今回ご紹介していくメリダのロードバイクは、スクルトゥーラシリーズの最廉価モデル「100」です。
税抜きでは10万円を切る価格だけに、その性能が非常に気になるところです。
今回はスペックなどを確認すると共に、他メーカーのライバルなどとの比較も行い、おすすめ度を考えてみます。
メリダ・スクルトゥーラ100はシリーズの最廉価モデル
決め付けるわけではないですが、今回の主役であるメリダのスクルトゥーラ100のようなシリーズの最廉価モデルは、ロードバイク初心者の方をメインターゲットとしています。
初心者向けと言われると少しネガティブなイメージで受け取られるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
メーカーにとってロードバイクに初めて乗る人は新規の顧客になるわけですから、いい加減なものでお茶を濁せば顧客を失うことになりますし、SNS全盛のこの時代、マイナスな情報はすぐに拡散されます。
そのため、固定客になってもらうためには、最廉価モデルでもある程度のレベル、いやむしろ価格以上のものを提供していく必要があるはずです。
これは筆者独自の分析であって、メーカーが公表している見解ではありませんが、そういったことも考えなければ、世界中に星の数ほどある自転車メーカーから、最初の一台に選んではもらえないでしょう。
スクルトゥーラは「バーレーン・メリダ」のエースバイク!
前項ではメリダ・スクルトゥーラ100のような、初心者向けモデルのレベルは低くないということをお話ししました。
それを証明することとして、スクルトゥーラ100に関しては、アルミフレームのハイエンドモデルである「700」と同じ素材が使われています。
また、スクルトゥーラは、2018年のツール・ド・フランスでチーム総合2位に食い込んだ「バーレーン・メリダ」の主要バイクです。
MTBでは何度も世界制覇を果たしてきたメリダですが、ロードレースにおいてもついにそれを予感させる進撃が始まったと言われています。
チーム仕様は完成車にすると市販価格100万円以上のものですから、もちろん天と地ほどの差はありますが、少なくとも同じスクルトゥーラの名が付いている以上、フレームのコンセプトは同じです。
そんなトッププロレーサーが実際に乗っているものと、同じコンセプトで製造されたバイクに乗れるという付加価値も、メリダの強みの一つです。
メリダ・スクルトゥーラ100はどんなロードバイク?
メリダのスクルトゥーラですが、レースでは平地も山もこなすオールラウンドな「総合レーシングバイク」という位置付けになります。
レースモデルは乗車姿勢が深めの前傾になるように、ハンドルからサドルまでの距離が遠めで、重心も少し高く設定されています。
それによって、走行中に体に風が当たる面積を減らせますので、空気抵抗が減ってスピードがアップします。
100に関してはチーム仕様などの上位モデルよりは、ハンドルからサドルの距離が短めですし、ハンドルも高めのポジションに来ますので、まだ少し前傾は抑え気味ではあります。
しかし、同じメリダのロードバイクでも、長距離向きの「ライド」などに比べれば、やはり体が前に倒れるという感覚は強いはずです。
そのため、スクルトゥーラ100は、将来レースに出てみたい意向がある方に向くロードバイクと言えます。
メリダ・スクルトゥーラ100のスペック
それでは、メリダのスクルトゥーラ100のスペックを確認していきます。
先述通り、フレームはアルミのハイエンドモデル「700」と同じものを採用し、カーボン製のフロントフォークも使用しています。
スクルトゥーラのアルミフレームは旧来のような溶接痕が目立つことは全くなく、カーボンフレーム並みの美しい仕上がりが特徴です。
また、1本のチューブ内でも場所によって厚みに変化を持たせる「トリプルバテッド」という技術により、剛性と軽量化という相反する要素のバランスを取り両立させています。
そして、カーボンフォークで地面からの突き上げによる衝撃を吸収しますので、疲れを溜めずに長い距離を走ることができます。
このように、フレームは最廉価モデルとしては上々のレベルにあり、さすがハイエンドモデルと同じものを使用しているだけあります。
ご紹介が遅れましたが、スクルトゥーラ100は「101,412円(税込)」で販売されています。
正直これだけのフレームのレベルでこの価格になると、組み合わされているパーツのグレードは低くなります。
ただ、最初はロードバイクに慣れることから始まりますので、パーツはまず普通に走れるレベルの物であれば十分です。
その意味では、メインコンポのシマノ・クラリス、FSA製のクランク、そしてメリダオリジナルのホイールも、全く問題のないものです。
まして、パーツは後からいくらでも交換ができますし、走りに慣れてくればおのずと不足を感じる部分から交換することになるはずです。
メリダ・スクルトゥーラ100のライバル
ここまでメリダのスクルトゥーラ100をご紹介してきましたが、ここでは他メーカーの最廉価モデルをご紹介していきます。
条件としてはスクルトゥーラと同じ、オールラウンドのバイクで価格が10万円前後ということにします。
【GIANT(ジャイアント):CONTEND 2】
参考価格:¥90,720(税込)
ジャイアントは、メリダと同じ台湾を本拠とする、世界最大の自転車メーカーです。
アルミフレームの廉価モデルで、カーボンフォークで、ジオメトリもスクルトゥーラとよく似ています。
メインコンポはシマノ・クラリス、クランクはFSA製で、これもスクルトゥーラと全く同じです。
ややブレーキのレベルが低いですが、シフトレバーとは別にハンドルの水平部分にサブのブレーキレバーが付いていますので、手の小さい方には重宝します。
【GIOS(ジオス):SIERA】
参考価格:¥96,984
高級なイメージのイタリアのメーカーの中にあっては、日本代理店が製造を管理していることもありコスパの高い製品が多いです。
「クロモリ」という金属製のフレームに強いメーカーですが、非常にバランスよく仕上がっているので、敢えてアルミのこのモデルをご紹介しました。
メリダ・スクルトゥーラ100のライバル~続き
前項に引き続き、メリダ・スクルトゥーラ100のライバルをご紹介します。
【Cannondale (キャノンデール):CAAD OPTIMO SORA】
参考価格:¥105,000
「アルミのキャノンデール」という異名を持つメーカーで、とにかくアルミフレームへのこだわりは人一倍強いブランドです。
上位モデルの「CAAD12」を引き継ぐジオメトリは、スクルトゥーラ100よりもより攻撃的で、スピード優先のレース志向が強い仕上がりになっています。
【SPECIALIZED(スペシャライズド):Allez(アレー) Sport】
参考価格:¥117,720
世界のプロロードレースを先頭で引っ張っているメーカーで、メリダが49%の株式を保有しており、共同経営をしていることでも有名です。
アレーは、スペシャライズドのロードバイクでは最も歴史の古いモデルで、今はアルミロードの一大勢力になっています。
このモデルは安定感を重視したジオメトリなので、ゆったりとした姿勢で乗りたい方に向くタイプです。
スクルトゥーラ100は長く乗れる
今回は、メリダのスクルトゥーラ100をご紹介しました。
最廉価モデルながらフレームは上位グレード品と同じものであり、しかもプロ仕様と同じコンセプトで製造されています。
そのため、価格が安いからといって引け目を感じる必要は一切なく、むしろパーツを交換しながら長く乗れる一台でもあります。