アルミロードの概念を覆す!アンカー RL6 EQUIPEの面白さとは

アンカーのロードバイクはこだわりが強く、モデルごとに明確なコンセプトに基づいてもの作りが行われています。

今回はアルミフレームのロングライドモデル「RL6 EQUIPE」をご紹介しますが、あえてアルミの良さを消すというコンセプトがあります。

そのコンセプトは、どうして生まれたのでしょうか。

非常に興味深い考え方なので、検証してみましょう。

ブリヂストン・アンカーのロードバイク

アンカーは、世界的タイヤメーカー「ブリヂストン」系列の「ブリヂストンサイクル」が手掛ける競技用自転車のブランドです。

ロードバイクを始め、MTBやシクロクロス、室内用のトラックレーサーまで、競技用のバイクを幅広く扱っています。

ロードバイクは主力として多くのラインナップが揃い、上位モデルはサイクリングチーム「チーム・ブリヂストンサイクル」に供給されています。

カテゴリー別に、レースモデルの「RS」、ロングライド向けの「RL」、クロモリフレームの「RNC」の3シリーズがあります。

RSとRLにはカーボンとアルミフレームがあり、9と8はカーボン、6と3がアルミになります。

完成車はシマノのコンポ別に製品名が決まっており、「シリーズ名のみ」→デュラエース、「ELITE」→アルテグラ、「EQUIPE」→105、「SPORT」→ティアグラ、「EX」→ソラとなります。

そのため、今回の主役「RL6 EQUIPE」は、ロングライド向けのアルミフレームで、完成車はシマノ・105搭載となります。

アンカー・RL6 EQUIPEが目指すもの

アンカーのロードバイク「RL6」は、上位モデルとなるカーボンフレームの「RL9」の思想を受け継いで開発されたアルミフレームモデルです。

その開発コンセプトが、RL9の乗り味に限りなく近づけるというものであり、従来のアルミフレームの概念とは外れたバイクを目指したものです。

具体的に言いますと、カーボンフレームRL9で使用しているチューブの形状に近づければ乗り味が似るということで、RL9と同じ形状を目指したということになります。

ロングライドモデルですから、乗り心地の良さや、車体の安定感など、究極のスピード感よりは快適性が重視されます。

その意味では、アルミの細かな反応性を犠牲にしてでも、衝撃吸収性や太めのタイヤに対応するクリアランスを確保することに重きを置いているのはうなづけるところです。

しかも完成車「EQUIPE」には、ロングライドをさらに快適なものにしてくれるシマノ・105が搭載されますので、より楽しいロードバイクライフになることでしょう。

アンカーRL6のフレームの魅力

アンカーのロードバイクは、ブリヂストン本社の研究機関「ブリヂストン中央研究所」との共同で立ち上げられた、「PROFORMAT(プロフォーマット)」という解析技術を基に開発、製造が行われています。

これは「推進力最大化解析技術」とも呼ばれ、一歩でも先に、一秒でも速く前に進むということが意識されています。

そのため、ロングライドモデルであっても、快適性とは相反することもある走行性能も高い次元で確保しようとしています。

RL6のトップチューブは空力性能が考慮され横方向につぶしたような扁平形状になっていますが、緩いカーブを付けることで衝撃吸収性にも配慮しています。

また、リアはシートステイを少し太くして強度を増し剛性感を高めていますが、内側に曲げ加工を施すことで、乗り心地の良さも確保しています。

そして、この辺はいかにも推進力重視のプロフォーマットが活かされていると思わせるのが、ダウンチューブとチェーンステイですね。

ダウンチューブは上側が六角形で、クランク付近に向かうにつれて四角形になっており、チューブがねじれるのを極力防ぎ、パワーロスをさせない作りになっています。

また、チェーンステイはペダルを漕いだ力を最大限動力として伝達させるために、がっちりと太めに作られています。

この様にロングライドモデルであっても高い剛性をキープして、前に進む力を犠牲にしないのがRL6の素晴らしいところです。

続きまして次項では、「EQUIPE」を始めとした完成車についてお話しします。

アンカーRL6シリーズの価格

アンカーのRL6は、フレームセットと完成車3機種の合計4パッケージで展開されています。

フレームセットは税込みで97,200円なので、もしパーツに余剰がある方は自分で完成形に組み上げる「バラ完」用のフレームとして、かなりお得な価格設定かと思います。

なお、フレームセットは、フレームにカーボン製のフロントフォークが付属します。

そして、完成車は「EQUIPE」「SPORT」「EX」の3機種となり、2019年モデルはリニューアルされた新105が搭載されるEQUIPEに注目が集まっています。

それぞれの価格は以下の通りです。

【RL6 EQUIPE】

参考価格:¥194,400

【RL6 SPORT】

参考価格:¥167,400

【RL6 EX】

参考価格:¥135,000

なお、EX以外はハンドルやホイールが数種類の中から選べる「セレクトパーツ」、30種類以上のボディーカラーが選択できる「セレクトカラー」のサービスがあります。

アンカー・RL6 EQUIPEの魅力をさらに引き出す新105!

アンカーのロードバイクはシマノのコンポとの相性を考え、コンポを活かす仕様になっているので、「RL6 EQUIPE」は新105が余計に際立つことになりそうです。

新シマノ・105ですが、ロングライドにとって一番の朗報は、STIレバーの操作性が上がったことでしょう。

手に馴染みやすい形状になったことで、ブラケットポジションからブレーキレバーに指が掛けやすくなっています。

また、全体的にコンパクトな作りになりましたが、シフターは操作性を考慮してレバーを大きくしています。

そのことで、握力がなくなってくるロングライドの終盤でも確実なブレーキングと変速が可能になります。

また、クランクのアームが太くなりパワーロスが減ることにより、少ない力でスピードの維持ができるようになるのも、ロングライドには嬉しいところです。

アンカー・RL6 EQUIPEは普段使いの街乗り車としても活躍できる

アンカーのRL6は先述通り、カーボンの乗り味をアルミに求めたロングライドモデルです。

アンカーはハッキリとしたもの作りをするので、ロングライドモデルとなると、徹底して扱いやすく、快適性を重視します。

それを考えると、RL6は通勤やちょっとしたサイクリングなど、普段使いの街乗りとしても使えるかと思います。

実際にインプレ情報でも、平日は通勤に、週末は趣味のロングライドにという使い方も見られます。

カーボンフレームですと、街乗りには不向きなところがあります。

ごみごみした街中では、障害物をよけようとして縁石やガードレールにこすったりする危険性があります。

また、倒してしまった時に当たり所が悪いとカーボンは破断の危険性もありますので、駐輪しなければいけない街乗りには怖いです。

その点アルミは傷がついても、凹んでも修復はカーボンほど難しくないので、普段使いでも神経質にならず使用できます。

そして、普段使いはトラブルを避けたいのですが、EQUIPE搭載の新105は変速機が前後共にトラブルに強い仕様になりましたので、これも心強い味方です。

さらに、車高が高い分ハンドルを高くでき、それに伴ってシートポストを伸ばしやすいので、サドルバッグや泥除けを装着しやすいのも街乗り向きですね。

また、タイヤもEQUIPEの標準装備は太さ25c(25㎜)ですが、最大28cまで装着可能ですので、衝撃吸収性もさらにアップさせることもできます。

アルミがカーボンの乗り味を目指してもよい!

今回は、アンカーのRL6 EQUIPEについてお伝えしました。

アルミロードでカーボンの乗り味を目指すという斬新なコンセプトに基づき、それをしっかりと実現しているのがアンカーの技術の高さを物語っています。

そして、EQUIPEには2019モデルより新シマノ・105が搭載されますので、ますます高性能な一台になります。