アンカーの「RS8 エリート」は、上位モデルのRS9と同じプロフォーマットによって設計されたロードバイクです。
それにより、RS9譲りの性能を受け継ぎつつも、カーボン素材を変更することにより、手の届きやすい価格を実現しました。
この記事では、そのアンカーの「RS8 エリート」のディティールに迫ります。
プロフォーマットにより推進力を最大化!アンカーの「RS8 エリート」!
アンカーの「RS8 エリート」は、上位モデルのRS9と同じ設計を持つ、ミドルクラスのカーボンロードバイクです。
アンカーのRS9との相違点は、カーボン素材をより耐久性とコストパフォーマンスに優れたものへと変更した点です。
それにより、RS9より重量は増加したものの、RS9譲りの反応性と推進力を手ごろな価格帯で実現しています。
フレームの設計は、RS9と同じくプロフォーマットによって行われています。
プロフォーマットとは、ロードバイクやそれに乗る人間にかかる力をくまなく計測し数値に落とし込み、その結果をもとに、フレーム性能にフィードバックする設計方法のことです。
プロフォーマットによって設計されたフレームは、ペダルに与えた力が最大限に推進力へと変換されるような走りを実現します。
「RS8 エリート」は、コンポーネントにアルテグラを搭載し、タイヤにも、ブリヂストンの高性能タイヤであるエクステンザR1Xを装着しているため、そのままの状態でレースへの投入が可能です。
価格は、完成車で335,000円、フレームセットで180,000円です。
アンカーの「RS8 エリート」のコンポーネントはレース仕様!
アンカーの「RS8 エリート」について、まずはコンポーネントに着目します。
コンポーネントは、シマノのアルテグラR8000系です。
R8000系のアルテグラのリアディレイラーは、横方向への張り出しが極力おさえられた、シャドーデザインです。
それによって、落車や集団走行時の接触などによる、リアディレイラー破損のリスクが低下します。
アルテグラは、シフト性能やブレーキ性能も高い水準にあるため、レースで使用するにしても不満はないでしょう。
また、アップチャージによって、付属するコンポーネントを電動タイプのアルテグラへと変更が可能です。
付属するアルテグラのクランクは、52/36Tのセミコンパクト仕様です。
これは、登りを含むロードレースなどにおいては最適であると言えます。
しかし、タイムトライアルやサーキットの走行などの平坦がメインのレースでは、脚が回りきってしまうと考えられます。
クランクのギアの設定は、52/36T以外では50/34Tと46/36Tであり、初心者から中級者の方にとっては適当な設定であると言えます。
しかしながら、脚力のある上級者の方にとっては、やはりギアが不足しています。
耐久性に優れるWH-RS100だが「RS8 エリート」付属品としてはやや不満
ロードバイクの走りを支えるのは、なんと言ってもホイールです。
アンカーの「RS8 エリート」にアッセンブルされるホイールは、シマノのWH-RS100です。
このホイールは、安価で耐久性が高く、なおかつメンテナンス性のよさで知られています。
しかし、「RS8 エリート」の完成車のパッケージに付属するホイールとしては、不釣合いでしょう。
なぜなら、WH-RS100は前後のペア重量が1897gとかなり重い部類で、リムハイトも24mmと低めでエアロ効果も低いため、走りの面で他のホイールに劣ってしまうからです。
もちろん、WH-RS100が悪いホイールというわけではなく、あくまで、「RS8 エリート」を購入時の状態でレースで使用すると想定した場合、WH-RS100では物足りなさを感じるという意味です。
付属するホイールに関しては、アップチャージにより、シマノのWH-RS500やフルクラムのRACING3へと変更が可能です。
この「RS8 エリート」を購入し、パーツの交換をせずレースへの参加を考えているならば、ホイールをWH-RS500以上へと変更することをおすすめします。
アンカーの「RS8 エリート」には高性能タイヤが付属する!
ホイールの他に、タイヤもロードバイクの走行感に大きな影響をおよぼします。
アンカーの「RS8 エリート」には、ブリヂストンのエクステンザR1Xが装着されています。
エクステンザR1Xは、ブリヂストンのロードバイク向けタイヤの、ハイエンドクラスのモデルです。
重量は、25Cの太さで190gとかなり軽量です。
また、軽量ながら対パンクプロテクターの層が存在するため、ロードレースにおいて致命的なパンクの確率を低くおさえられます。
タイヤ断面の形状は、オーソドックスな丸形状であり、安定したコーナリングが可能です。
グリップ力は、同じくハイエンドクラスのエクステンザR1Gに次ぐ性能を誇り、総合的な性能のバランスでは、エクステンザシリーズでトップです。
つまり、「RS8 エリート」に装着されたタイヤは、完成車のおまけ程度の性能ではなく、レースを想定したハイパフォーマンスなタイヤであると言えます。
しかし、「RS8 エリート」は完成車に付属するタイヤの変更ができません。
そのため、レース時のパフォーマンスよりも、耐久性や対パンク性能を求める方には少々不満が残るでしょう。
アンカーの「RS8 エリート」のジオメトリーはレース向き!
この章では、アンカーの「RS8 エリート」のジオメトリーに注目します。
トップチューブやシートチューブ長に関しては、一般的なミドルクラスロードバイクと同様の数値です。
それに対して、ヘッドチューブは120mmと、他メーカーのロードバイクと比較して切り詰められています。
そのため、上級者の方は、より深い前傾姿勢によるエアロポジションの実現が可能です。
ヘッドアングルは490サイズで72.3度、ホイールベースは同じく490サイズで979mmです。
ヘッドアングルはやや立ちあがり、ホイールベースは短めです。
それにより、ハンドリング性能はクイック気味で機敏なレーンチェンジが可能です。
しかし、ロードバイクに乗り慣れていない方にとっては、少々不安定に感じるかもしれません。
フレームの適正サイズは、身長150cmから183cm前後までカバーします。
アンカーのロードバイクのフレームのサイズは、日本人にフィットするように設計されているため、平均的な身長の方であれば、490サイズのほか480サイズも選択でき、より自分の体格にフィットするサイズのロードバイクを購入できます。
「RS8 エリート」に付属する細かいパーツをまとめてご紹介!
最後に、アンカーの「RS8 エリート」の完成車に付属する、細かいパーツをまとめてご紹介します。
ヘッドパーツは、タンゲ製の上1-1/8、下1-1/4の標準的なサイズのものを採用しています。
BBも、現在のカーボンロードバイクの主流である、プレスフィットBBです。
フロントディレイラーの取り付け方法は直付けタイプで、リアディレイラーのハンガーは一般的なリアディレイラーに対応するタイプです。
ステムのサイズは、70mmから110mmまで10mmきざみでラインナップされており、好みに合わせて選択が可能です。
そして、ステム、ハンドル、シートポストは全てアルミ製です。
そのため、ダンシングの振りの軽さや、身体に伝わる振動を削減したい方はこれらのパーツをカーボン製のパーツへ交換することをおすすめします。
サドルは、標準ではアンカーのRACINGサドルが付属しますが、レディースモデルのサドルへ変更ができます。
なお、完成車はペダルなしが基本ですが、13,000円のアップチャージによりアルテグラのペダルが付属することができます。
余裕があるならホイールのグレードアップの検討を!
アンカーの「RS8 エリート」は、フレームの性能はもちろん、コンポーネントなどの付属するパーツも高性能であり、そのままの状態でも十分な仕上がりです。
しかし、「RS8 エリート」のフレームの性能やパーツ構成から考えると、付属するホイールに少々不満が残ります。
もし、「RS8 エリート」の本領を発揮させたいと思うなら、ホイールをWH-RS100からグレードアップすることをおすすめします。