メリダとジャイアントは、低価格ながらも優れた性能のロードバイクを販売しています。
では、そのコストパフォーマンスに優れたメーカーのロードバイクを比較した場合、どちらがより優れているのでしょうか。
そこで、この記事では、メリダおよびジャイアントのロードバイクとその派生車種において価格を比較します。
台湾2大巨頭「メリダ」と「ジャイアント」
この記事では、手ごろな価格ながら高性能なロードバイクを販売する台湾メーカー、「メリダ」と「ジャイアント」のロードバイクの価格を比較します。
まずは、「メリダ」および「ジャイアント」の概略についてお話しします。
「メリダ」は、創業者であるアイク・ツェンが1972年に興した自転車メーカーです。
アメリカの大手自転車メーカーのOEM生産によって磨かれた技術力により、高性能かつ手ごろな価格のロードバイクを販売しています。
メリダのロードバイクの生産は台湾ですが開発や設計はドイツで行われており、厳しい環境でのテストと、プロライダーからのフィードバックにより確かな性能の製品が生み出されます。
「ジャイアント」は、ウナギの養殖ビジネスから転向した創業者のキング・リューが1972年に設立したOEMメーカーから始まりました。
1990年代に入ると、MTB界の伝説的なライダー、ジョン・トマックとの契約や、ジャイアントのMTBを駆ったルーン・ホイダルによるMTBワールドカップでの活躍により、ジャイアントは名実共に世界トップブランドとしての地位を確立しました。
メリダとジャイアントのエアロロードバイク比較!
それでは本題に移ります。
この章では、近年人気の高まっているエアロロードバイクを比較します。
それぞれのメーカーの、ハイエンドモデルとその価格を以下に記します。
・メリダ REACTO DISC TEAM-E:¥1,200,000
・ジャイアント PROPEL ADVANCED SL 0 DISC:¥1,200,000
両者とも、コンポーネントはデュラエースDI2で、ホイールはカーボンエアロホイールです。
性能的には両者横並びですが、ジャイアントのPROPEL ADVANCED SL 0 DISCのクランクはパワーメーターが内蔵されています。
続いて、ミドルクラスである30万円前後のエアロロードバイクの比較に移ります。
・メリダ REACTO 5000:¥289,000
・ジャイアント PROPEL ADVANCED 1:¥260,000
コンポーネントは両者ともにアルテグラで、エアロホイールを装着しています。
大きな違いは、ジャイアントのPROPEL ADVANCED 1にはジャイアント独自のエアロブレーキが装着されている点です。
続いて、エントリーグレードの比較に移ります。
・メリダ REACTO 400:¥169,900
・ジャイアント PROPEL ADVANCED 2:¥220,000
両者の価格に大きな開きがありますが、これはメリダのREACTO 400がアルミフレームであるためです。
走行性能ではPROPEL ADVANCED 2が勝りますが、安価な価格でエアロロードバイクを購入可能である点ではREACTO 400は魅力的です。
メリダとジャイアントのオールラウンドモデルを比較!
この章では「メリダ」と「ジャイアント」のオールラウンドモデルのロードバイクの価格を比較します。
両者のオールラウンドモデルのハイエンドモデルとその価格を以下に記します。
・メリダ SCULTURA TEAM-E:¥1,300,000
・ジャイアント TCR ADVANCED SL 1:¥630,000
メリダのSCULTURA TEAM-EのコンポーネントはデュラエースDI2ですが、TCR ADVANCED SL 1はアルテグラDI2であるため価格が大きく異なります。
しかし、フレーム単体で比較した場合、両者の価格やスペックはほぼ同等です。
続いて、30万円前後のミドルクラスの比較です。
・メリダ SCULTURA 5000 :¥249,000
・ジャイアント TCR ADVANCED 1 SE:¥280,000
メリダのSCULTURA 5000がジャイアントのTCR ADVANCED 1 SEより安価な理由はコンポーネントにあります。
コンポーネントは両者同じくアルテグラですが、メリダのSCULTURA 5000ではブレーキは105、クランクはグレード外のモデルが搭載されており、その分価格が抑えられています。
続いて、エントリークラスのモデルを比較に移ります。
・メリダ SCULTURA 100:¥99,900
・ジャイアント TCR SL 2:¥130,000
両者ともにアルミフレームのロードバイクです。
SCULTURA 100のコンポーネントは8段変速のクラリスです。
変速段数では他のコンポーネントに劣りますが、メンテナンスのしやすさ等に優れます。
TCR SL 2のコンポーネントはティアグラです。
リアの最大歯数は34Tと非常に大きく、ほとんどの峠でも足を付かずに登れます。
メリダは快適性重視!ジャイアントはレース重視!グラベルロードバイクのコンセプトの違い
この章では、現在人気の高まっているグラベルロードバイクに注目します。
それぞれのメーカーのグラベルロードバイクから、トップグレードに当たるモデルを比較します。
・メリダ SILEX 9000:¥479,000
・ジャイアント REVOLT ADVANCED 2:¥250,000
コンポーネントは、メリダのSILEX 9000はスラムFORCE CX1で、ジャイアントのREVOLT ADVANCED 2は105です。
両者は同じグラベルロードバイクでありながらコンセプトが異なっています。
SILEX 9000はツーリングでの快適性を重視した設計です。
一方、REVOLT ADVANCED 2はグラベルのレースを想定した設計がなされています。
それを表す具体例として、両者のジオメトリーの違いが挙げられます。
SILEX 9000のヘッドチューブ長はMサイズで200mmと長く、アップライトな乗車姿勢であるに対し、REVOLT ADVANCED 2は同等のサイズでヘッドチューブ長135mmと深めの乗車姿勢です。
メリダとジャイアントのシクロクロスバイク比較!
この章では、「メリダ」と「ジャイアント」のシクロクロスバイクの価格を比較します。
それぞれのシクロクロスバイクのハイエンドモデルを以下に記します。
・メリダ MISSION CX 8000-E:¥700,000
・ジャイアント TCX ADVANCED PRO 1:¥430,000
コンポーネントは、メリダのMISSION CX 8000-EがアルテグラRX DI2、ジャイアントのTCX ADVANCED PRO 1がスラムFORCE 1です。
変速性能ではアルテグラRX DI2を搭載する、MISSION CX 8000-Eがあります。
しかし、メンテナンスのしやすさや軽量性ではスラムFORCE 1を搭載するTCX ADVANCED PRO 1が有利でしょう。
続いて、ミドルクラスの比較に移ります。
・メリダ MISSION CX 5000:¥349,000
・ジャイアント TCX ADVANCED PRO 2:¥300,000
コンポーネントは両者スラムですが、MISSION CX 5000はApex 1、TCX ADVANCED PRO 2はRIVAL 1です。
ジオメトリーに注目すると、TCX ADVANCED PRO 2はトップチューブがやや長めに設計されています。
続いて、エントリークラスの比較に移ります。
・メリダ MISSION CX 400:¥179,900
・ジャイアント TCX SLR 2:¥180,000
どちらも、アルミフレームのシクロクロスバイクです。
コンポーネントはMISSION CX 400は105、TCX SLR 2はスラムAPEX 1です。
ブレーキに注目すると、MISSION CX 400はワイヤー式のディスクブレーキであるに対して、TCX SLR 2は油圧式ディスクブレーキを採用しています。
メリダとジャイアントのクロスバイク比較!
最後の章では、「メリダ」と「ジャイアント」のクロスバイクの価格を比較します。
「メリダ」および「ジャイアント」のトップグレードのクロスバイクを以下に記します。
・メリダ GRAN SPEED 300-D:¥117,900
・ジャイアント FASTROAD SL 2:¥110,000
コンポーネントは、GRAN SPEED 300-DがスラムApex 1、FASTROAD SL 2がソラです。
メリダのGRAN SPEED 300-Dはフロントフォークがフルカーボン製です。
一方、ジャイアントのFASTROAD SL 2には標準でバーエンドバーが付属します。
続いて、エントリーグレードのクロスバイクの価格を比較します。
・メリダ CROSSWAY 100-R:¥55,900
・ジャイアント ESCAPE RX 3:¥67,000
両者ともにコンポーネントはアルタスで、フロントギアはトリプルギアです。
メリダのCROSSWAY 100-Rは、シートチューブ側のトップチューブ接合部が下げられたデザインであるため、乗り降りがしやすくなっています。
ジャイアントのESCAPE RX 3は、ワイヤー類をフレーム内蔵式としており、見た目がすっきりなおかつワイヤーが保護され寿命が向上しています。
ミドルクラス以下に差が表れるメリダとジャイアント
この記事では、メリダおよびジャイアントのロードバイクおよびその派生車種の価格を比較しました。
そこから、メリダとジャイアントのどちらがコストパフォーマンスに優れるとは一概にはいえないことが分かります。
しかし、ミドルクラス以下に注目すると、メリダはコンポーネントをミックスコンポにして低価格を実現、ジャイアントは多少割高でも高性能なコンポーネントにこだわる、といった傾向が見受けられるため、必要に応じた選択が可能です。