今回はロードバイクの中古品のお話で、積極的に活用してはどうかという筆者の提案になります。
今はロードバイクの中古品市場がしっかり確立されており、全てとは言えないまでも状態の良い物が多くなってきています。
今回はピナレロの「GAN(ガン)」という機種を参考に実際の中古品も紹介しながら、中古市場全体のお話もしていきます。
ピナレロ・GANを中古で購入するに当たり覚悟しておくべきこと①
ロードバイクの中古品を購入するに当たっては、いくつか覚悟しておくべきことがあります。
まずこれは当たり前の話であり大前提ですが、誰が使用していたか分からない物であることを納得して飲み込む覚悟です。
これができない時点で中古品の検討はほぼそこで終了しますので、心情的な部分はクリアする必要があります。
次に覚悟しなければならないのは、サイズや色の選択の自由は新品に比べればかなり狭く、現品限りですので納得するものが中々見つけられない可能性が高い点です。
特にサイズは、中古品である以上フィッテイングができませんので、自分に合うサイズを分かっておく必要があります。
また、色くらいなら多少好みとは違っても性能に支障があるわけではないのでまだ許容範囲ですが、合わないサイズは性能を引き出せないばかりか、身体を痛める可能性すらあるので妥協はいけません。
幸いにもピナレロのGANはサイズが細かく設定されているので、多少の融通は利くかとは思いますが、それでも事前に把握しておくことは必要です。
ピナレロ・GANを中古で購入するに当たり覚悟しておくべきこと②
そして、中古ロードバイクは、消耗品の交換を早めに行わなわなければならない可能性があります。
タイヤのパンクやワイヤーが切れているものを、そのまま販売する店舗はよもやないでしょうが、タイヤの劣化や、ブレーキゴムのすり減り程度であれば、そのまま売りに出されてもおかしくはありません。
後述しますが、こういったことを事前に告知している店舗もありますので、そういった信頼に足るお店で購入するのがおすすめと言えます。
ただ、ピナレロのGANは2016年のデビューなので、一概には言えませんが、まだパーツが消耗していない段階のものも多いです。
そして、新品を購入する際に、販売店を吟味する必要があるということがよく語られますが、これはメンテナンスや修理など、ロードバイクは購入後もお店と付き合っていく可能性が高いからです。
しかし、中古店は販売に備えたメンテや修理をする技術は当然持ち合わせていますが、購入者を対象にした、アフターケアとしてのメンテや修理はしていないところがほとんどです。
そのため、中古品を購入する場合は、メンテや修理を自力で行える知識や技術があるのに越したことはありません。
中古品には未使用品もある
ここまでは、中古品を購入する上で必要な覚悟、デメリットとも言えることをお伝えしました。
中古品は覚悟の上で、価格というメリットがデメリットを上回ると考えれば、購入の選択肢に入るものです。
また、ピナレロのGANは2018モデルをもって3機種が廃盤となりますので、今後は中古品でしか手に入らない可能性があります。
したがって裏を返せば、廃盤になった旧モデルでも手に入る可能性があるのが、中古のメリットとも言えるわけです。
そして、中古ロードバイクの中には、「新古車」という未使用品が出品されていることがあります。
正規販売店が展示品や試乗車としていた物や、何らかの事情で傷や汚れが付いてしまった、いわゆる定価では販売できなくなってしまった物を、中古販売店が買い取ったと推測できます。
試乗車は別として、走行していない状態のものであれば新品とほぼ変わらない訳なので、価格次第では掘り出し物と言ってよいバイクもあります。
ピナレロ・GANはこんなロードバイク
それではここから、ピナレロ・GANの中古市場を確認していきますが、まずはGANの詳細についてお話しします。
GANは2016年に当時のフラッグシップモデル「DOGMA(ドグマ) F8」の形状や技術を受け継ぎながら、素材やパーツを工夫して価格を抑えた、セカンドグレードとしてデビューしました。
ドグマF8が完全エアロ形状化したことで、ピナレロは新時代に突入したと言われていますので、その新時代をドグマと共にスタートさせたのがGANということになります。
「RS」「S」「ノーマル」「DISK」の4機種がデビューし、2018年までこの体制を維持、2019年シーズンはノーマルグレードのみが継続されます。
「RS」はドグマF8に近い高弾性で軽量なカーボン繊維を使用したフレームが売りで、完成車はそのままレースにも使用できる、純粋なレースモデルです。
「S」は高弾性に変わりありませんが、少ししなやかさも加味されたフレームで、レースだけではなく趣味や実用的な使い方もできるモデルです。
そして、「ノーマル」は一番しなやかで柔らかめの素材を使用しているので、乗り心地がよく、脚に疲労が溜まりにくいので、ツーリングや通勤などの長距離走行向きと評価されています。
「DISK」は、ノーマルの機体にディスクブレーキを装備したモデルです。
ピナレロ・GANの中古品状況~2018モデル
それでは、ピナレロ・GANの中古品市場を確認していきましょう。
今回はピナレロの取扱量の多い中古販売店で筆者が確認したことのある情報をお伝えします。
では、サイクルパラダイスの情報からお伝えします。(価格は税込)
【GAN(ノーマルグレード)シマノ・105完成車 2018モデル 46.5サイズ 未使用品】
定価:¥334,800→¥270,000
僅かに傷や塗装剥げが確認できましたが、筆者個人的には気になるようなレベルではないものでした。
未使用品の2018モデルが約20%オフなので、ちょっとした傷や塗装剥げであるなら掘り出し物と言える価格でしょう。
【GAN RS フレームセット 2018モデル 51.5サイズ】
定価:¥462,240→¥292,410
傷がほとんどなく、使用感が出やすいBB(ボトムブラケット)周辺もきれいで、販売店が使用感のない美品としていたものです。
それでこの価格はお得ですね。
【GAN S シマノ・105完成車 2018モデル 50サイズ】
定価:¥405,000→¥300,240
上記で述べている状態よりも使用感のある商品でした。
しかし、傷はほぼ目立たない程度で、ものとしては良いものです。
ピナレロ・GANの中古品状況~2018モデル以外
前項では意識的に中古市場では最新となる、ピナレロ・GANの2018モデルをピックアップしましたが、もう少し年代をさかのぼったモデルもご紹介しておきます。
【GAN S シマノ・アルテグラ完成車 2017モデル 51.5サイズ】
定価:¥469,800→¥354,240
ほとんど傷も無く、バーテープが少し削れている程度で良好な状態のものです。
2017モデルですが年代落ち感はほとんど無く、アルテグラ搭載でこの価格であればお買い得であるとは思います。
【GAN(ノーマルグレード)シマノ・105完成車 2016モデル 51.5サイズ】
定価:¥325,000→¥194,400
所どころに傷が目立ちますし、いかにも中古品と言える使用感は感じます。
ただ定価から40%以上の価格設定になるほど価値は落ちていないと考えられるので、見た目にさほどこだわらないのであれば悪くない価格と言えるでしょう。
GANは中古でも使用感の少ないものが目立つ
今回は、ピナレロ・GANの中古品を購入することを考えてみました。
中古品は状態が全てと言えるわけですが、年度がまだ新しいので良好なものが多い印象です。
今回お伝えしたようなデメリットも考えて、全てを飲み込めるようであれば検討してみてください。