今や通販は老若男女を問わず、誰もが当たり前のように利用されているかと思います。
商品を格安に購入できることが多いので、お得な手段として大きな買い物でも利用者が多いように感じます。
そうなると筆者が気になるのはロードバイクということになりますが、特にピナレロなどの高級ブランドはどうなのでしょうか?
今回はピナレロにおける通販の状況を確認し、格安価格で購入する手段も考えてみます。
ピナレロはメーカー直接の通販はしていない!
まずいきなりですが、ピナレロはメーカー直接の通販は行っていません。
日本のメーカーではありませんので海外での状況は不明ですが、少なくとも日本では直接の通販はしていません。
これはピナレロに限ったことではなく、世界の多くの自転車メーカーは実在する販売代理店を通しての販売です。
そして、基本は定価販売であり、家電製品など実売店であっても格安な値段が期待できるわけではありません。
メーカー直接の通販を行っているメーカーは筆者の知る限り、2018年のツール・ド・フランスを制したモビスター・チームに機材を提供している、ドイツの「キャニオン」くらいです。
また、アメリカの「スペシャライズド」などは、ネットで注文まではできますが、製品の引き渡しは実売店舗にて行われますので、完全な通販というわけではありません。
ただし、販売店によっては、独自のホームページや、アマゾン、楽天市場などの一般サイトを介して通販を展開しているところがあります。
それも厳しく規制してるメーカーがあると聞きますが、ピナレロはそこに関しては認めているようですが、数は多くありません。
このように、現在の販売状況を確認しますと、ロードバイクは実売店での対面販売が基本となります。
ピナレロが通販を行わない理由①メーカーと販売店の関係
ピナレロに限りませんが、大手メーカーは直接の通販をしないということは前項でお伝えした通りです。
この通販全盛時代になぜ?という疑問はあるかと思いますが、どうやら自転車業界の販売の仕組みにその理由があるようです。
ロードバイクなどのスポーツバイクはメーカーが100%完成させて卸すのではなく、最後の仕上げを販売店に任せる方式を取っています。
配送コストの問題などもありますが、一番はフィッテイングやポジション出し、オプションの取り付けなど、スポーツバイクはユーザー1人1人が求める最終形が異なるからです。
それを全てメーカーが請け負うというのは、キャニオンのように完全な直接通販で行っているメーカーがあるので無理と断言はできませんが、かなりの労力ですから、やはりそこは販売店に頼らざるを得ないわけです。
そして、販売店も上記のような作業が1台に必ず発生するので、競争に勝ち抜くためとはいえ、簡単に格安価格で販売するようなことは経済的に難しいことになります。
ピナレロが通販を行わない理由②ブランドイメージ
ピナレロが機材を提供するUCIワールドチームの「チーム・スカイ」は、2018年までの近7年で6度ツール・ド・フランス(以下ツール)のチャンピオンを輩出している、世界有数の強豪チームです。
そして、ピナレロはこれまでツールで14回の個人総合優勝に貢献しており、ロードレース界では「トップオブトップ」とも言える存在です。
そのレースを走る機体ですが、市販されているものという原則がありますので、ツールで優勝した機体を我々ユーザーも購入することが可能です。
これは極論すれば、F1カーを購入できるということと同じ意味であり、本来であればあり得ないことです。
これができるのがロードバイクのメリットなんですが、同時に方法を間違えますとブランドイメージの低下になり兼ねません。
特に通販には格安価格というイメージが定着している側面がありますので、ピナレロのようにブランドイメージを守らなければいけない老舗のレーシングブランドは、通販に手が出せないとも言われています。
ピナレロのロードバイクを格安で手に入れる方法①型落ち
ピナレロのホームページには、過去にさかのぼって2011年モデルまでラインナップが掲載されています。
その中には最新モデルとほぼ形状やスペックが同じでも、色やわずかなパーツの変更で毎年ニューモデルとして扱われている機種もあります。
これが自転車業界にはよくあることで、継続販売となる機種でも、年度で区切ってニューモデルとして販売をするのです。
これを行うことで、「型落ち」と呼ばれる旧モデルが毎年のように発生します。
販売代理店は在庫の返品ができませんし、単なる色違いであろうとニューモデルの冠が付けば仕入れを行わざるを得ませんので、旧モデルを売り切る必要があります。
そうなると、ニューモデルが発売されるのを分かっていて、あえて旧モデルを購入することは考えにくいので、在庫処分目的で値引き販売が行われます。
この際に対象品となったものが型落ちと呼ばれ、毎年夏場から秋口をピークに格安な値段で販売をされます。
特に店舗独自の通販を展開するショップなどは、大々的にセール品を発表したりもしますので、時期を定めて狙ってみるのも一つの手です。
ピナレロのロードバイクを格安で手に入れる方法②中古品
前項に引き続きピナレロのロードバイクを格安な値段で購入するお話ですが、次にご紹介するのは中古品です。
よほどのビンテージ品でもない限り、もちろん値段は格安になりますので、一考する価値はあります。
中古品はメーカーや販売店がうかがい知れないものですから、特に規制が掛かることもなく、通販で多く取引きされています。
しかも、ロードバイクなどは中古品の市場が確立されているので、しっかりと点検整備をして販売する店舗も多くなっています。
色々と自由が利かなかったり、消耗品をすぐに交換しなければならない可能性などのリスクはありますが、以前に比べ状態のよいものが増えているので、手が出しやすくなっているのは事実です。
中には、販売店が展示品や試乗車としていたものを、中古販売店に引き取ってもらった形の「新古品」もあります。
手つかずとまでは言いませんが、消耗品の度合いなどはほぼ新品と変わらないわけですから、かなりのお得感があります。
ロードバイクを格安な値段で販売するのは販売店の努力!
ここまでピナレロのロードバイクにおける通販の現状や、格安な値段での購入方法などをご紹介しました。
その中でも含んでおいて頂きたいのは、メーカーが行わない通販を独自に行うのも、型落ちなどを格安価格で販売するのも販売店の企業努力ということです。
例えばピナレロのフラッグシップモデル「ドグマF10」などは、フレームだけで70~90万円にもなる代物ですから、これが型落ちにでもなればお店側としては辛いことでしょう。
そして、先ほども触れましたが、販売店は1台のロードバイクを売るために多くの労力とコスト、いわゆる経費が掛かります。
そのため、格安価格で販売をすればその経費分が利益からけずられ、経営を圧迫してしまうことにもなり兼ねません。
そういった事情を頭の片隅で構わないので、含んでおいていただきたいと思います。
定価販売が基本と考えた上で格安品を探す!
スポーツバイクは定価で購入するユーザーがいる一方、格安になったセール品を購入してくれるユーザーもいないと成り立たない複雑な世界です。
そのため、格安なセール品を狙うというのも決して否定されることではありません。
しかし、特にピナレロなどの高級ブランドは値引き販売となると、販売店に掛かる負担は想像以上に大きくなります。
そのため、通販をしない理由も含め、これからピナレロのロードバイクを購入する方は、この世界は定価販売が基本という考えを心に留めておいていただきたいと思います。