ピナレロの「PRIMA(プリマ)」はアルミフレーム車ですが、2018モデルを最後に「NEOR(ネオール)」が廃盤となり、2019年ではシニアモデル唯一のアルミ車となります。
また、2019モデルは大きな仕様変更が見られないのに、大きなプライスダウンも実現しており、ますます注目度が上がってくるはずです。
そこで今回は、そんなピナレロのプリマをご紹介します。
2018年シーズン終了でプリマはピナレロ唯一のアルミフレームに
ピナレロのプリマは2015年にデビューをしていますが、ピナレロにとっては実に久々の「カーボンバック」では無いアルミフレーム車でした。
カーボンバックは、シートステイにカーボンを使用したアルミフレームで、ピナレロが世界で始めて導入した技術です。
1998年、初代の「PRINCE(プリンス)」に導入されて以来、ピナレロのアルミフレームを支え続けてきた技術で、実に2018年に廃盤を迎えるNEOR(ネオール)まで、20年に渡り採用され続けてきました。
その経緯がある中で、フロントフォークを除くフレームが、純粋に全てアルミで構成されたのがプリマです。
フルカーボンフレームが全盛の中で、ここまでカーボンバックを続けたピナレロの意地というかこだわりも凄いですが、2015年というタイミングでフルアルミを再投入する勇気も中々のものです。
しかも、自転車のお手本とも言える「ホリゾンタルスタイル」を採用し、クラシカルな雰囲気まで演出してのものですから、さすがに戦略家と言われるピナレロの真骨頂を見た気がしました。
ピナレロはアルミフレームを軽んじてはいない
前項でもお伝えしましたが、2018モデルを最後にカーボンバックの名残りであるNEORが廃盤となり、2019モデルのアルミフレームのシニアモデルはプリマだけとなります。(キッズモデル「SPEEDY」はアルミ)
しかし、カーボンバックの経緯でもお伝えしたように、ピナレロは決してアルミフレームを軽視していいるわけではありません。
現在のピナレロの象徴である、クネクネとした独特の形状が特徴のフォーク&シートステイ「ONDA」、そしてベアリングをヘッドチューブに内蔵した「インテグラルヘッド」なども、元はと言えばピナレロがアルミフレーム全盛時に開発した技術です。
しかも、そろそろフルカーボンが全盛になろうかという時代の2002年に、現在のフラッグシップ「DOGMA(ドグマ)」を、マグネシウム合金製としてデビューさせています。
ピナレロはそれほどまでに金属フレームに強いこだわりを持ち、むしろカーボンへの参入が遅れたという評価までされているほどのブランドです。
そのため、これからご説明しますが、アルミ車が1モデルしかなくなったとはいえ、決して軽んじているわけではないのです。
ピナレロ・プリマは2018→2019モデルへの移行で大幅プライスダウン
それではここで、ピナレロ・プリマのスペックをご紹介します。
フレームは軽量で高強度の6061系アルミを、1本のチューブ内で厚みが違う部分を3箇所設ける「トリプルバテッド」の技術で成形しています。
これにより、溶接部など応力の掛かる部分の剛性を高める一方で、それほど強度のいらない部分を薄く軽量にできるので、バランスが良くなります。
また、初心者の方向けのエントリーグレードですが、ピナレロの伝統である「ONDA」のカーボンフォークや、左右非対称のアシンメトリックデザインはしっかりと採用されています。
そして、地面と水平にトップチューブが伸びる「ホリゾンタルスタイル」のため、しなやかで、マイルドな乗り心地になります。
ただし、ホリゾンタルスタイルは小さなサイズに対応できないので、プリマも42、44、46サイズはトップチューブがサドルに向かって斜め下に伸びる「スローピングスタイル」です。
2019年モデルはシマノ・ソラをメインコンポとした完成車で、価格は138,240円(税込)、2018モデルに比べ大きな仕様変更なしで2万円以上のプライスダウンとなりました。
プリマは2018→2019モデルの値下げでさらにピナレロ内で破格に!
前項でピナレロ・プリマの価格をお伝えしましたが、唯一のアルミフレームということもあり、ピナレロの中では群を抜いて低価格です。
フラッグシップモデルの「DOGMA(ドグマ)」などは、フレームセットだけで70~100万円、準ずるグレードのPRINCE(プリンス)も完成車で100万円前後の機種もあります。
カーボンの最低価格の機種でも、約26万円はしますので、フレームの素材が違うとはいえ、プリマがいかにリーズナブルかが分かる数字です。
しかもプリマは前項でお伝えしたように、ピナレロの伝統様式であるONDAやアシンメトリックデザインを搭載し、一目でピナレロと分かるデザインになっています。
言葉は悪いかもしれませんが、あの高級ブランド「ピナレロ」に、気軽に乗れるというのがプリマの一番の醍醐味ではないかと思います。
そして、2018モデルに比べ2万円以上プライスダウンしていることから、さらに手が出しやすい価格になったのも、手軽さに拍車を掛けます。
ピナレロ・プリマと同グレードの他社モデル
ピナレロ・プリマのようになアルミフレームは、プロレースでの使用がされなくなってから久しくなりました。
しかし、撤退するメーカー、ブランドはほぼありませんし、むしろ近年勢力を盛り返してきている傾向にすらあります。
そこでここからは、プリマと比較して頂くという意味も込めて、他メーカーのアルミフレーム車をご紹介します。
なお、対象はプリマと同じシマノ・ソラをメインコンポとする機種とし、年度は切り替わっているメーカーは2019モデル、まだ発表されていないメーカーは2018モデルとします。
それでは、税込み価格で一覧をまとめます。
【トレック:Domane AL3】参考価格:¥105,840
【ジャイアント:CONTEND 1】参考価格:¥105,840
【キャノンデール:CAAD OPTIMO SORA】参考価格:¥110,250
【スコット:SPEEDSTER 30】参考価格:¥118,800
【メリダ:SCULTURA DISC 200】参考価格:¥140,292
【ブリヂストン・アンカー:RS6 EX】参考価格:¥140,400
※ピナレロ・プリマは¥138,240
ピナレロ・プリマのライバルはどれか?
前項では、ピナレロ・プリマのライバルになるバイクをご紹介しました。
2018モデルでは16万円を超えていましたので、プライスダウンをしてようやく戦えるようになったかというところです。
それでもジャイアントやトレックとは大きな差がありますので、あくまでも価格面だけの比較なら、優位性はないと言えます。
しかし、同じアルミとはいえ、使用している素材はまちまちですし、非公開のメーカーもありますので、本当のグレードは比較しづらいです。
また、付属パーツもソラのフルコンポではない機種もありますし、ジャイアントやメリダなどは自社ブランドのパーツを多く使用しており、これもグレードが不明です。
そのため、価格だけでの判断は難しいので、無責任なようですが、実物を見たり試乗をして決めるのが賢明です。
筆者個人的にプリマと比較して頂きたいのは、キャノンデールの「CAAD OPTIMO SORA」と、スコットの「SPEEDSTER 30」です。
キャノンデールは「アルミのキャノンデール」という異名があるほどアルミにこだわり、ピナレロと同じくらいカーボンへの移行が遅くなったブランドですので、境遇が似ています。
また、CAAD OPTIMOはプリマと同じホリゾンタルスタイルなので、比較対象にはもってこいです。
そして、スコットのSPEEDSTERは乗りやすさが強調されていてとても用途の幅が広いので、プリマに通じるところがあります。
ロードバイク最初の一台からピナレロを選べる!
今回は、ピナレロ・プリマをご紹介しました。
2019シーズンからはピナレロのシニアモデル唯一のアルミフレーム車となり、注目を一身に浴びることになります。
プライスダウンもしますので、高級なイメージのあるピナレロにハードルの高さを感じている方は、一度検討してみてください。