多くの強豪選手が所属し、ジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスといった、名だたる自転車レースに出場しているプロチーム「バーレーン メリダ」。
このチームが使用しているヘルメットは、どのメーカーのどんなモデルなのでしょうか。
「バーレーン メリダをとことん真似したい」「なりきりたい!」と思う方は、ぜひ参考にしてください。
プロチーム「バーレーン メリダ」とは!
美しい風景の中を颯爽と集団が走り抜け、熱い戦いが繰り広げられるサイクルロードレースの世界。
「バーレーン メリダ」は2017年に創設され、世界最高峰のカテゴリー「UCIワールドツアー」や、グランツールと呼ばれる「ジロ・デ・イタリア」「ツール・ド・フランス」「ブエルタ・ア・エスパーニャ」などに出場するチームです。
中東にあるバーレーン王国を、みなさんご存じでしょうか。
バーレーン メリダは、バーレーン王国のナセル・ビン・ハマド・アル・カリファ王子の呼びかけにより、同国の複数の企業が出資し立ち上げられました。
いわば国家プロジェクトのようなチームです。
バーレンの地元企業以外にも、UCIワールドツアーに参加するチームには、自転車や用品を提供するスポンサーがたくさん付きます。
バーレーン メリダも、バイクやヘルメット、ウェアなどはメーカーからの供給を受けています。
バーレーン メリダに所属する選手たち
サイクルロードレースでは、ひとつのレースに5人から8人ほどの選手で出場します。
しかもレースは世界各国で開催され、数日~数週間に渡るものも多く、例えばチームを二手に分けて、一方はフランスのレースに、もう一方はスイスのレースに出場するといったことも行われています。
したがってチームは大所帯になり、2018年シーズンのバーレーン メリダには、30人弱の選手が所属しています。
所属選手の中でもいちばんの実績を持つ「エース」は、イタリア人のヴィンチェンツォ・ニバリ選手です。
ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスという、ふたつの大きなレースで総合優勝を果たしたことがある、偉大な選手です。
そんなニバリ選手を支えるチームメイトの中には、日本人選手もいます。
それが、石垣島出身の新城幸也選手で、過去には「グランツール」と呼ばれるジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャの3レースを完走したことがある実力者です。
ニバリ選手も新城選手も人気が高く、バーレーン メリダが使用するロードバイクやヘルメットのレプリカモデル(チームと同じカラーのもの)も人気があります。
バーレーン メリダが使うヘルメットは「ルディプロジェクト」!
そんなバーレーン メリダが使用するヘルメットは「ルディプロジェクト」というメーカーのものです。
ルディプロジェクトは、スポーツ用アイウェア(サングラス)のメーカーとして知られていますが、自転車用のヘルメットも発売しています。
自転車用のヘルメットには、「頭部を保護する」という基本性能はもちろんのこと、軽さや快適性、そしてデザイン性も求められますよね。
バーレーン メリダが使用するルディプロジェクトのヘルメットは、そのいずれも高いレベルで満たしています。
バーレーン メリダの選手に供給されるものは、ゴールドのスペシャルカラーで彩られていて、レースの中継を見ていても、とても目立つのが特徴です。
ちなみに、サイクルロードレースで使われるヘルメットは1種類ではなく、レースが行われるコースなどによって、複数のヘルメットを使い分けるのが一般的です。
次項からは、バーレーン メリダが使用する、3種類のヘルメットについて詳しくご紹介します。
平地のレースで使うヘルメットはブースト01
数日~数週間にわたって開催される「ステージレース」と呼ばれる種類のレースでは、日によって厳しい山岳であったり、平らな場所であったりと、さまざまなコースが設定されています。
その中で、主に平地で行われるレースにおいてバーレーン メリダが使うヘルメットは「ブースト01」です。
ブースト01は、近年流行のエアロタイプのヘルメットで、空気抵抗を削減するために、つるんとした表面になっているのが特徴です。
平地で開催されるレースでは、選手の集団がハイスピードで移動します。
また、ゴール前ではスプリントと言って、勝利を目指す各チームのエースたちが、ものすごいスピードで駆けていきます。
人力で移動する自転車ですから、空気抵抗は少ないにこしたことはありません。
そこで、ブースト01のように、つるんとした表面で空気抵抗を削減した形状のヘルメットが、平地のレースでは活躍しています。
ブースト01では、普通のアイウェアのかわりに、ブースト01専用のシールドを使うことができます。
シールドを装着して走る選手の姿はちょっと未来っぽい感じもして、なかなかかっこいいですよ。
山岳のレースで使うヘルメットはレースマスター
一方、山岳を含むコースでバーレーン メリダが使うヘルメットは「レースマスター」です。
一般的に、山岳コースではとても軽いヘルメットを使うことが多いのですが、ルディプロジェクトのレースマスターは、山岳コースで使用するヘルメットしては、それほど軽量ではありません。
軽量なヘルメットは、いくら安全基準を満たしていると言っても、どうしても頭部の保護性能には限度がありますが、レースマスターは軽くすることよりも安全性こそ重要だと考えて作られているのです。
それでもレースマスターが山岳コースで使われるのは通気性が高いからで、ブースト01と見比べると、たくさんの穴が空いていることが分かります。
通気孔を設けて、風通しの良いデザインにすると、空気抵抗は増えてしまいがちですが、スピードが遅い山岳の登りでは、それほど空気抵抗は重要視されません。
山岳コースは速度が遅く、標高が高いとはいえ、ジリジリと陽射しに照らされることもあり、通気孔が多くて空気が抜けていきやすいヘルメットが選手から好まれるというわけです。
また、山岳コースで開催されるレースは、山道を登って終わるわけではなく、さらに坂を下ってふもとの町でゴールすることも多いのですが、その下り坂はとても危険で、平地のステージよりもスピードが出ます。
そんな下り坂で転倒したら大きな怪我につながってしまいますので、安全性はとても重要になってきます。
こちらのレースマスターは、ゴールドのチームレプリカが日本でも発売されていますから、レプリカジャージやメリダのロードバイクとともに買い揃えれば、バーレーン メリダの選手になりきることも可能です。
タイムトライアルではウィング57を使うことも
最後にご紹介するのは、タイムトライアルでバーレーン メリダが使うヘルメットです。
タイムトライアルとは、個人またはチーム単位で走行し、純粋に走行時間の速さを競うものです。
一般的なサイクルロードレースとは少し異なるルールやレギュレーションになっており、ヘルメットも別のものが用意されます。
バーレーン メリダが使うタイムトライアル用ヘルメットは「ウィング57」というモデルです。
ウィング57は空気抵抗を可能なかぎり減らすために、極端な形状をしています。
ただ、以前のエアロヘルメットは空気抵抗を減らすために通気孔すらなかったのですが、ウィング57では効率よく空気が通り抜けるように通気孔が設けられているので、暑くてしんどいということはありません。
アイウェアのかわりに、ウィング57に付属する取り外し可能なシールドを使えるほか、ヘルメットの後部に空気の流れを整える「JETストリーム」というものを取り付けることもできます。
なお、ウィング57はタイムトライアルやトライアスロンに特化した設計になっていて、普段のサイクリングに適したものではありませんので注意が必要です。
何より見た目がかっこいいバーレーン メリダのヘルメット!
世界有数の強豪であるニバリ選手や、日本人の新城選手が所属することもあり、バーレーン メリダは注目度の高いチームです。
そんなバーレーン メリダが使用するルディプロジェクトのヘルメットは、ゴールドのカラーということもあって、とても目立っています。
スポンサーからの収入に頼っているサイクルロードレースのチームにとって、目立つというのは、とてもよいことです。
しかも悪めだちではなく、スタイリッシュに見えるのですから、ルディプロジェクトのデザインセンスが光っているとも言えますね!