ロードバイクはママチャリと違って、どこの自転車屋さんでも販売しているわけではありません。
メーカーやブランドが指定(提携)している販売店が取り扱っていることが多いですが、店舗を見つけるのも楽ではないので、多くの方が考えるのは「通販はしていないのか?」ということのようです。
そこで今回はメリダのロードバイクを例に取り、通販について確認していきます。
ロードバイクメーカーの通販状況
まず大前提になりますが、メリダも含め多くのロードバイクの有名メーカー、ブランドが直接の通販はしていません。
冒頭でも触れましたが、販売店(代理店)に自転車を卸して販売してもらうというのが基本です。
筆者の知る限り、メーカーが直接通販を行っているのは、ドイツの「キャニオン」くらいです。
アメリカのスペシャライズドはホームページ(日本版)で注文は承っていますが、受取りは実店舗ということになってますので、受注から発送まで全てを自社で行う通販の体制は、キャニオンくらいかと思います。
しかし、正規販売店が独自に行う通販はメーカーによってまちまちで、それも許さないメーカーもありますし、どこまで寛大にしているのかはメーカー次第という状況です。
上記のスペシャライズドと同じく、注文はネットで承っても、受取りは実店舗というパターンが一番多いというところで、いわゆる「対面販売」のルールの範囲内で、ネットを活用するという方法です。
一方でメリダなどは少し寛大にしているようで、直接お客様に発送まで行う店舗もあります。
ただし、それもお店次第で、メリダの正規販売店の中にも、対面販売として受け取りは実店舗にしているところもあるので、どのような線引きをしているのかは企業秘密なのでしょう。
ロードバイクメーカーはなぜ直接通販を行わないのか?
ここで、なぜロードバイクを扱うメーカーは、通販をしないのかについて考えてみましょう。
逆に言えば、なぜキャニオンは完全通販なのかということですが、キャニオンの創設は2002年で、前身とされている会社も1980年代の終わりに立ち上がっています。
今ほど普及していたわけではもちろんありませんが、既にインターネットの環境は整っていた時代でした。
しかし、ロードバイクを扱うメーカーは歴史が古いところが多く、メリダや同じ台湾に籍を置くジャイアントは1972年創業で、アメリカのメーカーもメリダと同時期のところが多いです。
さらに、ヨーロッパのメーカーは老舗が多く、イタリアのビアンキなどは130年を超えますし、60年、70年などはざらにあります。
そういったメーカーが今さら販売店を切り、通販一本でやっていくというのは考えにくいことで、下手をすれば共倒れになる危険すらあります。
後述しますが、メーカーは販売店に行ってもらわなければいけないことが多くあり、簡単に関係を断ち切れるものではないのです。
ロードバイクを良好な状態で届けるために販売店が必要
メリダなどのメーカーが、なぜ直接通販を行わないかについて考えていますが、代理店制度が常識化しているロードバイクには「七分組み」という考え方があります。
工場から販売店に出荷する際に、完全に組み立てるのでなく未完成の状態で発送するという方法です。
これをユーザーの体型や好みの乗車姿勢などを考慮して、販売店が最終的に組み上げることになります。
メーカ―にとっては製造コストの削減になりますし、不具合が生じづらく、販売店にて行ってもらえるため、調整もできるなどメリットもあるでしょう。
しかし、これを直接の通販で行うとなれば、ある程度の完成形で発送しなければならず、輸送コストも掛かりますし、輸送中にトラブルがあってもそのままお客さんに届いてしまいますので、クレームの増加も考えられます。
また、ユーザー側にとっても、ほぼ完ぺきな状態で発送されてくるとはいえ、最後の仕上げは自分で行う必要があります。
したがって、ある程度の知識も必要ですし、工具もいりますので、特に初心者の方にはハードルが高いと言わざるを得ません。
メリダのロードバイクの実売店は多い!
ロードバイクにはサイズが重要で、合わないサイズで乗るほど苦痛なことはなく、あっさり手放すはめになることも考えられます。
通販の場合はサイズ合わせが出来ませんから、適合するサイズをあらかじめ自分で把握しておく必要があります。
また、サイズが合っていても、ハンドルやサドルの高さや位置は自分で設定する必要があります。
しかし、これも最初から一筋縄でいくことではなく、特に初心者の方はフィッティングしてもらった方が賢明なので、実店舗での購入が望ましいかもしれません。
メリダは、日本での総代理店がママチャリなどのシティサイクルを多く手掛けている「ミヤタサイクル」です。
そのため、街の自転車屋さんなども正規販売店になっているので、お店を見つけやすく、購入しやすい環境にあると言えます。
だだし、自分のサイズをしっかり把握しているのであれば、通販も悪い選択ではないかと思います。
サイズは単に適応身長から推奨されているだけではなく、肩幅や腕、脚の長さ、身体の柔軟性などから推し量られる、「リーチ」や「スタック」という需要なジオメトリまで把握していることが必要です。
メリダのロードバイクの通販状況
ここまでお話ししているように、メリダはロードバイクを直接の通販はしていませんが、販売代理店が行っていることはお伝えした通りです。
ネット全盛時代ですから、通販は販売だけではなく、そのお店の広告塔にもなり得ます。
そのため、非常に積極的に行っている店舗も見られ、店頭販売がスタートしたばかりのはずの最新モデルを早くもネット特価にしているお店もあります。
また、旧モデル、俗に言う型落ちなどは20~30%引きも見られ、思わぬ掘り出し物を手にできる可能性もあります。
また、同じセール品でも店頭販売ですと、「現金特価」のようなその場での現金払いが原則のものもありますが、通販という性格上クレジットカード払いに対応している場合も多いです。
通販は送料が付き物ですので、場合によっては値引き額が帳消しになるので注意が必要ですが、お近くに実店舗が見つからないこともあるはずですので、一考に値するかと思います。
メリダが通販で購入出来ても並行輸入はどうか?
通販と言うとアマゾンや楽天市場など、一般的な総合サイトを思い浮かべるかと思いますが、ロードバイクも販売がされています。
しかし、これもメーカーが直接サイトに出品しているのではなく、販売店代理店がサイトに出品しているケースです。
それであれば、販売代理店が直接行っているのと同じことなので構わないですが、問題は「並行輸入」という販売方法です。
メーカ―や代理店と関わりのない第三者が、海外向けの製品などを現地で購入し、サイトに出品しているというものです。
これはメーカーも日本の代理店も全く関与していない製品なので、アフターケアが受けられない可能性や、日本ではスペアパーツが手に入らない可能性もあります。
並行輸入と明記して販売している物もあれば、一見しただけでは分からないようなものまであります。
メリダは並行輸入に目を光らせているようであまり見掛けませんが、ごくたまにカタログに載っていないカラーが販売されていたりしますので、これなどは並行輸入の可能性があります。
筆者個人的には並行輸入にあまり魅力を感じないため、正規ルートでの購入をおすすめします。
メリダの販売店は今後も通販を行ってくるはず
今回はメリダを参考に、ロードバイクの通販について考えてみました。
メーカー直販は今後もされる可能性は低いと思いますが、販売店は積極的に行っていると感じました。
本文でもお伝えした通り、超えるべきハードルをクリアできるのであれば通販は購入手段として否定できませんし、お得な部分もありますので一考の価値ありです。