ロードバイクの登竜門とも言われるビンディングシューズ。
入手のしやすさでは、なんと言っても日本ブランドのシマノですが、デザインに優れた海外ブランドも見逃せません。
今回はこのビンディングシューズについて、シマノと海外ブランドを比較し、そのサイズ感を見ていきます。
ビンディングシューズで脱ビギナー!
ロードバイクを購入し、ある程度の距離が乗れるようになると気になり始めるのが「ビンディングシューズ」です。
信号待ちでたまたま隣り合わせたサイクリストが、信号が青になるのと同時にペダルを「パチン」とはめ込みスタートをしていくという経験はありませんか。
また、サイクリングイベントに参加すると、スタートの合図と同時に周りから一斉に聞こえる「パチンパチンパチン」というビンディングの音をお聞きすることもあるのではないでしょうか。
他にも、サイクルショップに行き、ショーケースに展示されているピカピカのビンディングペダルを目にすることもあるでしょう。
このような経験から、「ビンディングシューズにしてみようかな?」と思う方も少なくないかと思います。
ロードバイクには車体に取り付ける様々なパーツやアクセサリーがありますが、脱ビギナーという点では、このビンディングシューズの右にでるものはないと思われます。
そんなビンディングシューズですが、シマノ製から海外ブランドまで、実に多くの商品が発売されています。
専用のペダルも必要になりますので、ビンディングシューズと合わせると数万円の予算が必要です。
また、シューズは体とダイレクトに接するため、ライディングに与える影響がとても大きい部分であると言えるでしょう。
そのため、自分の足型にぴったり合ったサイズ感のビンディングシューズを選ぶことが、とても大切になるのです。
手に入れやすいシマノのビンディングシューズか?海外ブランドか?
以前は入手が困難だった海外ブランドのビンディングシューズですが、今ではインターネットで比較的簡単に手に入れることができます。
しかしながら、試し履きをしなければサイズ感がわからず、その状況で購入するのは価格からしても「冒険」と言っていいでしょう。
これと比較して、国内のサイクルショップでも取り扱いが多いのは、シマノのビンディングシューズです。
サイクルショップの中には、各サイズのフィッティングサンプルを常備しているお店もあるほどです。
実際に試し履きをしてみて、文字通りサイズ感を肌で感じてから購入できるのは最大のメリットと言っていいでしょう。
筆者の周りでも、「まずはシマノのビンディングシューズから始めた」という方がとても多いです。
このように、初心者のシェア率を獲得していることからも初めてのビンディングシューズにも、シマノはお勧めです。
ビンディングシューズに十分慣れ、買い替えを考える段階で海外ブランドを検討の土俵に乗せるのがベターでしょう。
シマノのビンディングシューズを取り扱うサイクルショップは、シマノのホームページに掲載されています。
ぜひ参考にしてみて下さい。
日本人の足型にフィットしたサイズ感!シマノのビンディングシューズ
日本人の足型と欧米人の足型には差異があると言われています。
その特徴としては、以下のような事例が挙げられます。
●農耕民族の日本人は幅広・甲高・細い踵(かかと)
しゃがみ込んで作業をするため、体重を支える足先の骨格が太いようです。
これに対して、踵はほっそりとしているのが特徴と言われます。
●騎馬民族の欧米人は痩せ型
足が長く腰の位置が高いため、重心が高いのが特徴です。
全体的にほっそりとした骨格で、足の幅も細く長いと言われています。
このように日本人と欧米人では足型に差異があり、海外ブランドのビンディングシューズは日本人の足のサイズ感に合いにくいとも言われています。
ユーザーの意見としては、「足の甲の部分が狭く、足が締め付けられている感じがする」というものがあります。
そして、もうひとつ問題なのは踵の部分です。
「ペダリングの最中に踵が浮き上がるような感じがする」という評価を耳にします。
ライド中は常に足を動かしているため、ペダリング効率が低下するのはもちろん、何より違和感はストレスとなってしまいます。
これに対し、日本人の足型を考えられているため、日本人の足型そのままな方にフィットしやすいのがシマノのビンディングシューズです。
サイズはノーマルタイプとワイドタイプの2種類で、甲の幅が広く設計されています。
もし甲が高いという方は、ワイドタイプを選んでみて下さい。
甲の幅が広い人にぴったりのサイズ感!ワイドタイプの設定は何種類?
シマノのビンディングシューズ、ロードバイク用のものは大きく分けて3タイプがあります。
・レースでの使用を目的としたコンペティションタイプ
・ロングライドでも快適なサイズ感を維持するパフォーマンスタイプ
・スイムやランとのトランジションがしやすいトライアスロンタイプ
上記の3タイプです。
その中でもワイドタイプの設定があるのは下記の通りです。
●ロードコンペティションタイプ
RC9、RCともにワイドタイプの設定があります。
●ロードパフォーマンスタイプ
RP9、RP4にワイドタイプの設定があります。
RW5、RP3、RP1はノーマルタイプのみで、ワイドタイプの設定はありません。
●トライアスロンタイプ
TR5、TR9ともにワイドタイプの設定はありません。
以上のように全9種類中4種類にワイドタイプの設定があり、甲が幅広の人や甲高の人にもうれしいサイズ設定となっています。
また、最近ではトライアスロンの人気が高まっています。
競技者人口が増えることで、今後はトライアスロンタイプにもワイドタイプの設定がされるのではないでしょうか?
さらなるフィット感とサイズ感を目指したシマノのテクノロジー!
シマノのビンディングシューズは、シューズ自体を構成するアッパーの部分とソールの部分にそれぞれ特徴があります。
また、シューズの中に挿入するインソールにも独特のテクノロジーが盛り込まれています。
まずは、甲の上側のアッパー部分に注目してみましょう。
ペダリング時に変化する足首の角度に追随する、しなやかな素材を採用しています。
そして「靴ひも」の役割を果たすクロージャーシステムは、ビンディングシューズにより3種類に分かれます。
●BOAシステム。
ダイヤルでワイヤーを巻き上げることにより締め付ける「BOAシステム」は、足全体を均一にホールドしてくれます。
このBOAシステムは、現在のシマノのビンディングシューズの中でも、中・上級者モデルに採用されるテクノロジーです。
●ロープロファイルリバーシブルバックル
より空気抵抗を少なくするラチェット方式の「ロープロファイルリバーシブルバックル」は、容易にかつ細かく締め付け強度を調整することができます。
BOAシステムが登場するまでは、中・上級者用モデルに採用されていた方式でした。
●オフセットストラップ
着脱が容易なベルクロタイプの「オフセットストラップ」は、入門モデルに見られます。
また、その着脱の容易さから、すばやいトランジションが求められるトライアスロンモデルに採用されています。
次に、ビンディングシューズの裏側にあたるソール部分です。
よりハイパワーが求められるレース仕様のコンペティションタイプには、高い剛性のソールが採用され、日常のサイクリング仕様のパフォーマンスタイプには、さほど剛性が高くないソールが採用されています。
このように、シマノのビンディングシューズには、ユーザーにより異なる使用目的や好みのサイズ感に応じてラインナップがされています。
海外ブランドのビンディングシューズを選ぶ際のポイント
シマノと比較して「海外ブランドのビンディングシューズはサイズ感が合いにくい」というご説明をしてきましたが、幅広いタイプをラインナップする海外ブランドも見られるようになってきました。
●SIDI(シディ)
1960年に登山靴のワークショップとして創業され、70年代からサイクリングシューズの製造を開始したイタリアのメーカーです。
日本人の足型の特徴である甲高、幅広の方に合わせたMEGAモデル(WIDEモデル)がラインナップされています。
SIDIの通常のサイズと比較して、つま先部分が約4mm幅広で、甲の部分も高めにできています。
●fizik(フィジーク)
fizikと言えば、サドルが代表的なイタリアのメーカーですが、ビンディングシューズも販売しています。
fizikの場合、日本人の足型に合わせ、G-fitという種類が設定されています。
通常のサイズと比較して、甲の部分が内側に1.5mmずつ、外側には3mmずつ幅広になっているようです。
また、踵部分も日本人に合わせ2mmほど狭く、よりフィット感が得られると言います。
その他の海外ブランドとして代表的なのは、MAVIC、Diadola、DMT、GIRO、LINTAMAN、NORTHWAVE、SPECIALIZEDなど実に多くのブランドがあります。
比較的大きなサイクルショップであれば、在庫を置いているお店もあります。
気になるブランドがあれば、お店に問い合わせてみましょう。
ジャストフィットのビンディングシューズで爽快なライディング!
ここまでご説明してきたように、快適でストレスフリーなライディングを手に入れるためには、ジャストフィットするビンディングシューズを選ぶことが大切です。
ぜひご自分の足型にぴったりと合ったシューズを見つけて下さい。
そして脱ビギナー、サイクルライフのステージアップを目指しましょう!