通勤ライドからロングツーリング、果てはセルフディスカバリーアドベンチャー王滝に代表される、マウンテンバイクでのクロスカントリーレースに至るまで、必需品となるのがリュックです。
このリュックは、自転車メーカーからももちろん出しています。
今回はその中でも、自転車パーツメーカーで有名どころとなっているシマノのリュックに焦点を当てていきます。
シマノのシリーズ毎にリュックの特徴とその魅力についてご説明していきます。
シチュエーションに応じて選ぶ自転車用リュック!
自転車に乗る時のシチュエーションにより、リュックを使う場合と使わない場合があります。
ロードバイクでのトレーニングやちょっとしたサイクリングの場合、リュックは使わない人が多いと思います。
これに対して自転車通勤をしておられる方は、カゴ付きのシティサイクルでもない限り、リュックやメッセンジャータイプのバッグを使われているのではないでしょうか?。
また、クロスバイクでの気ままなサイクリングにリュックは便利なアイテムとなり、1泊2日のロングツーリングなどでは、リュックは欠かせない必需品となります。
そして、近年人気を博すマウンテンバイクのクロスカントリーレースでは、水分補給も可能なハイドレーションタイプのリュックはまさに命綱となります。
このように使い方は様々ですが、世界的な自転車パーツメーカーであるシマノからは、それぞれのシチュエーションに応じたリュックが発売されています。
もちろん一般的なリュックでも、これらのシチュエーションに対応することは不可能ではありません。
しかしながら、求められる機能はそれぞれ個別のもので、できることであれば目的に応じた最適のリュックを使いたいものです。
そして、なによりもそれが「自転車用として考えられたリュック」であるということが大切なのです。
なぜ自転車には自転車用のリュックが必要なのか?
一般的なリュックは自転車に乗った時の前傾姿勢や、段差で発生する衝撃などを想定して作られてはいません。
例えば通勤ライドの場合、交通量が多い幹線道路では歩道を走行せざるを得ない場面があります。
*基本的に歩行者優先になりますが、自転車走行可の歩道であれば自転車は走行が可能です。
歩道の出入りには多少なりとも段差がありますが、この段差を通過する際の衝撃で背中のリュックが上下動すると、荷物の重さの何倍もの荷重が体に作用します。
また、ロングライドの場合は、ほぼ終日前傾姿勢でリュックを背負っていることになり、背中部分の通気性が一般的なリュック以上に求められます。
このような理由で、自転車に乗る際は、背中で上下左右に動くことなく、十分な通気性のある自転車用のリュックを使うことが求められるのです。
その他にも、シマノが自転車用に設計したリュックには、テールライトを装着できるループや、ヘルメットホルダー、水分補給のためのリザーバータンクへの対応など、便利な機能が備わっています。
シマノTシリーズ自転車用リュックの特徴は?
まずは、シマノの中でもTシリーズのリュックについてご紹介していきましょう。
シマノのTシリーズの「T」はTOKYOの「T」で、その名から分かるように街中での自転車通勤を想定して設計されたリュックです。
●充実した収納力
このリュックは、収納力に重点を置いた設計で仕事で使うノートパソコンやそのケーブル類、書類はもちろん、さまざまなアイテムを収納するコンパートメントが装備されています。
容量別に17Lと23Lの2種類がラインナップされていますが、挿入口はジッパーではなくマグネットで閉じた後にくるくる巻き込むタイプで、アイテムを入れやすい形状となっているのが特徴です。
また、その都度挿入口を開けることなく横からアイテムの出し入れが可能な入口も付いていて、ユーザー目線で設計されているのもうれしい点です。
●重さを感じさせない快適性
収納力が充実しているため、荷物を入れたリュックは相応の重量となります。
このため、肩への負担が心配されますが、肩掛け部分が曲線を描く形状となっていて、重量が分散され思うほど重さを感じさせない設計となっています。
また、背中の面には熱を逃がす構造のバックパネルが使われていて、快適性を向上させています。
●安心して夜間走行も可能な安全性と利便性
効率的に配置されたリフレクターやライトを取り付けられるループが設けられており、夜間の走行も安心です。
また、リフレクター付きのズボンバンドがリュック本体に装備されていて、安全性を追求した設計となっています。
その他にも、盗難防止用のバイクロックを取り付けられる機能や、ヘルメットなどを固定するベルクロ留め具、レインカバーなど、自転車通勤に求められる機能がもれなく装備されています。
シマノRシリーズ自転車用リュックの特徴は?
シマノのRシリーズの「R」はROKKOの「R」で、その名の通り六甲山を越えるようなロングツーリングやトレイルライディングに適したリュックです。
●ロングツーリングに最適な軽量性
ロングライドツーリングの場合、背負う荷物は必要最低限にしたいものです。
それでもパンク修理に必要な予備チューブやタイヤレバーなどの携帯工具、その他にも財布や携帯電話、タオル類にエマージェンシー用の輪行バッグの携行をしたいところです。
これら荷物の重量は、ライド中つねに背中に作用するため、リュック自体の重量は軽量であるに越したことはありません。
シマノのRシリーズのリュックは、一番大きい容量の16Lでも僅か540gととても軽量に仕上がっています。
●トレイルライディングに適した一体感
Rシリーズは、後述するUシリーズの機能を受け継いだリュックで、オンロード、オフロードを問わないオールラウンドモデルです。
背中のカーブに沿うように設計されたシルエットと併せ、ウエストベルトが体の動きに追随し、アクティブなトレイルライディングでも体との一体感を維持します。
また、エアメッシュバックパネルが効率よく背中の熱を逃がし、ストレスの低減に寄与しています。
●必要最低限ながら充実した機能
Rシリーズは軽量性、快適性と併せ、必要最低限ではありますが使い勝手のよい機能が充実しています。
裏地がフリース生地のポケットは、携帯電話などの貴重品を収納するのに適しています。
また、自転車用に設計されているだけあってヘルメットホルダーも装備され、テールライトを取り付けるループはロングライド中の安全性にも配慮がされています。
シマノHシリーズ自転車用リュックの特徴は?
シマノHシリーズの「H」はHOTAKAの「H」で、その名の通り穂高の山々を自転車で走り抜ける様なオフロードアドベンチャーに適したリュックです。
●26Lの大容量で広がる行動範囲
マウンテンバイクの醍醐味といえば、オフロードアドベンチャーツーリングではないでしょうか?
日常生活を離れ自然の中で自分自身と対話をしたり、まだ見ぬ絶景を求めて峠をいくつも越えて行くのは実に魅力的です。
そのようなシチュエーションには、通常のサイクリングの装備の他に、ジェットボイルに代表されるアウトドアバーナーやミネラルウォーター、軽食なども装備したいものです。
また、気温や天候の変化に合わせたウエア類も忘れてはならないアイテムです。
シマノのHシリーズは、26Lの大容量を誇り、ライダーのこれら要望を叶えるリュックです。
●大容量のアイテムを携行しても失われない快適性
背中に作用する荷重を分散させるエルゴノミックカーブのハーネスや、背中に溜まる熱気を逃がすエアーメッシュバックパネルなど、快適性に対する配慮もされています。
シマノUシリーズ自転車用リュックの特徴は?
シマノUシリーズの「U」はUNZENの「U」で、その名の通り自転車での雲仙岳ヒルクライムから、半島一周ワンデイツーリングなどに適したリュックです。
●オールマイティーなUシリーズ
冒頭で「目的に応じた最適のリュックを使うのが望ましい」とご説明しましたが、いくつもの種類のバッグを買いそろえるのは難しいのが現実です。
そんな時にお勧めしたいのが、このUシリーズです。
クロスバイクでの気軽な街乗りから、ロードバイクでのロングライド、マウンテンバイクでのクロスカントリーまで、ライドの種類を選ばないのがこのリュックです。
容量は2L、6L、10L、14Lの4種類が設定されて、一番メインの使い方に合わせて容量を選ぶことができます。
●快適性を追求したクロスハーネス機能
Uシリーズ最大の特徴が、肩掛けを胸の部分でX型に固定するクロスハーネス機能です。
車の4点式シートベルトがドライバーとシートを一体化するように、クロスハーネスはライダーとリュックを一体化します。
リュックの上下動はストレスになりますが、ライダーと一体化になることにより、荷物を背負っていることを忘れてしまうかのようです。
また、クロスハーネスは他のリュックと比較して上腕部の自由度が飛躍的に向上し、快適性が増しています。
特に脇の部分の締め付け感が無く、通気性が保たれるのもありがたい設計となっています。
このハーネスは、バッグの内部で繋がっていて、ハーネス自体の長さを体形に合わせて調整することが可能です。
また、ハーネス先端部分でも長さの微調整ができ、より体にフィットする機能が備わっています。
荷物は「背負う」時代から「身に着ける」時代へ
ここまでご説明しましたように、自転車に乗る目的は様々であっても、その目的にかかわらずリュックに求められる機能はライダーとの一体性です。
つまり今までの「背負う」リュックから、体の一部のように「身に着ける」リュックが求められ、その要望に応えたのがシマノの自転車用リュックと言っていいでしょう。
ストレスフリーなシマノの自転車用リュックを、ぜひ一度お試し下さい。