意なバッテリー切れが少なくて済みます。
このライトの特徴は点灯や点滅のモードが選べる点にあり、フル充電の状態からハイビームで約2時間、ロービームで約6時間、点滅では約30時間使用できます。
また、ボディーカラーが5種類から選べますので、ハンドル周りのアクセサリーとしてもおすすめになります。
ASITA:自転車ヘッドライトUSB充電式
ルーメンやカンデラは公表されていませんが、メーカーでは照射距離を150Mとしています。
また、製品レビューからも明るさに満足している声が多いライトです。
点灯で3段階、点滅も3段階から選択が可能であり、様々なシーンに対応してくれます。
大きな特徴としては充電の速さで、1.5時間~2時間でフル充電が完了します。
また、非常にコンパクトなサイズですので、駐輪時などに取り外して携帯したい方にはもってこいのライトです。
暗い道を走行する際のライトの選び方はルーメン量を優先する
ロードバイクに適した自転車用のライトですが、ここまでご紹介してきた100~200ルーメンであれば、基準はクリアしていますし、ある程度街灯がある市街地なら暗いということはありません。
しかし、必要十分というところなので、ロードバイクで遠出をして、あまり街灯もないような道で夜を迎えてしまうと、ライトによっては少々心許ない可能性もあります。
ロードバイクというのは、魅力にはまってくると自然と距離が伸びる特徴がありますし、未開の地へ踏み込みたくなる気持ちも芽生えてきますので、その備えはしておきたいところです。
そこでこの項では、街灯のない暗い夜道を走るために、高ルーメンのライトをご紹介します。
キャットアイ:LEDヘッドライト VOLT400
前項でご紹介しましたVOLT200の倍、400ルーメンの明るさを持つライトになります。
夜間に400ルーメンで前方を照らした状態で、ロードバイクのシートから撮影した写真がキャットアイのホームページで見ることができます。
夜間の街灯が全くない街路樹のような場所で撮影していると思われますが、数十メートル先までの道がしっかりと照らされ、周りの木々もハッキリ認識できます。
400ルーメンのハイモードは、フル充電で3時間照射可能となっていますが、100ルーメンのミドルモードと、50ルーメンのローモードにもボタンひとつで切り替わりますので、組み合わせればバッテリーを長持ちさせることも可能です。
ただし、先ほどライトの選び方のところでも触れたように、ルーメンが大きくなってきますと明るさが増す分、充電時間も長くなります。
そのため、外出時は万が一に備え、モバイルバッテリーなども用意しておくことをおすすめします。
最大クラスのルーメン量が特徴のおすすめライト
ロードバイクを走らせる環境は様々であり、ナイトライドなどというイベントもありますし、ツーリングでは予定通りにいかず深夜に山道を走ることがあるかもしれません。
そういった場合には、自動車並みの照射力が必要になる可能性もあり、そこに対応しているライトも販売されています。
市街地で自動車並みのハイビームを使用すれば、周りにかえって迷惑を掛けてしまう可能性があります。
しかし、自転車用ライトはここまでお伝えしてきたように、明るさのモードを選べるという特徴があるので、最大量クラスの明るさを確保するという選び方も十分にありかと思います。
そこでここでは、自転車用としては最大クラスのルーメン量を持つライトをご紹介します。
INVAVO:自転車ライト 1200ルーメン
こちらはハイモードで1200ルーメン、ローモードでも300ルーメンありますので、普段使いからナイトライドまで幅広く使用することができます。
1200ルーメンは従来の電球であれば80W(ワット)相当になりますので、メーカーでは100M先まで明るく照らせるとしています。
また、100gという軽量ですので、取り外せば懐中電灯として使うことも可能です。
ロードバイクでのキャンプなどにもおすすめです。
キャットアイ:LEDヘッドライト VOLT1700
LEDを2灯装備した、ハイモード1700ルーメンのライトで、非常にワイドな配光にもなっており、メーカーの測定値では10000カンデラという破格の数値が出ています。
先ほどVOLT400の項でお話ししたキャットアイのホームページの写真ですが、間違いなく自動車のヘッドライト級の照射力で、前方150Mは見通せていると推測できます。
照射力のみならず価格も自転車用としては異次元ですので、全てのライダーにおすすめというわけにはいきませんが、ぜひ一度ホームページを確認していただきたいですね。
ロードバイクにおける尾灯の選び方
冒頭でもお話ししましたが、自転車は後方に反射材を装備しない場合は尾灯(テールライト)の装着が必要になりますので、ここからは尾灯のお話をしていきます。
前照灯は前方の進路を照らし、視界を確保するのが大きな役目ですが、尾灯の特徴は後方にいる自動車や歩行者に存在をアピールすることです。
ロードバイク用の後方反射材は限られていますので、種類がある尾灯を選ぶのが賢明です。
尾灯の選び方ですが、確実に視認されることが重要であり、隠れてしまっていたりしては意味がありませんので、取り付け位置に注意をします。
基本的にはシートポストか、進行方向に向かって右側のシートステイに取り付けますが、シートステイは曲げ加工がされていて取り付けられないフレームもありますので、シートポスト用がおすすめです。
また、取り付け方法ですが、前照灯と同じく長時間自転車を離れる際は盗難防止のため持ち歩きたいものなので、バンドで括り付ける方式が利便性が高いですが、マウントを取り付けてそこに固定する方式もあります。
また、多くのサドルバッグに尾灯を取り付けられる場所がありますので、これを機会にサドルバッグを一緒に用意するのもおすすめです。
そして、尾灯は前照灯ほど明るい必要はありませんが、走行中常に確認できないので、連続照射時間の長く、電池の持ちがよいものが必要になります。
それでは次項から、おすすめの尾灯をご紹介します。
ロードバイクに必要な特徴を多く兼ね備えた上でリーズナブルな尾灯
それではここから、選び方でお伝えしたことを考慮しながら、ロードバイクに適した自転車用の尾灯をご紹介します。
まずは、通販サイトのランキングでも常に上位となっている定番のライトからになります。
キャットアイ:テールライト OMNI5
単4電池2本で、点灯60時間、点滅90時間の連続照射が可能です。
赤色LEDを5基使用しており、360度の照射が可能になっているので、後方からの視認性は抜群です。
取り付けはバンド状のブラケットで行い、シートポストにもシートステイにも取り付けることができます。
また、主電源のオン、オフはボタンの長押し(1秒~2秒)になりますので、習慣がつけば点灯のし忘れが少ない仕様になっています。
これだけ様々な特徴を兼ね備え、電池の持ちもよく、しかも2000円を切る価格ですから、定番と言われるのも納得のおすすめ品です。
Panasonic(パナソニック):LEDかしこいテールライト
Panasonic(パナソニック):LEDかしこいテールライト
センサーが内蔵されており本体の電源さえ入っていれば、明るさと振動を感知して自動で点滅が始まります。
また、周りが明るくなった際と停車時には自動で消灯しますので、つけっ放しやつけ忘れの心配がありません。
製品のレビューでもセンサーの感度は良好という声があり、おおむね夕方になると点滅し始め、停車時は15~20秒経つと消灯するというレスポンスの良さがポイントになります。
シートポスト、シートステイどちらにも取り付けが可能で、照射面の幅が広いので後方からしっかり視認される構造になっています。
ブレーキライトも兼ねるおすすめの尾灯
自動車の尾灯はブレーキライトとしての役割もあるわけですが、道路交通法では軽車両の扱いになる自転車にも、ブレーキライトがあってしかるべきかと思います。
そこでここでは、尾灯にブレーキライトの機能を付けたライトをご紹介します。
GIZA PRODUCTS(ギザプロダクツ):SS-L329 ナノブレーキライト デュオ
GIZA PRODUCTS(ギザプロダクツ):SS-L329 ナノブレーキライト デュオ
リアブレーキのワイヤーに取り付けますので、ブレーキレバーが引かれた際にワイヤーが動くのに反応して光る仕様になっています。
尾灯としての機能は点滅と点灯ですが、点滅時はブレーキを掛けると点灯し、点灯時はさらに強く光ります。
また、尾灯が消えているときもブレーキライトとして作動します。
必要な電源はリチウム電池1個ですが、点灯で約100時間、ブレーキライトとしては50時間という抜群の持続性なので、ランニングコスト面からもおすすめです。
なお、選び方として、ディスクブレーキには対応していませんので注意してください。
キャットアイ:テールライト RAPID X2 KINETIC
キャットアイ:テールライト RAPID X2 KINETIC
このライトの一番の特徴は、加減速のセンサーが内蔵されており、ロードバイクが減速した段階でハイモード点灯になり、後続にブレーキングを知らせることができる点です。
ブレーキと完全に連動しているわけではないので、急斜面の上りなどで著しく減速した際にも反応してしまうというレビューがありましたが、シートステイに装着すると適度な反応になるという報告があります。
また、バッテリー残量が20%程度になると、自動でバッテリーセーブモードに切り替わり、その後1時間程度は使用できます。
そして、セーブモードに入りますとスイッチが点滅しますので、充電のタイミングを教えてくれる優れものです。
さらに、このライトは尾灯としては非常に明るい50ルーメンの光量があり、真横からでも点灯が確認できるので、広範囲に自分のロードバイクの存在を認識してもらえます。
前照灯、尾灯セットのおすすめライト
冒頭でもお伝えしましたが、ロードバイクにはライトが付属していないので、自分で用意することになるわけですが、前照灯が優先されるので尾灯が忘れられてしまうことがあります。
そこでライトの選び方のひとつの提案として、前後セットになっているものを最後にご紹介させていただきます。
TaoTronics:LED自転車用ライトTT-HP007
前照灯は最大700ルーメンで、50M先まで見通すことができます。
ボタンひとつでハイ、ロー、点滅に切り替わりますので、走行中の操作でもミスは少ない仕様になっています。
また、このライトの大きな特徴として、非常にコンパクトな作りな上に軽量ですので、取り外して懐中電灯としても使用できますし、調整可能なマウント付きなため、ヘルメットにも装着可能です。
一方尾灯は点灯、高速フラッシュ、ゆっくり点滅の3モードが選択できます。
なお、前照灯はUSB充電ですが、尾灯は電池式ですのでご注意ください。
Aoyusen:自転車ライト テールライト付
このライトの大きな特徴は、前照灯が1300ルーメンのハイモードで5~6時間、480ルーメンのローモードでも10時間以上の点灯が可能という、大容量のバッテリーにあります。
また、ワイドな配光ができる構造なので、300Mまで見通せる照射力も魅力です。
USB充電ですが、放電の接続口も付いていますので、モバイルバッテリーとして、スマホなどに給電することもできます。
そのため、ツーリングなどのロングライドに特におすすめです。
そして、このライトは防水性に優れており、水に浸しさえしなければ有害な影響がないとされる防水レベル「IPX5」に認定されていますので、急な雨降りでも安心です。
尾灯もボタンひとつで3つのモードに切り替えが可能で、電源は長押しですので点灯、消灯を忘れずに済みます。
ロードバイクの用途や乗り方で適しているライトが違う!
ロードバイクにはライトが標準装備ではありませんので、自主的に取り付ける必要があります。
夜間はもちろんですが、トンネル内や霧などで視界が悪くなってもライトを点灯する必要があります。
前照灯は進路を照らし視界を確保するのが目的なので、光度も重要ですが、どこまで見渡せるかも事前に確認しておいてください。
また、尾灯は自動車や歩行者に自分の存在をアピールし、視認してもらうのが目的なので、隠れない位置に取り付けることが重要です。
このように前後のライトにはそれぞれ役割があり、安全確保のために欠かせないものなので、自分の用途や走る場所の環境なども考慮して、最適なライトを探してみてください。